坂さんは、資格の取得や技能競技大会への出場等、技術向上への努力を続けられています。千葉県代表として出場した2010年の全校青年技能競技大会で、受賞した銅メダルを拝見することができました（写真上）。
自身の腕を磨く傍ら、『ものづくりマイスター制度』_（※1）に登録し、若い世代に技術を伝えていく活動もされています。昨年のイベントでは、子供達に大工について興味を持ってもらおうと、丸太を切ったり椅子を作る体験をしてもらったそうです。

習得した技術を仕事に活かすことも心掛けられています。
坂さんが作成した柱の継手_（※2）の見本を拝見しました（写真中）。昔から伝わる大工の技術のひとつで、今ではなかなか使われることがないそうですが、重みがかかっても抜けることがなく大丈夫とのこと。「昔から伝わる技術は、本当によく考えられていますよね。」と、受け継がれてきた技術に敬意を払われていました。

また、高い技術を必要とする現場も、坂さんが対応することでお客様の満足が得られたとのこと。その事例をご紹介いただきました（写真下）。内装材のほとんどを無垢の羽目板で作ったもので、サッシも無垢材を使用。お客様の強いこだわりがあったそうですが、上手く工事を進めることができたそうです。

あるお客様が所有するアパートのリフォーム工事の際には、坂さんの仕事ぶりや対応を気に入って下さり、お客様のご自宅のリフォームも坂さんにお願いされたこともあるとか。「熱心な仕事ぶりが営業につながっているので、理想的な形になっています。」と、鴇田社長がおっしゃっていました。

これからリフォームを行うお客様に対して、「お客様のご要望は様々ですが、できる限り取り入れられる様、お客様と相談しながら工事を行っていくことを心掛けていきたいと思います。」と、おっしゃっていました。

^※1『ものづくりマイスター制度』
厚生労働省が創設した制度で、高度な技能をもったものづくりマイスターが技能競技大会の競技課題等を活用し、中小企業や教育訓練機関で広く若年技能者への実技指導を行い、効果的な技能の継承や後継者の育成を行うもの。

^※2『継手』
木材などの部材を接続する接合部のこと。写真の継手は、くぎやねじなどを使用せず、木材だけを組合わせたもの。