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更新日:2025年01月08日
リフォームは3月までに急ぐべき?「2025年建築基準法改正」を解説 NEW
最近、「リフォームは建築基準法が改正される3月までに急いで!」というような広告を見かけませんか?その背景には2025年4月に建築基準法が改正されるということがあります。今回の法改正は、リフォームに影響を与える内容も含まれていますが、建築基準法の改正内容を理解せず、焦って計画を進めるのは危険です。
今回の記事では、建築基準法の改正ポイントと、リフォームで特に注意すべきことをわかりやすく解説いたします。
慌てて悪質なリフォーム業者に騙されないためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。
2025年、建築基準法改正で何が変わるの?
今回の建築基準法改正の主な目的は「省エネ促進」と「木材利用の促進」です。
一見すると「ふーん」って感じかもしれませんが、実はリフォームにも大きな影響があります。特に注目すべきは「4号特例の縮小」です。
これまで木造の2階建て以下で、床面積が500平方メートル(約150坪)以下のものは「4号建築物」として分類されていました。それが、今回の法改正では、一般的な2階建てと200㎡を超える大きな平屋については「新2号建築物」に、延床面積200平方メートル(約60坪)以下の平屋は「新3号建築物」へと再編されることになりました。
資料:国土交通省の資料を基に作成
「4号特例」って何だったの?
これまでの「4号建築物」の場合、新築時は建築確認申請が必要でしたが、リフォームの時は「4号特例」というものがあって、建築確認申請や審査が省略できました。
ところが、今回の改正で「新2号建築物」の建物で大規模なリフォームをする場合、建築確認申請や審査が必要となります。
一般には、建築確認申請には建築士に書類を作ってもらう必要があります。建築確認申請は、確認申請書のほか、平面図、立面図などの図面、構造計算書、省エネ関連の図書など多数の書類が必要になります。建築士にそれらの書類作成を依頼して役所での手続きを依頼するとなると、これまでよりも工期が延びたり、申請費などのコストが増えることを考えておく必要があります。
リフォームを急ぐべき条件とは?
では、リフォームを考えている人は、みんな急がなきゃいけないの?と心配される方もいらっしゃると思いますが、一概にそうとは言えません。
今回の建築基準法の改正によって、すべてのリフォームで建築確認申請が必要になるわけではないからです。建築確認申請が必要になるのは、家の骨組み(柱や梁など)に大きく手を加えるような「大規模な修繕・模様替え」のときだけです。
例えば、外壁や屋根の表面材を張り替えたり、断熱材を入れたりするくらいなら建築確認申請の必要はありません。1階の床や室内の壁の貼り替えなども、比較的自由にリフォームすることができます。もし、主要構造部に手を加える工事であったとしても、その範囲が建物全体の1/2以下であれば大規模修繕とみなされず建築確認申請は不要となります。
建築確認申請が必要になりそうな工事は?
今回の法改正で、新たに建築確認申請や審査が必要になりそうな工事例をご紹介します。
これらを見ると、かなり大がかりなリフォームが今回の法改正の対象となることがわかると思います。
建築確認申請・審査が不要なリフォームもたくさんあります!
逆に、今まで通り建築確認申請なしでできるリフォームもたくさんあります。
このように、これまで通り「建築確認申請なし」で、できる工事が多いことがわかります。
<木造住宅のリフォーム事例>
悪質な業者に騙されないで!
今回の法改正をきちんと理解すれば、「リフォームを急がなきゃ」って焦る必要はないことがわかると思います。「2025年の4月から建築確認申請・審査が必要になるから、今すぐ契約を‼」と煽ってくるような業者には注意が必要です。また、今回の法改正を十分理解していれば、中古物件を購入する際の選択肢も広がってくるのではないでしょうか。例えば、平屋ならば、建築確認申請が不要な場合が多いので、リフォーム前提で中古の平屋住宅を探すのも良い選択になるかもしれません。
まとめ
今回の法改正は、あくまで「住まい」を安全で快適にするためにつくられたものです。
正しく理解して、賢くリフォームをしましょう!
もし、不安があるときは、リフォーム評価ナビの「リフォームを相談する」にご相談ください。
経験豊富な住まいのナビゲーターが、あなたの疑問にお答えします。
皆様のリフォーム計画の成功を祈ります!
参考サイト▶▶▶
◆執筆者 玉上陽一
ハウスメーカーで営業、商品開発、マーケティング、ブランディングに携わった経験を活かし、消費者視点と事業者視点の2つの視点で快適な住まいのあり方について解説します
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