もっと知りたい給湯機
浴室、洗面所、キッチンで欠かせないのが、いつでもたっぷりと出てくる適温のお湯。快適な給湯ライフを送るには、適切な給湯設備を設置することが大切です。熱源はガス、電気、石油があり、それぞれ違った特徴を持っています。リフォーム時には、自分の家ではどのタイプが適しているかをよく検討しましょう。また、省エネに配慮した給湯機や、お湯と一緒に電気を作る燃料電池タイプもあります。
ガス給湯機は家族の人数などで号数を決める
給湯機は取りつける場所を考えたいものです。一般的なのが、浴室の近くに設置して、洗面所やキッチンに給湯するセントラル方式を採用するケース。水回りを集中させると配管が短くなり、より安定した給湯ができます。水圧にも注意しましょう。場所によっては水圧が下がっている地域があり、十分な給湯ができません。その場合は高圧型の給湯機を選びましょう。そして、家族の人数、給湯する場所の数、ライフスタイルなどによって、選ぶ給湯機が違ってきます。
ガス給湯機には、都市ガスとプロパンガスの2種類があります。設置場所は、戸建が屋外設置(壁掛け型と据え置き型)、屋内型(FF式暖房機のように排気を外部に出す)があり、集合住宅はパイプシャフト(ガス管や下水管が通っているパイプスペース)設置とベランダ設置があります。
いちばん重要なのが号数選び。家族が何人でどのくらいのお湯を使うかで決まります。10号から32号まで揃っており、号数は水温に25℃をプラスした温度のお湯が1分間に何ℓ給湯できるかという数字をあらわしたもの。つまり24号は1分間に24ℓのお湯を供給します。目安としては、4人家族で24号、2人家族で20号、ひとり暮らしで16号。
また、お風呂沸かしを楽にしてくれるのがフルオート仕様。スイッチオンで自動でお湯張りし、決められた水位でストップ、お湯の温度が下がると指定の温度まで自動で追いだきし、湯量が少なくなると自動で足し湯をしてくれます。そのほか、足し湯は自分でスイッチを入れるオート仕様などがあります。
オール電化により電気給湯機が増えている
電気給湯機には、電気ヒーター加熱型と熱交換式があります。どちらも午後11時から午前7時(電力会社により異なる)の深夜電力を使った給湯機です。深夜電力は昼間の電気代に比べて約3割もおトク。ガス給湯機と同様にフルオート、オート、標準などのタイプがあります。燃料式ではないため、ガスや石油と比べて安全で、空気を汚さずクリーンです。
ただし、お湯を貯湯するための大型タンクが必要になり1㎡以上のスペースが必要になってきます。タンクは屋外にも屋内にも置けます。家族の人数によりタンクの容量を選びますが、目安としては3~4人家族で370ℓ、4~5人家族で460ℓ。オール電化の普及により、電気給湯機を選ぶ家庭が増えており、太陽光発電システムと組み合わせると省エネ化が可能。電気給湯機は水圧が弱めなので、2階に浴室を作るときには高圧型を選ぶ必要があります。また、お湯を使い切ってしまうと、値段が高い昼間の電力を使わなければなりません。ガスの給湯機と比べて、給湯コストは安めです。
石油給湯機は、灯油の補給が定期的に必要ですが、点火・消火・温度調節がガス給湯機と同様にリモコンで行えるので便利。石油ボイラーの燃焼式は瞬間燃焼式のためお湯にするのに時間がかかりますが、リフォームの際、貯湯タンクを併設することでいつでも快適に入浴することができるようになります。燃料タンクと石油を送るパイプは、火災を起こさないように定期的な安全点検が必要。燃料には安い石油を使用しているため、給油コストは熱源の中でいちばん安く済みます。
最新の高効率給湯機と燃料電池
一般的な給湯機に加えて、エコを考えた給湯機や電気とお湯を同時に作る燃料電池なども選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。「エコキュート」は、空気中の熱エネルギーを取り込んでお湯をわかすヒートポンプ式システム。今までのヒーター式の電気給湯機と比べ、約1/3のエネルギーしか使いません。電気給湯機と同様に深夜電力を使用しておりコストを圧縮します。弱点は深夜運転の音。隣の家の寝室横にエコキュートを設置する際は気をつけなければなりません。また、空気中の熱を取り込むことから、冬は焚き上げ効果が少し薄れます。
ガスでエンジンを回転させて電気を起こし、発電時の熱で給湯と暖房を行うのが「エコウィル」。発電量1kWに対し2.5kWの熱が貯湯タンクの水を加熱して、お湯を作り出します。給湯にはこのお湯を使いますが、追い焚きをすることも可能。発電量は、戸建住宅で4人家族が使用する電気量の3~4割を削減します。
ガスを使って発電する燃料電池が「エネファーム」です。ガスから水素を取り出し、水素と空気中の酸素を化学反応させることで発電。また、発電時にできた熱を熱回収装置で集めて貯湯タンクの水を加熱し、約60℃のお湯を作り出します。この熱は床暖房として利用することも可能。主なメーカーは、パナソニックや長府製作所、ノーリツなど。難点は高価なことですが、現在(2017年8月)ならば導入には国から補助金が出ます。
画像:エネファーム(パナソニック)
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