リフォームを学ぶ | リノベーション
リノベーション
更新日:2021年10月06日
子供が成長した時のリノベーションのタイミング
家族と住まいの変化を「見える化」しよう
「設備やパーツが故障したので交換する」「外壁が劣化したので塗装する」といったケースは、物理的、機能的な「モノ由来のリフォーム」といえるでしょう。一方、「人生のライフステージに合わせて家を改装する」「床暖房や断熱材を追加して快適さを向上させる」といったケースは「ヒト由来のリフォーム」といえます。
モノ由来、ヒト由来のどちらのリフォームも、どのタイミングでどんなことをしたら良いか、ある程度予測できるものが少なくありません。例えば屋根材は、種類によって異なりますが、10年ごとに塗装し直していき、30年経ったら葺き替えるといったように、長期的な修繕計画を立てることが可能。そして、ヒト由来のリフォームの大きな指針となるのが、家族のライフステージの変遷です。10年後、20年後を見据えて一覧表にまとめ、一緒にできるリフォーム工事は固めて行うようにすると無駄がありません。子どもの学費や車のローンなど、大きなお金の動きも含めて計画を立てておくと、いざというときにあわてなくて済むでしょう。
家族のライフステージの変遷のなかでも特に大きな節目が、子どもの独立。これまで一緒に暮していた子どもが巣立っていくことで、子ども部屋など不要になる空間が生まれます。これを生かして、部屋数を減らして広々した空間を生み出したり、趣味が楽しめる場所を作ったりして、充実した第2の人生を送れるように改装するのも良いでしょう。
老後を見据えたバリアフリー化も大切
厚労省が2017年に発表したデータによると、日本人の平均寿命は男性が80.75歳、女性が86.99歳。仮に夫婦と子ども2人の4人家族で、世帯主が55歳くらいのタイミングで子どもが独立するなら、それから25~30年ほどを夫婦2人、もしくは配偶者なしの状態で過ごすことになります。あるいは、高齢になった親を引き取ったり、再び子どもと暮らす二世帯住宅にしたりする可能性もあるかもしれません。
いずれにせよ、約30年もの長い期間を、子育てしていた住まいのままで過ごすのがベストな選択といえないことも多いはず。ローンの組みやすさなどを考えると、できれば定年退職前に今後のリフォーム計画をある程度立てておきたいものです。
誰もが年を取るにつれて体が衰え、当たり前にできていたことができにくくなっていきます。子どもが独立したタイミングで大規模なリフォームを行うなら、老後に備えたバリアフリー化も含めると合理的。住み慣れた愛着のあるわが家を、快適な「終の棲家(ついのすみか)」にできるでしょう。
例えば寝室の近くにトイレを配置する、玄関のある階に生活できる設備を集約する、車椅子で動きやすいように出入口や通路を広げるといった形で、将来に備えておけば不安を減らすことができます。とはいえ、まだ元気な50代のうちにフル装備を整えてしまうと、それに頼って逆に体がなまってしまう懸念も。手すりのように、今は特に必要なく、あとから簡単に追加できるものは保留して、大がかりな改装を済ませておくのが合理的といえるでしょう。
住み替えしても持ち家を手放さずに済む
子どもが独立したあとの住まいをどうするか。その答えは1つではなく、それぞれの事情や価値観によって変わってきます。住み慣れたわが家をリフォームすることが、唯一の正解とはいえないケースもあるでしょう。
例えば、今より自然が豊かな環境で暮らしたいのであれば、田舎に移住してリフォームした古民家に住む、という方法があります。梁組みや漆喰壁の美しさを生かしながら、すき間風や床の段差といった古民家ならではの欠点を克服する方法もあるので、快適に暮らすことができるでしょう。
逆に、戸建住宅を引き払って生活に便利な場所にある集合住宅に移り住む、という選択肢も。こちらも、中古住宅を購入してリフォームすれば、新築住宅より割安で自分好みの仕様に仕上げることも不可能ではありません。
「住み替えはしたいが持ち家を手放したくない」という方は、移住・住みかえ支援機構(http://www.jt-i.jp/)が行う「マイホーム借上げ制度」を検討してみるのも良いかもしれません。これは、50歳以上のシニアが所有する自宅(戸建住宅、マンションどちらも可)を、同機構が長期にわたって借り上げて転貸し、安定した賃料収入を保証するという仕組み。これにより、自宅を売却することなく、住み替えや老後の資金として活用することが可能に。建物や土地は子どもに相続できるというメリットもあるので、一度相談してみてはいかがでしょう。
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