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断熱・省エネ

更新日:2021年10月14日

パッシブソーラーハウスで無理なく省エネ

太陽熱を住宅の中で上手に生かして、省エネに取り組んだ家をソーラーハウスといいます。アクティブソーラーハウスは、太陽光発電などを利用して積極的に太陽のエネルギーを利用した住宅。これに対してパッシブソーラーハウスは、機械を使わず設計に工夫をして、太陽エネルギーの恩恵にあずかった住宅です。ファンなどごく小規模の機械を入れたパッシブソーラーハウスもあります。

パッシブソーラーハウスとは?

写真:パッシブソーラーハウスとは?

もともと日本の家は自然のエネルギーを利用してきました。代表的なのが、縁側。暑い夏は太陽の日差しを遮り、寒い冬は日差しを室内に取り込めるようにしていたのが、縁側と深い軒です。夏の太陽は高い位置にあり、夏至の日の日差しの角度は約78度、冬は逆に太陽の位置が低く、冬至の日の日差しの角度は約30度。軒の出を深くすることで日差しの角度の差を上手に利用し、夏の日差しは遮り、冬の日差しは室内に導いてきました。このように太陽の恵みを上手に利用しているのが、パッシブソーラーハウスです。冬の縁側は、太陽の熱を蓄えてポカポカしており、日なたぼっこをするのにはうってつけの場所。さらに部屋の床などに石やレンガなどの蓄熱性がある材を敷くと、冬の日差しを蓄熱して夜も暖かく過ごせます。このように、日差しを利用して蓄熱をすることを「ダイレクトゲイン」といいます。

一方、太陽光発電など機械を使って、太陽のエネルギーを利用するのが、アクティブソーラーハウスです。アクティブソーラーハウスでは、太陽光発電のほか、電気を蓄電する蓄電池(電気自動車も含む)、電気をコントロールするHEMS(ヘムス=ホーム・エネルギー・マネージメント・システム)を同時に採用したスマートハウスがあります。また、自然の力を生かした構造にし、小規模の機械で空気を循環してより快適に過ごせるように工夫した住宅もパッシブソーラーハウスと呼んでいます。

窓に工夫をして、冬の日差しを取り込む

写真:窓に工夫をして、冬の日差しを取り込む

パッシブソーラーハウスには、以下のような工夫がなされています。まず、住宅そのものに断熱性があり、外気の影響を受けにくい構造であること。夏の日差しを遮り、冬は日差しを室内に取り込む工夫が施されており、蓄熱材により夜間も快適な室温に保てること。風の通り道を考え、風が通り抜けることにより、夏の室内を涼しく保つこと……などです。また、光をうまく室内に取り入れることは、冬の日差しの恩恵にあずかって暖かく過ごせるばかりでなく、明るく開放的な暮らしが実現できるというメリットも。光を取り入れることでまず考えたいのが中庭です。特に、住宅密集地でプライバシー確保のために多くの窓がつけられないときにおすすめ。中庭に大きな窓をつけることで家の中にたっぷりの日差しを取り込むことができます。壁づけ窓の3倍の採光量がある天窓も効果的。ただし、夏は暑くなるので天窓用カーテンやブラインドをつけて遮熱しましょう。リモコンで開閉できる電動式タイプもあります。

庭に落葉樹を植えるのも、太陽光を利用する方法の1つ。夏は葉が生い茂る樹木が強い日差しを遮り、冬は落葉樹の葉が落ちるので、家の中まで日差しが届きます。また、屋外にタイルやコンクリートでテラスを作る場合は要注意。夏の太陽の照り返しや、タイルなどに蓄積された熱が放射して、居室が暑くなります。芝など蓄熱しないものにすると良いでしょう。

夏場、車の中はとても暑くなっており、買い物から帰ってあまりの暑さにクーラーをガンガンかけて乗り込むという人もいるでしょう。炎天下の車内温度は50℃を超えていることも。ガレージの場所によっては、熱くなった車の屋根からの照り返しが居室の室温に影響を与えることもあります。

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