リフォームを学ぶ | 空き家・相続
空き家・相続
更新日:2024年11月12日
実家が「空家」になるかも……?!そろそろ真剣に考えてみませんか?
掲載日:2023年7月21日
2023年6月、「空家」に関する国の法律が改正されたことが、マスコミ、テレビニュースなどで頻繁に取り上げられました。
法律の正式な名称は「空家等対策の推進に関する特別措置法」(平成26年法律第127号。以下「空家法」と呼びます。)です。
この「空家法」法律の何が変わったのか、ちょっとだけ紹介しつつ、そろそろ「空家」のことを真剣に考えなきゃいけないのかも・・・と、リフォーム評価ナビを運営している一般財団法人住まいづくりナビセンター専務理事の河田崇が「空家になることへの備え」についてご紹介します。
法律の正式な名称は「空家等対策の推進に関する特別措置法」(平成26年法律第127号。以下「空家法」と呼びます。)です。
この「空家法」法律の何が変わったのか、ちょっとだけ紹介しつつ、そろそろ「空家」のことを真剣に考えなきゃいけないのかも・・・と、リフォーム評価ナビを運営している一般財団法人住まいづくりナビセンター専務理事の河田崇が「空家になることへの備え」についてご紹介します。
「問題のない空家」と「問題のある空家」
心配の少ない空家とはこんな空家
皆さんはご近所を散歩されたとき、空家を見かけることはありますか?
これまで住んでいた方が売りに出して、「絶賛、販売中!お問い合わせは〇■不動産まで」と貼り紙がしてある住宅であれば、その〇■不動産が「管理」をしていると思います。戸建では少ないですが「入居者募集中」と書いてある空家も、大家さんあるいは管理会社が「管理」しています。
これまで住んでいた方が売りに出して、「絶賛、販売中!お問い合わせは〇■不動産まで」と貼り紙がしてある住宅であれば、その〇■不動産が「管理」をしていると思います。戸建では少ないですが「入居者募集中」と書いてある空家も、大家さんあるいは管理会社が「管理」しています。
統計データ上はこういったものも「空家」に含まれているのですが、しっかり管理されている、流通途上にある、いわば「動いている」空家です。したがって、近所にそういう空家があっても特段、心配することはありませんよね。
ちょっと“心配”な空家・・・
でも、「あれ、この家、空家のまま放置されているのでは?」と感じる空家は、ご近所にありませんか?
庭に雑草が生い茂っている、玄関周りにゴミが散乱している、窓ガラスが割れたまま、郵便受けにさまざまなチラシが放り込まれ、それが風雨にさらされ、どうみても長期間経過している・・・「売家」の貼り紙もないし、どうも「管理」されているような状態ではない・・・
庭に雑草が生い茂っている、玄関周りにゴミが散乱している、窓ガラスが割れたまま、郵便受けにさまざまなチラシが放り込まれ、それが風雨にさらされ、どうみても長期間経過している・・・「売家」の貼り紙もないし、どうも「管理」されているような状態ではない・・・
このような空家が、ご自宅のすぐ近所にあったら、いろいろ心配になりませんか?
・溜まったゴミが腐って、臭い匂いが漂ってきそう・・・
・地震のときに倒れたり、台風で屋根が飛んだりしそうで怖い!
・動物、さらには、なんか怖い人、悪い人が住みついたりしない?
・放火でもあったら、大変なことに・・・
「どうにかして欲しい!!」とは思うものの・・・
う~~ん、こうやって心配なネタを列挙すると、「ちょっと」ではなくて、「ものすごく」心配です。このような空家が“向こう三軒両隣”にあったら、1日でも早く「どうにかして欲しい・・」と思いますよね。
近くの交番に行って
「あそこに放置された空家があって、何とかしてほしんですけど・・・」
「いや~~事件になってないんですよね・・・市役所に相談してくださいよ」
市役所に出向いて
「何とかなりませんかね?心配なんですけど」
「個人の財産なんで、なかなかね~~。まずは所有者に相談してみては?」
近所の方と相談して、ようやくその住宅の所有者を探し出して連絡すると
「あ~、あの家ですよね。ずいぶん前に親父が亡くなって、そのままの状態になっていて。本当は解体して更地(さらち)にすればいいんですけど、解体費用もかかるし、更地にすると税金もあがっちゃうんでね・・・アハハ」
空家に発生する税金
税金のために危険な空家を放置?
空家の所有者がつぶやいた「更地にすると税金があがっちゃう」これは一体どういうことなのでしょうか?
不動産の所有者に毎年課せられる「固定資産税」のルールでは、住宅用の土地であれば(敷地面積200㎡まで)、6分の1に税金をおまけしてくれます。
でも、更地になったら、その土地は「住宅用土地」ではなくなって「6分の1のおまけ」がなくなります。したがって、「これから住んだり貸したりできる状態じゃないけど、そのまま壊さず置いておこう」と、空家所有者は考えてしまいます。
でも、更地になったら、その土地は「住宅用土地」ではなくなって「6分の1のおまけ」がなくなります。したがって、「これから住んだり貸したりできる状態じゃないけど、そのまま壊さず置いておこう」と、空家所有者は考えてしまいます。
危ない空家は「特定空家」として認定
これでは固定資産税を少なくしたいがために、危ない空家がどんどん増えてしまいます。そこで「空家法」の出番です。市役所など自治体が危ない空家を「特定空家」として認定し、所有者に適切に管理をするよう指導を行います。それでも改善が見られない場合は勧告を行うとともに、固定資産税の「おまけ」も使えなくします。
特定空家等(空家法第2条):そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等
さらに法律改正により「管理不全空家」という区分が
そして、2023年の空家法の改正により、そのまま放置すれば「特定空家」になるおそれがある住宅を「管理不全空家」とし、この「管理不全空家」として市町村から「勧告」された空家についても「固定資産税のおまけが適用できない」こととしました。このことにより、周りに住んでいる方が不安に感じるような空家を、これまで以上のスピードで減らしていこうということですね。
まとめ
さて、あなたは大丈夫?
さあ、最後に。
あなたは空家を所有していないですか?
亡くなった親の実家を相続しないまま、放置したりしていませんか?
あるいは、相続するつもりのない、ご高齢の親の住まいは、将来どうされますか?
親類縁者で、突然、想像していなかった相続が発生したりする可能性はありませんか?
「まあ、そうなったら、そうなった時に真剣に考えよう・・・」
「近隣から苦情が出てから、空家の処分方法を検討しよう。今、忙しいし・・・」
こういう人は、結構たくさんいるのではないでしょうか?私もその一人ですけど。
他人に迷惑をかける前に「あの家、空家になったらどうしようか?」今から、ご自分で、ご家族で、親類縁者で相談しておくことも必要かも知れませんね。
一般財団法人住まいづくりナビセンターでは、さまざまな相談メニューにより「住まいづくり」だけでなく、実家の相続などなど「家じまい」に関わることでも、全国どこからでもWEBで相談を承っています。まずはお気軽にアクセスしてみてください。
◆執筆者
一般財団法人住まいづくりナビセンター 専務理事
河田 崇
元 独立行政法人 住宅金融支援機構 部長
工務店向けの省エネ基準解説書や木造住宅工事仕様書の作成などに従事
マンション管理士 建築基準適合判定資格者 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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