寝室の快適温度は何度?ぐっすり眠れるベッドルームをつくりましょう
掲載日:2024年1月9日
寝室の温度と睡眠の質には、関連性があるのをご存知でしょうか。
寒い季節の夜中に何度もトイレに行きたくなったり、なかなか寝付けなかったりするのは、寝室の温度が一因かもしれません。
今回は寝室の温度に注目し、いったい何度が最適なのか、室内が暑すぎたり、または、寒すぎたりするとどのようなリスクがあるのか解説します。
併せて、快適な睡眠環境づくりに適した断熱リフォームについても取り上げていますので、ぜひ参考にしてみてください。
寝室の温度は何度が快適か
ぐっすり眠るためには快適な室温に保つ必要です。
寝室で快適な温度は夏と冬で異なり、
- 夏は26~28度
- 冬は18~20度
が目安とされています。
睡眠中はリラックスし副交感神経が優位になりますが、暑さ、寒さといった室温が一因となり交感神経が活発になると、眠りが浅くなってしまいます。
寝室の温度が高いと起こるリスク
それでは、寝室の温度が高いことが原因で引き起こす具体的なリスク例を見ていきましょう。
夏バテ
近年の日本の夏は、高温多湿の熱帯夜が続きます。睡眠の質が落ちがちなので、寝不足となり疲れが取れず夏バテしてしまうことも。だからといって、エアコンで室内の温度を下げすぎると自律神経の不調につながりますので注意が必要です。
脱水症
眠っている間は水分補給ができません。人間は睡眠中にコップ1杯程度の汗をかくと言われています。暑いとさらに多くの汗をかくことで体から熱を放出させるため、水分不足から脱水症を引き起こす可能性があります。
熱中症
室温が高いと熱中症を引き起こす可能性もあります。熱中症の症状は、めまいや立ちくらみ、頭痛、吐き気、倦怠感、ぐったりするなどが挙げられます。重度の熱中症になると、意識障害やけいれんなどを起こすなど命に関わる深刻な症状が見られます。
入眠時は快適な室温だったのにも関わらず、その後、エアコンのタイマーで冷房を停止してしまったせいで室温が上がり熱中症を引き起こしたという話は、新聞やニュースで頻繁に取り上げられています。
特に夏場はエアコンを上手に活用し、朝まで快適に眠れる室温を保ちましょう。
寝室の温度が低いと起こるリスク
続いて、寝室の温度が低いことが原因で引き起こす具体的なリスク例を見ていきましょう。
寝付きが悪くなる
寝室の温度が13度以下になると、寝付きが悪くなる傾向があります。人間は夕方から眠りにつくまでに少しずつ体温を下げて眠りにつく準備をしますが、室温が低すぎると身体から熱を逃しにくくなって寝付きが悪くなるのです。寝付きが悪くなると身体にさまざまな悪い影響を及ぼしますので、寝室を快適な温度に保つ対策が必要になります。
ヒートショックの原因になる
寝室の温度と布団の中の温度に大きな差があると、ヒートショックの原因になります。ヒートショックとは、激しい温度差によって血圧が乱高下する現象です。心臓や血管に重大な疾患が起こる原因になりますので、室内と布団内の温度差が少ない快適な温度に保つ必要があります。
夜間のトイレの回数が増える
寝室の温度が低いと、夜中に何度もトイレに行く回数が増える傾向があります。夜間頻尿が増えることで睡眠が浅くなり、免疫力が落ちたり集中できなくなったりなど日常生活に悪影響を及ぼしますので注意しましょう。
寝室を快適な温度に保つ断熱リフォームがおすすめ
エアコンだけを多用せずに寝室を快適な温度に保つには、断熱リフォームがおすすめです。
断熱リフォームには、以下の種類があります。
床の断熱リフォーム
床の断熱リフォームでは、床下に断熱材を入れる工事が一般的です。床材を剥がして断熱材を入れる方法と、床下に潜り込んで施工する方法があります。床材の全面的な張り替えで寝室の雰囲気を一新できるメリットもあるものの、工期や費用が高額になる傾向があります。
壁の断熱リフォーム
壁の断熱リフォームには外壁に室内側から断熱材を追加で入れる方法と、外壁の外側から断熱材を施工する方法があります。室内側から断熱材を施工する場合は、壁を剥がして骨組みの間に断熱材を入れます。ただし、骨組みの構造によっては水道管や電気の配線と干渉し、施工が難しいケースがある点に留意しておきましょう。
外壁の断熱リフォームには、外壁の外側に断熱材を追加で張り付ける方法があります。断熱材の張り付けは大掛かりな工事になりやすく、天候によって工期が延びてしまうのがデメリットです。
天井の断熱リフォーム
床と壁に加えて、天井に断熱材を張る断熱リフォームもあります。天井裏に人が入って作業できるスペースと強度があれば、施工可能です。ただし、構造やスペースによっては、天井を剥がす大掛かりな工事になるのがデメリットです。その他、繊維状の断熱材を機械で吹き込む施工方法もあり、天井裏に梁などの障害物が多い場合に適しています。
窓の断熱リフォーム
寝室の温度を快適に保つのに、もっとも手軽で有効的な方法が窓の断熱リフォームです。窓の大きさを変える場合には追加の工事が必要なものの、大きさを変えないのであれば、比較的簡単に施工できる方法もあります。特に冬は窓から外部に熱が逃げやすく、寝室のリフォームではまず窓の断熱リフォームを検討するのがおすすめです。以下では、窓の断熱リフォームの方法を解説します。
二重窓にする
今ある窓の内側にもう1枚窓を取り付けて二重窓にする方法があります。窓と窓の間に空気の層を作り、高い断熱効果を発揮するのが特徴です。樹脂製の窓枠を採用すれば外気の影響を受けにくく、寒さや暑さをより軽減できますのでチェックしておきましょう。また、アルミ製の窓枠のような結露が出にくくなるのもメリットです。
ガラスを交換する
サッシの枠はそのままにしてガラスを交換する方法もあります。、1枚ガラスではなく複層ガラスやエコガラスが適しています。優れた断熱性が期待できますので、チェックしてみてください。ただし、今のガラスが1枚タイプの場合、サッシの溝幅が狭くなっている場合があります。厚みのある複層ガラスに交換する際、サッシに収まらない可能性がある点に留意しておきましょう。
新しい窓を設置する
今ある窓枠は残し、上から新しい窓を被せるのが「カバー工法」です。窓を丸ごと新しくする断熱リフォームで、築年数の経過した住宅におすすめです。窓を壊して交換するのと比べて、工事期間や費用を抑えられるメリットがあります。窓を開け閉めしにくくなったと感じる場合や、すき間風が気になるなら検討してみてください。
シャッターを設置する
シャッターを設置すれば、寝室に冷気が入り込むのを軽減できます。電動タイプなら、窓を開閉せずにシャッターの上げ下げをボタン一つで操作できて便利です。断熱効果を高めるほか、防犯でも活躍します。なるべく費用を抑えたい場合や、夏場の日差しで寝室の温度が上昇するのが気になるなら、ブラインドやオーニングを設置する方法も検討してみましょう。
寝室を断熱リフォームで得られるうれしい効果
断熱リフォームでは、断熱効果だけではなく、うれしい間接的効果も得られます。それでは、以下に例をあげていきます。
冷暖房効率が上がって電気代を節約できる
寝室を断熱リフォームすることで冷暖房の効果がアップします。断熱材や窓のリフォームにより、冷暖房の効率が良くなると、冷暖房器具の無駄な電力の消費を抑えられます。
乾燥した空気から体を守る
特に、冬場の就寝中にエアコンで暖房しすぎると空気が乾燥してしまい、風邪を引いたり、のどや肌に不調を感じたりする原因にもなります。
健康面を考えた場合にも、快適な温度と湿度を保つことができる断熱リフォームは有用でしょう。
家の温度差を小さくできる
寝室に加えて家全体を断熱リフォームすれば、より快適な住環境づくりが実現します。リビングから脱衣所、トイレなどに移動した際の温度差を小さくすることが可能です。特に、リビングと脱衣所の温度差で起こるヒートショックを防げます。ご高齢の方ほどヒートショックによる心筋梗塞や脳梗塞などのリスクがありますので、断熱リフォームを実施し家全体を快適な温度に保つのがおすすめです。
遮熱や防音にも効果を発揮
断熱リフォームを施工すると、遮熱効果によって暑い時期に快適に過ごしやすくなるのもメリットです。断熱リフォーム前よりも外気の影響を受けにくくなり、部屋の温度上昇を防げます。冷房のしすぎは体調不良の原因になります。寝室が暑いからとエアコンを強くしすぎると自律神経の働きが悪くなって、体調を崩す原因になるので注意が必要です。
また、断熱リフォームは防音にも効果を発揮します。断熱性が低く、すき間が多い住宅では騒音が気になる場合があります。断熱リフォームを施工すれば、断熱材が音を吸収したり、二重窓を設置したりすることで音を遮断できるのです。防音効果が高まると、家の前を車やバイクが通った際の音を軽減できるなど、快適な睡眠をサポートします。
寝室の断熱リフォームは信頼できるプロに依頼しよう
寝室の断熱リフォームでは、信頼できる業者選びが重要です。寝室の断熱リフォームは施工内容によって異なりますが、壁や床を剥がすなどの大掛かりな工事になるケースがあります。断熱施工以外の工事が必要なケースもあり、工事費用が想定より増えてしまう場合があるのです。見積りが高すぎないか、もしくは安すぎないのかなど慎重に検討しましょう。
また、技術や知識に乏しく断熱施工が不十分だと本来の効果を発揮できず、結露の原因にもなります。断熱材の種類や施工方法によって金額や効果に違いがありますので、信頼できるリフォーム会社に相談しましょう。
寝室のリフォーム事例
ここからは、寝室のリフォーム事例を「リフォーム評価ナビ」からご紹介しますので、見ていきましょう。
※以下の参考事例は「リフォーム評価ナビ」登録事業者の施工事例です。
参考事例
断熱リフォームで省エネ効果!?|株式会社ソレイユ・リビング・テックのリフォーム事例
西・東面に窓があり夏の昼以降が激烈に熱く、冬場は東側の結露が激しい状態でしたので、それぞれにベストな窓ガラスを提案させて頂きました。
一番熱い西面の南側には超高性能な日本板硝子の「スペーシアクール」を採用しました。
Low-eガラスとガラスの間に0.2mmの真空層がある為、断熱性能が格段に上がります!!
次に熱い西面の北側にはLow-e複層ガラスのグリーンを採用しました。
サーモグラフィ画像でもわかるように、部屋側のガラス面の温度がそれぞれ13℃、12℃と温度差がありました!
またこれは体感温度ですが光が常に当たっている床(フローリング)の温度もそれなりに違いました!!
夏場の効果としてはかなり期待できるのではないでしょうか!!
冬場も期待ですね!!
※あくまでも実例であって効果を約束するものではありません!!ご了承ください!!
まとめ
快適な睡眠と寝室の温度は密接に関係しています。また、暑すぎる/寒すぎる室温は、熱中症やヒートショックといった命に関わる重大なリスクにつながる可能性もありますので、室温管理はしっかりおこないましょう。
ぐっすり眠れる寝室づくりをお考えの際は、住まいづくりのプロであるリフォーム会社に相談するのがおすすめです。リフォーム評価ナビでは、口コミや事例からお近くのリフォーム会社を探せますので、ぜひご活用ください。
◆記事監修
一般財団法人住まいづくりナビセンター 専務理事
河田 崇
河田 崇
元 独立行政法人 住宅金融支援機構 部長
工務店向けの省エネ基準解説書や木造住宅工事仕様書の作成などに従事
マンション管理士 建築基準適合判定資格者 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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