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更新日:2024年08月27日

オシャレにこだわる人におすすめ!「ウォークインクローゼット」のつくり方

掲載日:2024年8月28日

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「自分の好きな服だけを集めたワードローブが欲しい」「空き部屋を大量の服や靴を収納できるクローゼット部屋にしたい」「アパレルショップのようなワードローブを持つのが昔からの夢だった!」という話しを最近よく耳にします。
そこで今回は、単純に衣類が増えてきたから収納スペースをつくろう!といった話しではなく、“おしゃれで個性的な自分専用のクローゼットのつくり方”についてご紹介します。

オシャレで機能的なクローゼットをつくろう!

1.1 空いているスペースを最大限に活用するレイアウトを考えよう
オーダーメイドでウォークインクローゼットをつくる魅力は、自分にとって好きな服、ハッピーな気分になれる服だけが詰まった場所にできることです。
また、ファミリークローゼットにすることで、家族全員分の衣類や小物を一箇所にまとめられるので、毎朝の「着るものが見つからない!」というストレスからも解放されます。
特に忙しい朝の時間に、全員の服が一箇所にまとまっていると、準備がスムーズに進みます。
お子さんがいるご家庭であれば、子供の服を探す手間も省け、家族全員が快適に一日をスタートできます。子どもたちにとっても、自分で服を選び、整理する習慣が芽生えて、自然と自立心が育まれるのではないでしょうか。
洗濯物を洗ってから干して畳んで収納するまでの家事導線を考えつつ、普段、使っていない
部屋や子供が独立して空いた子供部屋をウォークインクローゼットにリフォームすることでスペースを有効活用することができます。
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株式会社ヴィヴィッドウォールデザインのリフォーム事例

壁一面に壁面収納を設置する
壁全体を使った収納棚や引き出しを設けることで、高い収納力が実現します。
天井までの高さを活かし、上部には季節外の衣類や使用頻度の低いアイテムを収納するといったルールを決めてアイテムを整理すれば、お出かけ前のコーディネートも楽になります。

「コーナースペース」を利用する
コーナースペースにはL字型やU字型の棚を設置することで、デッドスペースをなくし、効率的に収納することができます。これは、小さなクローゼットの場合も同じで、コーナースペースも無駄なく効率的に使うことで収納力が大幅にアップします。

可動式の「棚」と「バー」を設ける
高さ調節ができる可動式の「棚」や「バー」を設けることで、収納するアイテムに応じて柔軟に対応できます。長さの違う衣類やバッグなどを効率よく収納でき、クローゼット内に無駄なスペースを無くせば、収納スペースを最大限に活かせます。
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1.2 収納アイテムを使い分ける
 
「ハンガーバー」を使いこなす
シャツやジャケットは上段、スカートやジーンズ以外のパンツは下段に掛けるなど、アイテムの種類に応じて「ハンガーバー」を配置します。アイテムごとに適切な収納場所を設けることで、クローゼット全体が整理整頓され、着たい服が選びやすくなります。

「引き出し」と「棚」を使い分ける
「引き出し」には、ルームウェア、パジャマ、下着、靴下などを収納すると便利です。
また、浅い引き出しには、ベルトや手袋などの小物やアクセサリー類を収納します。
浅い引き出しは、モノが重なる高さがないので多少、整頓されていない状態でも見つけやすくなりますし、下の方に埋もれて使われないということもなくなります。
そして、「棚」には、畳んで収納するニットやTシャツ、デニムなどを置くと、サッと取り出せて便利です。このように、アイテムごとに収納方法を変えることで、クローゼット全体が整然として使いやすくなります。
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1.3 照明とミラーの活用
ファミリークロークの使い勝手を良くするためには、照明とミラーの配置も重要です。

照明計画にも気を配る 
部屋だけではなく、クローゼット内を明るく照らすLED照明も設置しましょう。
明るい照明にすることで、クローゼット内での作業がはかどり、スタイリングを考えるときも楽になります。

「全身鏡」を設置する
クローゼット内に全身鏡を設置することで、コーディネートのチェックがしやすくなります。鏡を設置する場合は、できれば転倒して割れる恐れが無いように壁に取り付けるタイプや、引き戸に組み込むタイプがおすすめです。全身鏡を設置することで、全体のスタイリングが確認しやすくなり、日々のコーディネートが楽しくなります。
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デザイン性・機能性を高めるアイデア

2.1 素材とカラーの選定にこだわる
自分好みの「素材」や「カラー」を選んでつくると気分も上がります!
そういう意味でも、素材やカラーを選びは大切なポイントです。

素材の質感 
木材やメタル、ガラスなど、異素材を組み合わせることでウォークインクローゼットの雰囲気がガラッと変わります。例えば、ウォールナットやメープルなど高級木材を使用すると、クローゼットに温もりや高級感が生まれます。
また、クローゼットの扉や引き戸の素材にガラスや鏡を使うことで、部屋に奥行が生まれて広く感じることができます。そして、扉を設けることで、衣類についたホコリや汚れを心配することがなくなり、掃除やお手入れが楽になります。

カラースキーム
クローゼットのカラーを統一すれば、シンプルで洗練された印象を与えてくれます。
最近のトレンドは、ナチュラルな木目調やモノトーンカラーが人気ですが、リビングや寝室と同じテイストでクローゼットをデザインすると、部屋全体に統一感が生まれます。
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2.2 ディテールにこだわってみる
さらに、オシャレにしたい方は、細部にこだわることで、デザイン性が一段と向上します。

個性的な「取手」や「フック」を選ぶ
デザイン性の高い「取手」や「フック」を選ぶことで、クローゼット全体の雰囲気が変わります。小さなアクセントとして、取手やフックにこだわることで全体のデザインが引き立ちます。また、クローゼットにこのような要素を取り入れることで、より個性的な空間に仕上がります。
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有限会社 稲葉製材住宅のリフォーム事例

2.3 湿気・結露対策も忘れずに!
クローゼットの中の湿気・結露対策は、衣類をカビから守るためには絶対必要です!
夏は湿気、冬は結露が発生しやすく、これが原因で衣類が痛むことがあります。
対策としては、クローゼットを広く開けられる扉を選び、定期的に空気の入れ替えをしやすくすることです。また、部屋自体の断熱や気密性が悪い場合は、リフォームするときに断熱・気密工事や調湿性の高い壁材を使ってみることも忘れずに検討してみてください。
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自分の趣味やライフスタイルに合わせて考えてみる

3.1 趣味に必要な道具も一緒に収納する
例えば、スニーカーや高級パンプス、ハイヒールなどを収集するのが趣味の方は、コレクションとして収納する方法も考えみてはいかがでしょうか。きっと、部屋に入るだけでワクワクする場所になると思います。


3.2 アクセサリーや小物が収納できるダブルサイドチェストを設置する
アクセサリーや腕時計などの小物を整理しやすい「ダブルサイドチェスト」を部屋の真ん中に設けることで、お出かけ前のコーディネートが一段とスムーズになります。服やハンカチなどのシワがサッと伸ばせるアイロン台にもなり便利です。特に、どこにいったか分からなくなりがちな小物に指定席を作ってあげることで、探すストレスから解放されます。

設置費用の目安

オーダーメイドのウォークインクローゼットは、そのデザインや素材、サイズによって費用が大きく変わります。

4.1 費用の目安
シンプルなデザイン
基本的な収納棚やハンガーバーのみのシンプルなデザインであれば、設置費用の目安は10万円から30万円程度です。可動棚やハンガーパイプといった必要最低限の機能に集中したシンプルなデザインにして、おしゃれなバスケット、かご収納などを組合せる工夫を取り入れることで、十分な機能性を持つクローゼットを作ることができます。

中級レベルのデザイン
可動式の棚や引き出し、照明、ミラーなどを組み込んだ中級レベルのデザインであれば、30万円から80万円程度が目安です。中級レベルのデザインでは、機能性とデザイン性のバランスが取れたクローゼットが実現します。

高級デザイン
高級素材を使用し、カスタムメイドの収納システムやディテールにこだわった高級デザインの場合、80万円以上の費用がかかることが多いです。高級ブティックのようなデザインのクローゼットは、ラグジュアリーな空間となります。


「施工費用」「諸経費」のことも忘れず確認
オーダーメイドのクローゼットには、専門の施工業者による設置が必要になります。
施工費用は解体が伴う場合や、壁紙や床の補修、施工範囲などの条件によって違いますが、だいたい5万円から20万円程度が目安です。
ただし、依頼する会社の職人さんや担当者も初めてというような特殊なものについては、事前に過去に同様の施工をしたことがあるかなど「施工費用」や「諸経費」の詳細についても確認しておくことが大切です!
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株式会社 an cube のリフォーム事例

まとめ

この記事を書いているとき、営業時代にお客様から「ウォークインクローゼットを作ったら、似合わない服を捨てるきっかけになって良かった!」と言われたことを思い出しました。
たしかに、歳を重ねて似合わなくなった服を“もったいない”と感じて家に溜め込んでおくのは、精神衛生上も良くない気がします。
服が増えてきたからウォークインクローゼットを作るのではなく、毎日好きな服を着て楽しい気分で過ごすためにウォークインクローゼットを作ると考える方が、リフォームするモチベーションにもなるのではないでしょうか。
オシャレで機能的なウォークインクローゼットにリフォームすることで、賞味期限が過ぎたアイテムが捨てられて、ワードローブの整理もできる。そのほうが、魅力的な自分でいられて、気分良く過ごせると思います。
記事を書き終えて、私自身も衝動買いして着ないままとなっている服を早く処分して、自分のワードローブを整理して気分をリフレッシュしたいと思いました。(自戒の念を込めて…)
◆執筆者 玉上陽一
ハウスメーカーで営業、商品開発、マーケティング、ブランディングに携わった経験を活かし、消費者視点と事業者視点の2つの視点で快適な住まいのあり方について解説します

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