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更新日:2023年11月10日
リフォームで失敗しないために知っておきたい「具体例」と「対策」
掲載日:2023年11月10日
リフォームを検討している方の中には「リフォームにはどのような失敗例があるのだろう・・・」と、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、リフォームで失敗しないために知っておきたい具体的な「失敗例」と「対策」を解説します。
リフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
リフォームでの「失敗」4つの原因
リフォームでの失敗の原因には、おもに以下4つの理由が考えられます。
- コミュニケーション不足
- リフォーム会社選びの間違い
- 写真やサンプルだけで判断
- 間取りの採寸・確認不足
では、それぞれ詳しく解説していきます。
理由1:コミュニケーション不足
リフォームでの失敗を防ぐには、家族やリフォーム会社との十分なコミュニケーションが欠かせません。家族全員でまずは納得するまで話し合って、どのようにリフォームするのか明確にしておくのが重要です。家族みんなの意見を取り入れて、理想のリフォームを実現させましょう。
工事を依頼するリフォーム会社との意思疎通も大切です。伝わっていると思っていた重要な内容が共有されていないと、後々大きなトラブルに発展しかねません。些細なこともしっかり確認しながら、こちらの要望を漏れなく伝えるように心掛けましょう。
理由2:リフォーム会社の選定ミス
リフォーム会社を選ぶ際に、そのリフォーム会社についてよく知っておかないと思い通りの仕上がりにならない場合があります。例えば、キッチンや浴室、トイレといった水回りリフォームを得意とするリフォーム会社にベランダや外構のリフォームを依頼するのはおすすめしません。
リフォーム会社を選ぶ際は、得意なリフォーム、専門分野をチェックしておくのが重要です。これまでのリフォーム実績も見せてもらいながら、希望のリフォームを実現できるリフォーム会社を選びましょう。
理由3:写真やサンプルだけで判断
リフォーム会社と打ち合わせする際、素材の種類や色などさまざまな選択をする必要があります。提示された写真やサンプルだけで決めてしまうと、実際の仕上がりに差異が出る場合があり注意が必要です。
可能な限り、メーカーのショールームで実物を確認したり、同じ素材や色を採用したリフォーム物件を実際に見せてもらったりしておきましょう。実物を確認しておけば、工事完了後に「イメージと違う」などというトラブルを減らせます。
理由4:間取りの採寸・確認不足
リフォームの失敗で多いケースが、間取りの採寸・確認不足です。採寸を十分におこなわないことにより、キッチンなら設置する予定の冷蔵庫や洗濯機などの家電、トイレなら便器が置けないなんていう事態が起きてしまいます。キッチンのリフォームなら、購入予定の家電を設置できるスペースが確保できているのかなど、リフォーム会社と一緒に確認しておくのが大切です。
【場所別】リフォームでの失敗例と対策
リフォームで失敗するおもな原因がわかったところで、どのような失敗例があるのか見ていきましょう。以下では場所別に失敗例と対策をご紹介しますので、リフォームの目的に合わせてチェックしてみてください。
キッチンのリフォームでの失敗例と対策
キッチンのリフォームでの失敗例と対策を挙げます。
失敗例1:想定していたよりも狭いキッチンになった
キッチンスペースに対して大きめな冷蔵庫を買ってしまい設置したらキッチンが狭くなった、扉の開け閉めに苦労してしまう等の失敗例です。間取りの採寸・確認はしっかりおこないましょう。
失敗例2:冷蔵庫とコンロ・シンクが離れすぎてしまった
冷蔵庫を設置するスペースとコンロ・シンクが離れすぎている、もしくは近すぎると使いにくいという声が聞かれます。キッチン内の動線を確認し、リフォームをおこないましょう。
失敗例3:掃除しやすい床材に張り替えたら、滑りやすくなった
汚れを拭き取りやすく掃除しやすい床材に張り替えたら、滑りやすくなってしまうケースがあります。床材を選ぶ際には、素材のメリットとデメリットの双方を確認しておくのが重要です。
キッチンリフォームでの失敗を防ぐ対策
キッチンのリフォームでは、見た目を重視するばかりに使いにくくなるケースがあります。間取りや導線をチェックして、使いやすさや安全性、メンテナンス性などを総合的に考慮してリフォームしましょう。
リビングのリフォームでの失敗例と対策
リビングのリフォームでの失敗例と対策を挙げます。
失敗例1:フローリング材・色の選択ミスをしてしまった
フローリングをデザインや色合いで選んだものの、傷が付きやすい素材だったり、汚れが目立ちやすかったりするケースがあります。施工前にリフォーム会社にサンプルを見せてもらい、実際に見て、触って確認しましょう。
失敗例2:階段の選択に間違ってしまった
階段の設置場所やサイズ、素材などを間違ってしまうと移動しにくくなったり、暗くなったりなどの失敗が起こり得ます。特に、大きな階段を設置したばかりに狭くて圧迫感が出るなどの不具合が発生するケースもあり注意が必要です。
失敗例3:採光を考慮せずにリフォームしてしまった
採光を考慮せずにリフォームすると、日差しが強すぎたり、薄暗くなったりします。開放感を重視し、大きな窓を設置する際は注意しましょう。必要に応じて、日差しの方向や強さを調整する対策も講じましょう。
リビングのリフォームで失敗を防ぐ対策
リビングのリフォームで失敗を防ぐには、間取りをしっかりと考慮しておくのが重要です。床材を実際に見て確認したり、日差しの方向をチェックしたりなど、リフォーム会社に相談しながら進めていきましょう。
トイレのリフォームでの失敗例と対策
トイレのリフォームでの失敗例と対策を挙げます。
失敗例1:便器が大きすぎて狭くなった
トイレ空間に対して大きすぎる便器を設置すると閉塞感が強くなり、人によってはリラックスできなくなるかもしれません。大きな便器は座りやすいものの、トイレ空間にマッチしている大きさなのかをチェックしておくのが重要です。
失敗例2:床材を張り替えたら汚れやすくなった
見た目を重視したばかりに、水を吸いやすい床材を選んでしまって失敗するケースがあります。飛び跳ねた排泄物が床に染みこんでしまうと不衛生です。リフォームでは見た目を重視しがちになりますが、お手入れのしやすさもしっかり考慮しながら床材を選びましょう。
失敗例3:ドアの設置位置を間違って出入りしづらい
ドアの設置位置を間違うと、出入りしづらく不便になります。右開きか左開き、内開きか外開きかをしっかりと検討しておきましょう。特に、狭いトレイで内開きにするとドアが邪魔で出入りしにくくなります。
トイレのリフォームで失敗を防ぐ対策
トイレは広いスペースを確保しにくい場所であり、ドアの開き方によっては出入りしにくくなります。トイレ周辺の間取りも考慮しながら、使いやすい導線を確保するように設計しましょう。また、毎日のお手入れの手間を減らすためにも、掃除しやすさを重視して床材を選ぶのがおすすめです。
お風呂のリフォームでの失敗例と対策
お風呂のリフォームでの失敗例と対策を挙げます。
失敗例1:浴槽が狭くなってしまった
浴槽のデザインや機能性を重視したばかりに、浴槽が狭くなってしまうケースがあり注意が必要です。特にベンチ付きの浴槽を選ぶと、足を伸ばしてリラックスできなくなる場合があります。
失敗例2:浴室の色選びに失敗した
浴室の色を雰囲気で適当に選んでしまうと、失敗する場合があります。さまざまな色を使いすぎてカラフルすぎると、落ち着かない空間になってしまうので注意しましょう。しかし、白やアイボリーといった薄い色だけで統一してしまうと全体的にぼやけた印象になったり、黒系で統一すると水垢が目立ちやすくなったりします。
失敗例3:メンテナンスの手間が増えてしまった
お風呂のリフォームでは、ジェットバスやミストサウナといった便利なオプションを付けたくなります。ただし、さまざまな機器を備えたばかりにメンテナンスの手間が増えてしまう場合がありますので、注意しておきましょう。
風呂場のリフォームで失敗を防ぐ対策
風呂場は1日の疲れをいやす空間であり、便利なオプションやデザインなどに目が行きがちになります。しかしながら、お風呂場は湿気がこもってカビが発生しやすい環境であり、お手入れのしやすさや換気対策に注目しておくのも重要です。また、小さいお子さんやご高齢の両親がいる場合は、家族全員が使いやすい風呂場を目指してリフォームしましょう。
寝室のリフォームでの失敗例と対策
寝室のリフォームでの失敗例と対策を挙げます。
失敗例1:壁紙の色の選択で失敗した
寝室の壁紙の色選びに失敗すると、睡眠に悪影響を与える場合があります。奇抜な色ではなく、落ち着いて過ごせそうな色を選びましょう。リラックス効果を高めたいなら、ブルーやグリーン系がおすすめです。なお、真っ白な壁紙だと、目がチカチカして眩しくなる場合があります。
失敗例2:窓の位置を間違った
ベッドの位置に対して、窓の位置や方向を間違うと安眠できなくなる恐れがあります。また、西日が直接入り込む位置に窓を設けてしまうと、部屋の温度が上がって寝付きが悪くなる場合がありますので注意してください。
寝室のリフォームで失敗を防ぐ対策
寝室のリフォームでは、快適に眠れる空間を作れるのかを重視しましょう。落ち着いて眠れる壁紙の色を選ぶほか、日差しの方向やベッドの位置なども考慮しながら、窓の位置や大きさを決めるのが重要です。
まとめ
最後に、リフォームで失敗しないために自分でできる、気をつけるべきポイントをまとめましたので、参考にしてみてください。
- 業者と円滑なコミュニケーションを心がける
- 家族の意見をまとめてリフォームプランを明確にする
- 業者とのやり取りをしっかりと記録しておく
- メンテナンスの手間が増えるオプションに注意する
- 信頼できるリフォーム会社に依頼する
リフォームで失敗を防ぐのにもっとも重要なのが、信頼できるリフォーム会社に依頼することです。また、スムーズに計画を進めるためには、担当者と円滑なコミュニケーションを心掛けるのも大切です。
今回の記事も参考にしながら、家族と間取りやオプションなどリフォームプランをしっかり話し合って理想のリフォームを実現してください。
◆記事監修
一般財団法人住まいづくりナビセンター 専務理事
河田 崇
河田 崇
元 独立行政法人 住宅金融支援機構 部長
工務店向けの省エネ基準解説書や木造住宅工事仕様書の作成などに従事
マンション管理士 建築基準適合判定資格者 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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