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更新日:2024年11月14日

<速報>どう変わる?住宅ローン減税、リフォーム減税など、住宅税制 2024年度

掲載日:2023年12月15日

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12月14日、2024年度(令和6年度)の「税制改正大綱」が公表されました。来年度のさまざまな税制が、どのように変わるのか?生活に密着することですから、さっそく大きく報道されていますね。

住宅関係の税制については、国土交通省ホームページにおいて「令和6年度国土交通省税制改正概要」として同日、公表されました。

この内容について、リフォーム評価ナビを運営する(一財)住まいづくりナビセンターの河田崇専務理事が、速報ベースですがポイントを解説します。

税制は毎年度、いろいろと変わっていきます。

私たちが支払う税金は、身近なところでは消費税、所得税、住宅などの不動産に関しては、不動産取得税、固定資産税・・・などなど多岐にわたります。そして、「国全体として省エネ対策を推進しなくては・・・」ということであれば、省エネ性を高めた新築住宅やリフォームについては、税金をおまけして「省エネ住宅をもっと増やそう!」という動きになります。

各種税制度の基本的な原則ルールは毎年度で、あまり変わらないのですが、この「おまけ」、優遇措置や特例措置は、そのときどきの状況に応じて変わっていきます。

そして、2024年度(令和6年度)については、このように変えますよ・・・というのが公表されました。
国土交通省ホームページに掲載されている「全体版」となる「令和6年度 国土交通省税制改正概要(全33P)です。
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最も注目される「住宅ローン減税」

住宅ローン減税制度は、住宅を新築する場合にローンを利用した方のほとんどが利用する制度で、減税される金額も大きく、いつも大いに注目される制度です。
この制度は、毎年の年末の住宅ローン残高の0.7%の金額について、13年間、所得税・住民税から控除される(税金が返ってくる)というもので、条件にもよりますが、13年間トータルで400万円を超える控除額にもなるものです。

ただし、計算の基、スタートで用いる「年末のローン残高」については上限が定められていて、2023年度(令和5年度)であれば、一般住宅では3,000万円、質の高い長期優良住宅であれば5,000万円が限度になっています。この金額が大きい方が控除金額が増えるのですが、2024年度(令和6年度)は、長期優良住宅であれば5,000万円という限度が、4,500万円に下がってしまいます。

でも、今回の改正では「子育て世帯、若者夫婦世帯であれば、引き続き5,000万円を限度にしよう」ということになっています。


なお、2024年度(令和6年度)からは、省エネ基準に適合していない「その他の住宅」では、住宅ローン減税制度が使えなくなってしまいますので、新築住宅をこれから建設・購入しようと計画されている方は注意が必要です。

リフォームの場合の税制優遇 「子育て対応リフォーム」が対象に追加!

「住宅ローン減税制度はわかったけど、ローンを使わないリフォームには税制の「おまけ」はないの?」
安心してください。多様な工事を対象として、所得税が控除される制度があります。

現状では、

  • 耐震リフォーム
  • バリアフリーリフォーム
  • 省エネリフォーム
  • 三世代同居リフォーム
  • 長期優良住宅化リフォーム
の5種類がそろっています。そして、今回の改正で「子育て対応リフォーム」も税制優遇の対象になります。


「子育て対応リフォーム」では、

  • 住宅内における子どもの事故を防止するリフォーム
  • 対面式キッチンに交換するリフォーム
  • 開口部の防犯性を高めるリフォーム
  • 収納設備を増設するリフォーム
  • 開口部等の防音性を高めるリフォーム
  • 間取りを変更するリフォーム(一定のものに限る)

が対象になるようです。詳細は追って公表されると思いますが、リフォーム優遇制度は、これまでよりもさらに使いやすいものになるのではないでしょうか?

「性能向上リフォーム」であれば、「固定資産税」もおまけしてくれる。

次のリフォームであれば、毎年度支払う必要のある「固定資産税」について減額してくれます。

  • 耐震リフォーム
  • バリアフリーリフォーム
  • 省エネリフォーム
  • 長期優良住宅化リフォーム

この特例措置については、これまでもあった制度ですが、これを引き続き2年間延長するとなっています。
詳細ページ:国土交通省公表資料抜粋「既存住宅の耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅化リフォームに係る特例措置の延長(固定資産税)」

新築住宅の固定資産税の減額 「長期優良住宅」ならさらに優遇

戸建新築住宅であれば、新築後3年間、マンションであれば新築後5年間、固定資産税を半額にしてくれます。これを引き続き2年間延長するとなっています。
詳細ページ:国土交通省公表資料抜粋「新築住宅に係る税額の減額措置の延長(固定資産税)」

そして長期優良住宅であれば、半額おまけ期間が戸建は3年が5年に、マンションなら5年が7年に伸びます。また、不動産取得税や登録免許税についても、長期優良住宅であれば特例があります。
詳細ページ:国土交通省公表資料抜粋「省エネ性能等に優れた住宅の普及促進に係る特例措置の延長(登録免許税・不動産取得税・固定資産税)」
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「質の高い住宅」であれば、「贈与税」についても特例があります。

 
省エネ住宅や、耐震性の優れた住宅であれば、贈与税が非課税となる限度額が500万円から1,000万円に増額になります。この特例措置については、これまでもあった制度ですが、これを引き続き2年間延長するとなっています。
詳細ページ:国土交通省公表資料抜粋「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置等の延長(贈与税・相続税)等」

住宅所得時の登録免許税の特例も延長

住宅を取得する際、所有権の保存登記・移転登記、抵当権の設定登記において発生する登録免許税についても特例措置がありますが、これについて引き続き3年間延長するとされています。
詳細ページ:国土交通省公表資料抜粋「住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る特例措置の延長(登録免許税)」

おわりに

2024年度の住宅に関する税制改正予定について、現段階でわかっていることのみですがポイントをご紹介しました。
全体を通じてみると、新築もリフォームも、税制優遇措置によって省エネ住宅や長期優良住宅などの、質の高い住宅を増やしていこうというベクトルがおわかりになるかと思います。
リフォームでも、大きな予算をかけるのであれば、ぜひ省エネなど、性能向上という点に着目して計画をし、これらの税制優遇措置も活用されると良いと思います。

リフォーム評価ナビサイトの「リフォーム事例を見る」では、リフォーム評価ナビ登録事業者さまが実際に施工された、例えば「省エネリフォーム」事例のみを抽出して豊富な写真を見ることができます。→「省エネリフォーム」のリフォーム事例一覧
いろんな施工写真を見て、これから検討するリフォームのイメージを膨らませてみてはいかがでしょうか?
◆執筆者
一般財団法人住まいづくりナビセンター 専務理事 
河田 崇

元 独立行政法人 住宅金融支援機構 部長
工務店向けの省エネ基準解説書や木造住宅工事仕様書の作成などに従事
マンション管理士 建築基準適合判定資格者 2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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