リフォームの万が一に備えるには
「リフォーム瑕疵 保険」
リフォームに保険を付けておきたいけど、
どうしたらよいのか
わからないという方、
多いのではないでしょうか?
リフォームに役立つ保険を紹介いたします。
発注者が安心してリフォーム工事を行えるよう「第三者による検査」と「保証」がセットになった保険です。リフォーム工事に瑕疵が見つかった場合の補修費用をまかなうことができるものです。
「リフォーム瑕疵(かし)保険」とはどのようなものなのか、
メリットや保険内容について、詳しく見ていきましょう。
- 「リフォーム瑕疵(かし)保険」とは?
- 保険加入の手続きの流れ
- 第三者によるリフォーム工事の現場検査
- 保険対象の部分と保険期間
「リフォーム瑕疵(かし)保険」とは?
職場の友人の田中さんの家、先日、屋根のリフォームをしたら、雨漏りしちゃって困ってるらしいの。
そりゃ、大変じゃな。そのリフォーム工事、保険には入っていなかったのかな?
え?保険ってあるの?
なんじゃ、知らないのか。「リフォーム瑕疵(かし)保険」という安心な制度があるぞ。簡単に言うと、発注者が安心してリフォームを行えるよう「検査」と「保証」がセットになった保険なんじゃ。では、教えてあげよう。
リフォームを検討している方の中には、工事完了後に不具合があった場合、リフォーム事業者にどう話せばいいのか?不安に感じている方もいるでしょう。このようなリフォームへの不安を解消し、安心してリフォーム工事をできるのが「リフォーム瑕疵(かし)保険」です。
リフォーム瑕疵(かし)保険は施主が加入するものではなく、リフォーム事業者が加入する保険です。施工中または工事完了時には、第三者(住宅瑕疵担保責任保険法人の検査員)が「現場検査」を行います。検査に合格しないと保険に加入できないため、工事の品質に安心が持てます。
そして、工事完了後に、リフォーム工事に瑕疵が見つかった場合は、リフォーム事業者が補修する費用の一部を保険でカバーできます。保険期間は、構造耐力上主要な部分・雨水の浸入を防止する部分は5年間、その他の部分は1年間となります。
なお、工事の瑕疵が見つかった時に、工事を行ったリフォーム事業者が万が一倒産していた場合は、発注者へ直接保険金が支払われます。
また、2022年10月より、リフォームに関するトラブルが生じたときに、電話相談・専門家相談(原則無料)のほか、裁判外の紛争解決手続き(申請料原則1万円)を利用することができるようになりました。
詳しくは、公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターのホームページをご覧ください。
https://www.chord.or.jp/expand/
- 瑕疵(かし)保険について
- そもそも「瑕疵(かし)保険」とはどのようなものでしょうか。
瑕疵(かし)保険は、工事後に工事に起因する欠陥が見つかった場合、補修費用をまかなうために保険会社からリフォーム事業者に支払われる保険です。リフォーム事業者がしっかり気を付けて施工しても、工事が要因となり建物に損害を与えてしまう可能性はあります。 万が一のために、発注者(施主)もリフォーム事業者も安心できるのが、瑕疵(かし)保険なのです。
リフォーム瑕疵(かし)保険の場合は、リフォーム工事後の瑕疵(欠陥)に対して保証されるリフォーム専用の保険です。 - リフォーム瑕疵(かし)保険の登録事業者とは
- リフォーム瑕疵(かし)保険の加入はリフォーム事業者が行います。
そのため、リフォーム瑕疵(かし)保険を利用するためには、リフォームをお願いする事業者が、国が指定する住宅専門の保険会社である住宅瑕疵担保責任保険法人に登録されていることが必要になります。住宅瑕疵担保責任保険法人は次のとおりです。
- ・株式会社 住宅あんしん保証
- ・住宅保証機構 株式会社
- ・株式会社 日本住宅保証検査機構
- ・株式会社 ハウスジーメン
- ・ハウスプラス住宅保証 株式会社
保険法人の登録事業者になると、登録証が発行されます。
なお、上記5社のうちのひとつの保険法人に登録している事業者もあれば、複数の保険法人に登録している事業者もあります。
また、リフォーム評価ナビのすべての登録事業者は、いずれかの保険法人のリフォーム瑕疵(かし)保険に事業者登録を行っています。
保険加入の手続きの流れ
リフォーム瑕疵(かし)保険はいつ加入すればいいの?
リフォーム工事の着工前に、リフォーム事業者が保険加入の手続きをする必要があるんじゃ。だから、加入を希望する場合は、工事契約前にリフォーム事業者に対してリフォーム瑕疵(かし)保険に加入したいことを伝えておくのじゃよ。
保険は事業者が加入手続きするものなのね。でも、保険に加入しても、事業者が倒産したり廃業したりしたらどうなるの?
それは心配ない!万が一事業者が倒産などをしても、その時は保険金が発注者に直接支払われるから安心じゃよ。
リフォーム瑕疵(かし)保険に加入するには、事業者が工事の着工前に申込み、保険法人による検査を経て、工事完了後に保険証券が事業者に発行され、保険付保証明書が発注者に交付される流れになります。
リフォーム瑕疵(かし)保険の手続きの流れ
- 着工前に加入することが必須
- リフォーム瑕疵(かし)保険は、必ず「着工前」に申込みする必要があります。リフォーム工事の完了後に保険に加入することはできませんので注意が必要です。なお、リフォーム瑕疵(かし)保険の加入手続きはリフォーム事業者が行うため、加入を希望する場合は、リフォーム事業者に依頼をしましょう。(加入は任意となります)
- 事業者が倒産しても保証は継続
- リフォーム工事の完了後に工事に起因する欠陥が見つかったとき、リフォーム事業者がすでに倒産している可能性もありますが、その場合でもリフォーム瑕疵(かし)保険に加入していれば、保険金は発注者(施主)に直接支払われますので安心できます。万が一の場合にもしっかりと保証が継続されるため心配がありません。
第三者によるリフォーム工事の現場検査
リフォーム瑕疵(かし)保険って検査があるのね。
でも誰がするの?検査は、保険法人の検査員が行うんじゃ。リフォーム事業者とは関連しない第三者だから、しっかりとプロの視点でチェックしてもらえるぞ。
検査に合格しないと保険に加入したことにならないんだよね?
そのとおりじゃ。検査に合格してから保険契約が締結される仕組みだから、リフォーム事業者は品質の高い施工が求められるんじゃ。発注者にとっても安心できるシステムだぞ。
リフォーム瑕疵(かし)保険の申込みをすると、工事完了後に(工事の内容によっては施工中も)現場検査を受けます。検査はリフォーム事業者の社員ではなく、保険法人から派遣された建築士または適合判定資格者が行います。
検査員は第三者ですから、中立的な立場でしっかりと専門家の視点で検査を行います。施工内容によっては、改善を指摘することもあります。
- 検査と保証はセット
-
リフォーム瑕疵(かし)保険は、必ず「現場検査」を行い適合していると認められなければ「保証」は付きません。「検査」と「保証」は必ずセットなのです。そのため、施工品質の高いリフォームが期待できることにつながります。
保険対象の部分と保険期間
リフォームするときって、壁を壊したりするときもあると思うけど、解体作業も保険の対象になるの?
解体作業や撤去にかかる費用は、保険の対象にはならないんじゃ。他にも門扉とか建物とは直接的に関連がない部分も対象外じゃよ。あくまで建物でリフォームにかかわる部分が対象なんじゃ。
リフォームによる欠陥だって判断するのは、素人では難しいような気がするけど、誰かに調査を依頼すると費用がかかるよね…
調査費用は保険でカバーできるんじゃ!欠陥だと判断することや、どの範囲まで補修が必要かなどは専門家に調査してもらった方が安心だから、保険を利用してしっかりと診てもらうのが良いぞ。
補修中に転居したり、仮住まいが必要だったりする場合も、保険を利用することができるんじゃ。補修工事だけじゃなく、日常の暮らしを守るために、住まいの手当てもしてもらえるのね。
- 保険対象の部分は?
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リフォーム瑕疵(かし)保険の対象となるのは、例えば、屋根・壁等の塗装工事や耐震工事、内装リフォーム、キッチン・浴槽の設備工事等です。
リフォーム工事のうち、解体工事や撤去・清掃作業、門扉などの外構工事は保険の対象外となっています。リフォームのために「壊す部分」や建物とは直接的に関係しない「外まわり部分」は、保証から除かれるとイメージしておきましょう。 - 保険支払い対象の範囲は?
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リフォーム後の住宅に欠陥が見つかった場合、欠陥部分とその欠陥が要因となり損害を受けた住宅部分の補修費用について保険支払いの対象になります。
補修費用とは別に、次に挙げる経費的な費用も保険支払いの対象です。
・欠陥によって損害を受けた箇所を調べるための調査費用
・転居や仮住まいが必要になった場合の家賃等の費用 - 保険金の計算方法
-
支払われる保険金の計算式は次の通りです。
保険金支払額=(補修費用等)-10万円)×80%
なお、登録事業者が倒産・廃業などの場合は、発注者に対して100%が支払われます。 - 保険期間
-
保険期間は保険対象となるリフォーム工事部分によって異なります。
保険対象部分 保険
期間保険金を
支払う場合事象例 構造耐力上
主要な部分5年間 基本耐力性能を
満たさない場合建築基準法レベルの構造
耐力性能を満たさない場合雨水の浸入を
防止する部分防水性能を
満たさない場合雨漏りが
発生した場合上記以外の
リフォーム
工事実施部分1年間 社会通念上必要とされる
性能を
満たさないこと配管工事後に
おける
水漏れ等
特に柱や梁などの構造体をあらわにするような大規模リフォームの場合は、施工範囲も広く耐久性にも大きくかかわる部分ですから、瑕疵(かし)保険の加入が安心です。
リフォーム評価ナビでは、100万円以上のリフォーム工事を行う際は、お客様にリフォーム瑕疵(かし)保険への加入意思の確認を行うよう、登録事業者にお願いしています。工事毎に加入手続きが必要になりますので、保険の加入を検討する際には必ずリフォーム工事の「契約前」に事業者にご相談ください。
リフォーム評価ナビに登録されている事業者は、そのすべてがリフォーム瑕疵(かし)保険を活用することができる事業者です。安心なリフォーム工事を行うために、ぜひご活用ください。
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