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更新日:2024年09月13日

リフォームの万が一に備えるには「リフォーム瑕疵保険」

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リフォームに保険を付けておきたいけど、
どうしたらよいのかわからないという方、多いのではないでしょうか?
リフォームに役立つ保険を紹介いたします。
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そんなときは…
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発注者が安心してリフォーム工事を行えるよう「第三者による検査」と「保証」がセットになった保険です。
リフォーム工事に瑕疵が見つかった場合の補修費用をまなかうことができるものです。
「リフォーム瑕疵(かし)保険」とはどのようなものなのか、メリット保険内容について、詳しく見ていきましょう。

万一に備えられるリフォームの保険について知っておこう!

①「リフォーム瑕疵(かし)保険」とは?
②保険加入の手続きの流れ
③第三者によるリフォーム工事の現場検査
④保険対象の部分と保険期間
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①「リフォーム瑕疵(かし)保険」とは?


リフォーム瑕疵(かし)保険とは、リフォーム工事を安心して行うために、「検査」と「保証」がセットになった保険です。

リフォームを検討している方の中には、工事完了後に不具合があった場合、リフォーム事業者にどう話せばいいのか?不安に感じている方もいるでしょう。このようなリフォームへの不安を解消し、安心してリフォーム工事をできるのが「リフォーム瑕疵(かし)保険」です。

リフォーム瑕疵(かし)保険は施主が加入するものではなく、リフォーム事業者が加入する保険です。施工中または工事完了時には、第三者(住宅瑕疵担保責任保険法人の検査員)が「現場検査」を行います。検査に合格しないと保険に加入できないため、工事の品質に安心が持てます。

そして、工事完了後に、リフォーム工事に瑕疵が見つかった場合は、リフォーム事業者が補修する費用の一部を保険でカバーできます。保険期間は、構造耐力上主要な部分・雨水の浸入を防止する部分は5年間、その他の部分は1年間となります。

なお、工事の瑕疵が見つかった時に、工事を行ったリフォーム事業者が万が一倒産していた場合は、発注者へ直接保険金が支払われます。

また、2022年10月より、リフォームに関するトラブルが生じたときに、電話相談・専門家相談(原則無料)のほか、裁判外の紛争解決手続き(申請料原則1万円)を利用することができるようになりました。

詳しくは、公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターのホームページをご覧ください。

瑕疵(かし)保険について

そもそも「瑕疵(かし)保険」とはどのようなものでしょうか。

瑕疵(かし)保険は、工事後に工事に起因する欠陥が見つかった場合、補修費用をまかなうために保険会社からリフォーム事業者に支払われる保険です。リフォーム事業者がしっかり気を付けて施工しても、工事が要因となり建物に損害を与えてしまう可能性はあります。 万が一のために、発注者(施主)もリフォーム事業者も安心できるのが、瑕疵(かし)保険なのです。

リフォーム瑕疵(かし)保険の場合は、リフォーム工事後の瑕疵(欠陥)に対して保証されるリフォーム専用の保険です。

リフォーム瑕疵(かし)保険の登録事業者とは

リフォーム瑕疵(かし)保険の加入はリフォーム事業者が行います。
そのため、リフォーム瑕疵(かし)保険を利用するためには、リフォームをお願いする事業者が、国が指定する住宅専門の保険会社である住宅瑕疵担保責任保険法人に登録されていることが必要になります。住宅瑕疵担保責任保険法人は次のとおりです。

・株式会社 住宅あんしん保証
・住宅保証機構 株式会社
・株式会社 日本住宅保証検査機構
・株式会社 ハウスジーメン
・ハウスプラス住宅保証 株式会社

保険法人の登録事業者になると、登録証が発行されます。

なお、上記5社のうちのひとつの保険法人に登録している事業者もあれば、複数の保険法人に登録している事業者もあります。

また、リフォーム評価ナビのすべての登録事業者は、いずれかの保険法人のリフォーム瑕疵(かし)保険に事業者登録を行っています。
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②保険加入の手続きの流れ

リフォーム瑕疵(かし)保険に加入するには、事業者が工事の着工前に申込み、保険法人による検査を経て、工事完了後に保険証券が事業者に発行され、保険付保証明書が発注者に交付される流れになります。
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着工前に加入することが必須

リフォーム瑕疵(かし)保険は、必ず「着工前」に申込みする必要があります。リフォーム工事の完了後に保険に加入することはできませんので注意が必要です。なお、リフォーム瑕疵(かし)保険の加入手続きはリフォーム事業者が行うため、加入を希望する場合は、リフォーム事業者に依頼をしましょう。(加入は任意となります)

事業者が倒産しても保証は継続

リフォーム工事の完了後に工事に起因する欠陥が見つかったとき、リフォーム事業者がすでに倒産している可能性もありますが、その場合でもリフォーム瑕疵(かし)保険に加入していれば、保険金は発注者(施主)に直接支払われますので安心できます。万が一の場合にもしっかりと保証が継続されるため心配がありません。
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③第三者によるリフォーム工事の現場検査

リフォーム瑕疵(かし)保険の申込みをすると、工事完了後に(工事の内容によっては施工中も)現場検査を受けます。検査はリフォーム事業者の社員ではなく、保険法人から派遣された建築士または適合判定資格者が行います。
検査員は第三者ですから、中立的な立場でしっかりと専門家の視点で検査を行います。施工内容によっては、改善を指摘することもあります。

検査と保証はセット

リフォーム瑕疵(かし)保険は、必ず「現場検査」を行い適合していると認められなければ「保証」は付きません。「検査」と「保証」は必ずセットなのです。そのため、施工品質の高いリフォームが期待できることにつながります。
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④保険対象の部分と保険期間

保険対象の部分は?

リフォーム瑕疵(かし)保険の対象となるのは、例えば、屋根・壁等の塗装工事や耐震工事、内装リフォーム、キッチン・浴槽の設備工事等です。
リフォーム工事のうち、解体工事や撤去・清掃作業、門扉などの外構工事は保険の対象外となっています。リフォームのために「壊す部分」や建物とは直接的に関係しない「外まわり部分」は、保証から除かれるとイメージしておきましょう。

保険支払い対象の範囲は?

リフォーム後の住宅に欠陥が見つかった場合、欠陥部分とその欠陥が要因となり損害を受けた住宅部分の補修費用について保険支払いの対象になります。

補修費用とは別に、次に挙げる経費的な費用も保険支払いの対象です。
・欠陥によって損害を受けた箇所を調べるための調査費用
・転居や仮住まいが必要になった場合の家賃等の費用

保険金の計算方法

支払われる保険金の計算式は次の通りです。
保険金支払額=(補修費用等)-10万円)×80%
なお、登録事業者が倒産・廃業などの場合は、発注者に対して100%が支払われます。

保険期間

保険期間は保険対象となるリフォーム工事部分によって異なります。
 
保険対象部分 保険期間 保険金を支払う場合 事象例
構造耐力上
重要な部分
5年間 基本耐力性能を
満たさない場合
建築基準法レベルの構造耐力性能を満たさない場合
雨水の侵入を
防止する部分
防水性能を
満たさない場合
雨漏りが発生した場合
上記以外の
リフォーム工事
実施部分
1年間 社会通念上必要とされる
性能を満たさないこと
配管工事後における水漏れ等

特に柱や梁などの構造体をあらわにするような大規模リフォームの場合は、施工範囲も広く耐久性にも大きくかかわる部分ですから、瑕疵(かし)保険の加入が安心です。

リフォーム評価ナビでは、100万円以上のリフォーム工事を行う際は、お客様にリフォーム瑕疵(かし)保険への加入意思の確認を行うよう、登録事業者にお願いしています。工事毎に加入手続きが必要になりますので、保険の加入を検討する際には必ずリフォーム工事の「契約前」に事業者にご相談ください。

リフォーム評価ナビに登録されている事業者は、そのすべてがリフォーム瑕疵(かし)保険を活用することができる事業者です。安心なリフォーム工事を行うために、ぜひご活用ください。

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