リフォームを学ぶ | 断熱・省エネ

断熱・省エネ

更新日:2021年10月14日

これからの家はZEH仕様が基本

石油危機以降に約2倍に跳ね上がった家庭でのエネルギー消費量。また、東日本大震災での原子力発電所事故によるエネルギー不足も社会問題となり、家庭でも省エネルギー対策が求められています。そんななか注目を集めているのが、ZEH(ゼッチ)。これは、「Net Zero Energy House (ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略で、エネルギー消費量が正味ゼロの住宅のこと。時代のニーズに即した住まいといえるでしょう。

ZEHの第一歩は、家の断熱化

写真:ZEHの第一歩は、家の断熱化

ZEH(ゼッチ)とは、エネルギーの使用量が正味ゼロの家のこと。家の中では電気やガスなどのエネルギーを使用しています。その量は、石油危機の時代と比べて約2倍。枯渇していくエネルギーを大切に使っていくには、家庭でも省エネルギー対策が必要なことは間違いありません。そんなニーズに応えられる住まいが、ZEHです。

我が国の「エネルギー基本計画」(2014年4月閣議決定)では、「住宅については、2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」とする政策目標を設定しています。

リフォームで考えなければいけないのが、まず住宅そのものが極力エネルギーを使用しない仕様にすること。床・壁・天井などに高性能の断熱材を使用し、高気密高断熱の住宅にします。日差しに考慮した設計も重要。夏の暑い日差しを避け、冬は日差しが室内に入るように軒の角度に気をつけましょう。単板ガラスのサッシは二重ガラスのサッシに交換するか、内窓を取りつけて二重構造に。夏の昼間の冷房時に窓から外気の熱が入る割合は住宅全体の約71%、冬の暖房時に室内の熱が窓から流失する割合は約48%といわれています。窓の断熱はとても重要なのです。

そのほか、設備機器などは高効率の機種を選ぶことが必須。LED照明や空調、換気などもエネルギー消費が少ない機器を選ぶようにしましょう。

太陽光発電や燃料電池で発電

写真:太陽光発電や燃料電池で発電

エネルギーを極力使わない省エネ住宅にするだけでは、ZEHにはなりません。新しくエネルギーを創り出す「創エネルギー」を実施し、足りないエネルギーを補てんすることで、正味ゼロエネルギーにしなければなりません。

創エネルギーの代表的なものは、太陽光発電。家で使用する電気を賄えるほか、余った電気は電力会社に売電できるのが大きなメリット。太陽電池の価格は年々下がってきているので、取り入れやすくなりました。また、性能も良くなっており、晴天時と比べると発電量こそ少ないものの曇りや雨の日も発電が可能です。ただし、売電価格は年々下がってきているのが現状。一度契約をすると、10年間は固定価格になりますから、早めに契約した方がお得といえるでしょう。

ガスで発電をする家庭用燃料電池が「エネファーム」。ガスから水素を取り出して、空気中の酸素と化学反応をさせて発電します。作った電気は分電盤を通し家庭用の電気として供給。自宅で発電することで、電力会社が送電線を使って遠方から供給さする場合のようなエネルギーロスも生まれません。発電時に生じる熱を利用して水を加熱し、浴室やキッチンなどで使う温水も作り出しています。この温水を使用し、床暖房やミストサウナに使うこともできます。

蓄電池で効率良く電気を使おう

写真:蓄電池で効率良く電気を使おう

太陽光発電で創り出したエネルギーは売電できるほか、蓄電池を使ってより効果的に利用することも可能。蓄電池は、非常時や停電のときに電気を使用できる便利な商品。また、電気自動車のバッテリーを蓄電池代わりに使用することもできます。

さらに家の電気(エネルギー)を効率的に制御するのが、HEMS(ヘムス)。「Home Energy Management System(ホーム・エネルギー・マネージメント・システム)」の略です。モニターによるエネルギーの「見える化」を主な目的にしています。太陽光発電の発電状況、売電状況、蓄電池や電気自動車の蓄電状況などを把握できます。さらにエアコンの運転を自動的に調節したり、使用していない照明は消したりするなどして、エネルギーをコントロールします。

写真:

*全国の登録事業者が表示されますので、お住まいのエリアに絞って検索ください。

よかったらシェアしてね