傷みが早い浴室のリフォームとは

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傷みが早い浴室のリフォームとは

木造の住まいで、早く傷みがちなのが水回り、とくに浴室です。常に水を使い、またお湯を貯めているので湿度も非常に高く、木の腐朽を早めてしまうからです。洗面やキッチンでも水を使いますが、それは洗面ボウルやシンクの中だけのこと。その外に水がこぼれたらすぐ拭くこともできます。しかし、浴室は1坪ほどの広さがすべて“シンク”のようなもの。しかも、昔ながらの造作の浴室は、シンクのように一体成形されているのではなく、床、壁、天井が組み合わされ、隙間ができやすい構造です。使わないときはしっかり乾燥させ、使用から10年を過ぎたら、傷みが出ていないか点検をしましょう。浴室の傷みが住まいの他の部位に波及しないうちにリフォームすることも、住まい全体にとって大切なことです。

木の大敵は水と湿気

木の大敵は水と湿気

木は身近に手に入り、強度が高い割には加工もしやすく、住まいの材料としては理想的です。管理が良ければ日本の寺社建築や古民家に見られるように、数百年あるいは千年以上も、変わらない姿で強度を保つことができます。エジプトでミイラを収めていた木棺が新品同様で発見されて話題になりましたが、この場合は4000年もの間、変わらずにいたということになります。鉄やコンクリートが経験したことのない長寿を誇る材料です。

しかし、木は腐朽するという弱点があります。腐るのは腐朽菌が生育するためですが、腐朽菌の生育条件は、適度な温度と湿度、酸素、栄養の4つです。この4つがすべてそろわなければ生育できません。水中で木が腐らないのは酸素がないからです。


適度な温度と酸素、栄養は人間が生活する範囲には常に存在するので、これを絶つことはできませんが、湿度のコントロールは可能です。その意味でも、浴室は水が構造部に回らないように防水・気密処置をして、使わないときはしっかり乾燥させることが長持ちの秘訣です。

ユニットバスなら浴室丸ごと交換できる

ユニットバスなら浴室丸ごと交換できる

浴室は「現場造作工事」で大工さんがつくるものと、工場生産されたユニットバスの2種類に分かれます。現在は「ユニットバス」が主流。半世紀前の1964年の東京オリンピックの頃にはじめて生産されました。床、壁、天井、窓が一体の箱になるようにつくられています。従来の現場工事でつくるものに比べて防水性能が高く、また気密性も高いので、住まいの長寿命化に貢献、暖かな浴室は使い心地もよいものです。最近は性能・デザインともに、さらに進化しています。

このユニットバスなら、浴室のリフォームも比較的簡単にできます。既存のお風呂を撤去、土間コンクリートを打ち直し、壁・天井の下地を整え、給排水管の位置を調整して、後はユニットバスを組み立てていくだけです。内装・電気工事なども含めて短い場合は5日から1週間程度の工事期間で、浴室がすっかりきれいになります。

開けてびっくりというケースも

開けてびっくりというケースも

ユニットバスへのリフォームは、現場でタイル張りなどをしながらつくりあげていく造作工事と異なり比較的簡単です。そのため費用も安くなりがちですが、競争が激しく低価格を売り物にしている工事店もあります。

しかし、この金額と工事日数は、既存のお風呂の撤去後の下地や構造部に、とくに傷みなどがない場合です。ところが、20年、30年と使われてきた浴室の下は、木部が腐朽してぼろぼろになっているというケースが珍しくありません。腐朽が、周辺の土台や柱にまで及んでいると、これらの交換が必要になります。この場合は、工事日数も長くなり、費用も当初の見積もりを大きく超えるものになります。下地がどういう状況であるかは、既存のお風呂を撤去するまでわかりません。見積もり時にはお互いにそのことを確認して、工事費が加算される場合があることを念頭に置いておく必要があります。

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