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介護・バリアフリー

更新日:2021年10月13日

高齢者も安心なバリアフリーリフォーム

バリアフリーとは、障害(バリア)を除く(フリー)という意味で、高齢者や障害者にとって住みやすい社会をつくっていくことを目指す考え方です。住宅においては、段差の解消や手すりの取りつけ、階段の勾配の緩和など、高齢者や小さな子どもたちにとって住みやすくするための施工を指します。リフォームを考えるときにもバリアフリーはぜひとも検討したい重要なテーマです。

誰もが暮らしやすいバリアフリー

写真:誰もが暮らしやすいバリアフリー

65歳以上の高齢者と呼ばれる人の人口は、3,461万人(総務省発表、平成28年9月)にもなり、全人口に占める割合は27.3%と4人に1人以上が高齢者となりました。そのため、住まいにも高齢者が生活をしやすい環境づくりが求められています。
また、バリアフリーにすることは、高齢者ばかりでなく、家族皆が使いやすい住まいにする効果も。リフォームにおけるバリアフリーの主な工事には、以下のようなものがあります。


手すりの取りつけ
階段やトイレ、浴室、玄関の上がり框(かまち)、廊下などに手すりをつけることで、移動や立ち座りが楽になることがあります。階段は、左右両方に手すりをつけるのが理想ですが、片方だけなら降りるときの利き手側につけます。トイレや浴室の立ち座り用の手すりはL字型のものを。玄関の上がり框は、靴の履き替えをする場所に縦型の手すりをつけましょう。

階段の勾配の緩和
階段の勾配はゆるやかなほど昇り降りがしやすくなります。「高齢者等配慮対策等級」(住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく評価方法基準)の等級4、5では勾配が6/7になっており、蹴込み(垂直方向)が18㎝だとすると、踏み面(水平方向)は21㎝になります。階段のスペースがかなり大きくなってしまいますが、バリアフリーを目指すなら、少なくとも踏み面は21㎝程度にはしたいものです。

段差の解消
住宅内の事故で多いのが段差によるもの。高齢者は高さ1㎝ほどのわずかな段差でもつまずきやすく、骨折して入院するケースも多いので、リフォームの際に解消しましょう。

通路の拡張
一般的な廊下幅は約75㎝ですが、将来車椅子で移動することを考えると、広めにした方が車椅子での移動が楽です。

思い切ってホテル風のワンルームサニタリー

写真:思い切ってホテル風のワンルームサニタリー

ほかにもバリアフリーにした方がいい場所には、こんなところがあります。

室内出入口の扉の改良
開き戸は開閉スペースが必要ですが、引き戸ならスペースを取らないので出入りが楽になります。また、開き戸は開いたときに人にぶつかったり、通路をふさいだりするので、注意が必要です。リフォームを機に引き戸に変更すれば、先述の心配は解消できます。

上吊り引き戸はレールがなく、段差でつまずくこともありません。床面がフラットなので掃除がしやすいのがメリットの1つ。3枚引き戸にすると開口スペースが広くなり、車椅子での出入りも楽になります。

滑りにくい床材への取り替え
家の中で多い高齢者の事故に、床で滑って転倒してしまうことがありますが、その原因の1つに「滑りやすい床」が考えられます。この事故を起こりにくくするためにできることとして、滑りにくい加工を施したフローリングやコルクのフローリング、タイルカーペットなどに替えるという対策があります。

広々としたサニタリー空間を
浴室、洗面室、トイレを合わせた空間をサニタリーと呼びます。日本では、それぞれが別の空間になっていますが、欧米ではすべてがワンルームにおさまっているのが一般的。ホテルのサニタリーもそのように作られていることが多いです。3つの空間を一緒にしたワンルームのサニタリーにすることもバリアフリーの1つ。3つ合わせることで広々とした空間になり、将来、介護が必要になったときにも安心です。

部屋の温度もバリアフリー化をする

写真:部屋の温度もバリアフリー化をする

実は、室温のバリアフリー化も重要。通常、冬場のサニタリーは暖房がないので、リビングに比べて寒くなっています。トイレに行ってブルブルと震えた覚えがある人も多いでしょう。

問題なのは、入浴。暖かいリビングから寒い洗面所や浴室に入ると、温度差のために急激に血圧が上がることがあります。これは、血管が収縮し、細くなった血管に血液を送り出すために起こる現象。この現象を「ヒートショック」と呼び、心筋梗塞や動脈硬化、脳血栓などの原因となるばかりか、運が悪いと亡くなるケースすらあります。

ヒートショックを起こしにくくする方法は、各部屋の室温を均一に保つこと。そのためには、住まいの断熱性能を上げることが大切です。断熱リフォームをするとともに、浴室や洗面所などの寒いところに暖房器を取りつけて、サニタリー全体の室温を上げるようにしましょう。

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