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更新日:2023年09月04日

玄関にスロープを設置する際のポイントを解説!バリアフリーで快適な住まいを実現!

掲載日:2023年3月24日

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大型ビルや商業施設の出入り口などでよく見かけるスロープですが、近頃は住宅に導入するケースも増えています。自宅の玄関にスロープを設置すれば、ベビーカーや車椅子、杖などを利用する方の移動が楽になります。
今回は、「自宅の玄関にスロープを設置すること」をテーマに、利便性や設置するメリット・デメリット、スロープを設置する際のポイントなどを解説していきます。
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玄関にスロープは必要?


近年、日本国内ではバリアフリー化が進んでおり、大型ビルや商業施設などさまざまな場所の段差がスロープへと改修されています。その理由は、段差があることで危険を伴う人や不便に感じる人がいるからです。
たとえば、病気やケガ、加齢などが原因で足腰が不自由な方や筋力が弱くなってきている方は、段差につまずきやすい傾向にあります。また、ベビーカーや車椅子はそもそも段差があると通行ができません。
家の外に出るために段差があり、誰かのサポートがなくては移動ができないとなると気軽に外出することもできません。
住まいのバリアフリー化は子どもから高齢者、障がいのある方まで住みやすい家に整えることです。
将来を見据えて、自分や家族が安全に快適に暮らすためにスロープ設置を検討していきましょう。
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玄関にスロープを設置するメリット

では、玄関にスロープを設置するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは3点解説します。

1.ベビーカーや車椅子での移動が楽になる

ベビーカーや車椅子を利用する場合、少しの段差でも通行に支障があります。スロープを設置することで段差が解消されるので、楽に移動できるようになるでしょう。

2.足腰への負担や転倒リスクを軽減できる

玄関にスロープを設置すれば、足腰への負担や転倒リスクを軽減できます。加齢で足腰の筋力が弱ってきたとしても、段差を少なくすることで家の外に出ることに対しての煩わしさが軽減でき、積極的に外出しやすくなるでしょう。

3.子どもがケガをするリスクを軽減できる

小さな子どもにとっても段差は、つまずきやすかったり、転倒してしまったりなど、ケガをしやすい場所でもあります。
段差をスロープに変えてしまえば、子どもでもスムーズな歩行ができ、ケガのリスクを軽減できるでしょう。

玄関にスロープを設置するデメリット・注意点

玄関にスロープを設置することは、メリットだけではありません。ここではデメリット・注意点について2点解説します。

1.広い敷地と十分なスペースが必要

緩やかな勾配のスロープにするには、広い敷地と十分なスペースが必要になります。自宅の敷地が狭く、玄関と地面とで高低差があるとスロープが急な勾配になりがちです。急な勾配では、ベビーカーや車椅子での通行はもちろん、歩行時にも危険が生じやすいです。
なお、国土交通省の「バリアフリー法」では、理想的なスロープの勾配は屋外で1/15以下だとされています。つまり、10cmの段差を解消するには、約150cmのスロープが必要になるということです。しかし、これはあくまで目安の数値です。できるだけ緩やかなスロープの設置を心がけましょう。

<出典>
■バリアフリー・ユニバーサルデザイン
交通消費者行政/公共交通事故被害者支援|国土交通省
「バリアフリー法」

2.敷地が狭くなり圧迫感を感じやすい

玄関にスロープを設置すると、その分の敷地が狭くなり、圧迫感を感じやすいというデメリットがあります。
圧迫感を避けたい場合は、ウッドデッキや勝手口など玄関以外の場所に設置することも検討しましょう。

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スロープを設置する際の5つのポイント

では、実際にスロープを設置する際、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。ここではポイントを5つ解説します。




1.勾配

スロープを設置する際に重視したいポイントの1つに「勾配」があります。傾斜の角度が高いとベビーカーや車椅子の車輪が重く、1人で移動することが困難です。
国土交通省の「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」によると、自走式の車椅子で安全に移動することができる勾配は1/12までとされています。
もし、玄関に広い敷地と十分なスペースが確保できない場合は、スロープを2つに折り返すなどして、緩やかな勾配にすることを心がけましょう。

2.幅

「幅」についても確認が必要です。国土交通省の「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」によると、車椅子が通行できる通路の最低幅は80cmです。
ほとんどのベビーカーは、幅80cmのスロープで問題なく通行できます。しかし、車椅子で通行する場合、幅が狭すぎて脱輪してしまうリスクがあります。そのため、スロープを設置する際は、ある程度幅に余裕を持たせることが必要です。手すりを付ける場合は、手すり分の幅を考慮することも忘れないようにしましょう。

<出典>
■建築物におけるバリアフリーについて|国土交通省
「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」

3.素材

スロープの床に使用される主な素材には、タイルやコンクリート、レンガなどがあります。タイルやコンクリートは頑丈で破損した際も比較的簡単に補修ができるというメリットがありますが、一方で、雨で濡れた際に滑りやすいというデメリットもあります。
この場合、コンクリートでできたブロックを互いに噛み合わせる「インターロッキング」や、コンクリートが固まる前に水で表面を洗うことで砂利を露出させる「洗い出し」など滑りにくい工事方法で対処しましょう。

4.インターホンやポストとの位置関係

スロープを設置する際は、インターホンやポストとの位置関係も考慮しましょう。特に外構設備にインターホンやポストが付随している場合、位置が変わる可能性があるので注意が必要です。
スロープを導入しても、インターホンやポストの位置が不便に感じたり、来訪者の目に留まりにくかったりしないかどうかを工事前に確認すると良いでしょう。

5.フットライト

夜間は周囲が暗いので、スロープから足を踏み外してしまうリスクがあります。フットライトで足元を照らし、安全性を確保すれば、そのリスクは軽減されるでしょう。
フットライトを複数個設置すると明るい範囲がぐんと広がるので、さらに安心感が増します。

介護保険制度に基づく支給を利用したスロープ設置

スロープの設置にかかる工事費用の一部を、介護保険制度に基づく支給により自治体が助成してくれる場合があります。工事をする前に自治体に相談してみましょう。

支給の対象になる工事

厚生労働省サイトに掲載されている「介護保険における住宅改修」によると、介護保険に基づく支給の対象になる工事は以下のように記載されています。

   手すりの取り付け 

   段差の解消

   滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更

   引き戸等への扉の取替え

   洋式便器等への便器の取替え

   その他前各号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修


介護保険に基づく支給を受ける流れ

ここでは、介護保険に基づく支給を受ける流れについて簡単に解説します。なお、保険に基づく支給を受けられる人は、前提として自治体から要介護または要支援などの「介護認定」を受けている人に限ります。

  1. 介護認定を受ける
  2. ケアマネジャーに改修の相談をする
  3. 施工業者と打ち合わせを行う
  4. 工事の契約をする
  5. 事前申請に必要な書類を自治体に提出して審査を受ける
  6. 着工する
  7. 利用者が工事費用を業者に支払う
  8. リフォーム完成後、自治体に申請する
  9. 住宅改修費の支給を受ける

また、保険に基づく支給を受けるために必要な書類は以下です。こちらは、厚生労働省の「介護保険における住宅改修」を参考にしています。

   介護保険証

   支給申請書

   住宅改修必要な理由書

   住宅所有者の承諾書

   工事図面や工事費の見積もり書

   住宅改修内容を記載した書類

   住宅改修に要した費用に係る領収書

   工事費内訳書

   改修前後の状態の分かる写真


***介護保険における住宅改修については、スロープ設置の計画段階でお住まいの管轄窓口に問い合わせて確認しましょう***
<出典>
■介護保険における住宅改修|厚生労働省
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まとめ

今回は、「自宅の玄関にスロープを設置すること」をテーマに、その利便性や設置するメリット・デメリット、スロープを設置する際のポイントなどを解説しました。
玄関にスロープを設置することで、ベビーカーや車椅子での移動が楽になったり、予期せぬ転倒を防げたりします。また、素材を工夫すれば玄関を自分好みのレイアウトにすることも可能です。
しかし、スロープを設置する際は十分なスペースが必要ですし、注意しなくてはならない点もあります。
まずは、スロープ設置や住まいのバリアフリー化の実績が豊富なリフォーム会社に相談し、事例を紹介してもらいながら、じっくり計画を立てていくと良いでしょう。

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