リフォームを学ぶ | 断熱・省エネ

断熱・省エネ

更新日:2021年10月14日

わが家でエネルギーをつくる

日本はしばしば「資源を持たない国」といわれます。確かに、石油や天然ガス、その他の鉱物資源に限っていえば、国内に埋蔵資源を持たず、そのほとんどを輸入に頼っています。しかし、太陽光、水、森林といった天然資源には非常に恵まれている国です。四季を通して晴れの日が多く、また、降水量も十分です。森林資源は、森林率(国土面積に占める森林の割合)が約66%で、先進国ではトップクラスです。いずれは枯渇する化石燃料に対して、これらの自然エネルギーはなくなることはありません。二酸化炭素の排出抑制にも貢献するため、もっと有効に使いたいものです。

太陽光発電を「当たり前」に

写真:太陽光発電を「当たり前」に
太陽光に恵まれた日本。エネルギー源としてもっと活用することが求められています。総務省が5年ごとに実施している、「全国消費実態調査(2014年)」では、2人以上の世帯の太陽光発電システムの普及率は6.6%。5年前の2009年調査では1.6%でしたから、5ポイント上昇したことになります。

都道府県別では、宮崎県が14.3%で最も高く、次いで佐賀県(13.9%)、山梨県(12.4%)。 より日照に恵まれた地域で普及が進んでいることが分かります。


国も「ネット・ゼロ・エネルギー住宅(ZEH ゼッチ)」(断熱性能の向上と高効率設備の導入で省エネを実現した上で、再生可能エネルギーの導入により年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指したエコ住宅)の建設を誘導しています。「再生可能エネルギー」は、一般家庭では事実上太陽光発電システムに限られるのでZEHの普及は同時に太陽光発電の促進につながっていきます。しかし、既存住宅をZEH住宅にすることはなかなか難しいですが、積雪地などを除いて、太陽光発電だけでも設置することはできます。

太陽光発電設置のポイント

写真:太陽光発電設置のポイント
住宅用の太陽光発電システムの設置に要する費用は、設備価格・工事価格を合わせて、標準的な出力3.5kWシステムで130~150万円程度といわれています。この規模で、おおよそ家庭で使用する電気の半分程度を発電することができるといわれています。日中発電して余った電気は電力会社に売電することもできるので、さらに電気代の負担を減らすことも可能です。

設置にあたっては、発電効率が十分に発揮できるように注意が必要です。まず発電パネルの向きは南西、傾斜角度は30度が基本です。南西ではなく東または西向きでは発電効率が80%ほどに低下、北向きでは65%程度に落ちてしまいます。(なお、各メーカーでは、ホームページで全国の地域別の年間推定発電量を公表しています)。

太陽光発電は、パネルを屋根に設置するので、新築の場合はあらかじめ構造体の補強をしておくことができますが、既存住宅の場合は構造計算をして確認するなど、専門家の能力を必要とします。また、施工にあたっては、雨漏りの原因とならないようにするなど、細かい注意も必要です。

蓄電池に貯めておけば理想的な省エネ住宅に

写真:蓄電池に貯めておけば理想的な省エネ住宅に
太陽光発電を導入すると、日中余った電力は、購入するときよりも高い単価で売電できますが、逆に不足した場合は購入することになります。日中に在宅することが多く、日中に電気を多く使う生活の場合は、購入電力が増えて電気代の節約につながらないケースもあります。

逆に言えば、日中はほとんど外出して電気を使わないという場合は、発電した電気の多くを高い単価で売電にまわすことができます。夜間は電気を購入しますが、購入単価は時間帯別の契約などにより、安価なものを選ぶこともできます。

さらに蓄電池を導入し、これを安い深夜電力で充電して昼間に必要となる電力にあてれば、さらに昼間の売電量が増えて、得することになります。蓄電池はまだ高価ですから、導入のメリットは単純に大きいとはいえませんが、ライフスタイルと合わせてシミュレーションしてみる価値はあるのではないでしょうか。


もちろん、今後さらに住宅用バッテリーが低価格・大容量で普及すれば、電力会社の送電網から完全に独立した「オフグリッド」として、太陽光発電で日中の電気を賄ってさらに蓄電池の充電も行い、夜間は蓄電池の電気だけを使うというシンプルなスタイルを取ることもできます。そのためには、さらなる省エネの工夫とさまざまな技術開発が必要ですが、未来の省エネ住宅の理想的な姿といえるかもしれません。
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