壁紙クロスの種類と特徴を分かりやすく解説!おすすめの選び方は?

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壁紙クロスの種類と特徴を分かりやすく解説!おすすめの選び方は?

新築の住宅を建てる際や、住宅のリフォームを行うにあたって、壁紙クロスにどのようなものを採用するのか悩んでしまう方は多いのではないでしょうか。

素材、柄、模様など、それぞれに様々な特徴がある壁紙クロスは、お部屋の雰囲気やインテリアデザインを変えることに役立ちます。

しかし壁紙はデザインだけではなく、素材や種類にも多くの違いがあります。素材の質感やそれぞれの素材が持つ役割などを考慮すると、どのような壁紙を選べば良いのか分からなくなってしまうこともあるでしょう。

そこで今回は、壁紙クロスに使われる素材の種類や特徴を解説し、各素材のメリットやデメリットについても紹介していきます。

壁紙クロスを選ぶ際に品質や健康面などの参考となる指標についてもお伝えするので、住宅にぴったりの壁紙を選ぶ際の参考にしてみてください。

壁紙クロスの種類

はじめに、壁紙クロスにはどのような種類があり、それぞれの特徴やメリット、デメリットを解説します。

壁紙クロスの代表的な素材には、以下の7種類があります。

  • ビニールクロス
  • 紙クロス
  • 布クロス(織物クロス)
  • 木質系クロス
  • オレフィン系クロス
  • 珪藻土クロス
  • 漆喰クロス

  • 以下でそれぞれ素材ごとの特徴や性質を詳しく紹介していきます。

    ビニールクロス

    日本の住宅で採用されることが多いのが、ビニールクロスと呼ばれる素材です。塩化ビニール樹脂を素材としたビニールシートの裏側に、紙などでできた施工用のシートを裏打ちして作られています。

    ビニールという素材そのものが様々な加工がしやすい特性を持っているため、エンボス加工を施して壁紙の表面に凹凸や発泡を作ることや、花柄などのプリントを施すこともしやすいです。

    ビニールクロスのメリット

    ビニールクロスのメリットは、他の素材よりも比較的安価でありながら品質が安定しており、耐久性が高いものが多いことです。

    耐水機能や吸湿機能にも優れているものが多く、全体的に水を通しづらい特徴があるため、油汚れが多い環境や湿度が高くなりやすいといった環境であっても使いやすいでしょう。

    加工がしやすい特徴を活かして消臭機能や抗菌性能が高い製品も多く開発されているため、様々なバリエーションの中から住宅やお部屋に最適な壁紙を探しやすいメリットもあります。

    ビニールクロスのデメリット   

    ビニールと加工シートを接着する際に使用する接着剤や、ビニールを柔らかくするために使用する可塑剤などに有害物質であるホルムアルデヒドが含まれている場合があります。

    そのため、ビニールクロスの壁紙を使用することによる健康上のリスクが不安視されることがあります。同時に、壁紙を焼却して廃棄する際に有害物質であるダイオキシンが発生することによって環境問題を引き起こすという指摘もありました。

    この問題を受け、現在では有害物質を抑えるための様々な取り組みがされており、それを示す指標もありますので、ぜひご参考にしてください。

    紙クロス

    紙クロスは壁に洋紙や和紙を貼り付けるタイプの壁紙です。

    主に欧米で使用されることが多いため、ヨーロッパやアメリカなどで見られる多種多様な模様・デザインの壁紙が多く使われています。そのため欧米のようなデザインの住宅に近づけたい場合に使われることが多いでしょう。

    また、本物の和紙を使用することで、日本古来の本格的な和を感じられる内装を取り入れることもできます。紙クロスを使用することで、よりリアルで美しい内装に仕上げることができるでしょう。

    紙クロスのメリット

    欧米の王室などでも使用されている紙クロスはデザイン性が豊富な特徴があり、他のクロスでは引き出せないような、綺麗で上品かつ高級感のある内装に仕上げやすいメリットがあります。

    また、紙クロスは壁紙の中でも比較的張り替えが容易なため、経年劣化や汚れがみられる場合でもすぐに張り替えやすいです。

    木製の素材を壁紙にしているため化学製品によるアレルギーや有害物質発生のリスクも低く、健康面においても安心して使用できる壁紙といえるでしょう。

    紙クロスのデメリット

    紙クロスは薄い紙を壁紙に貼り付けて使用するので、他の壁紙よりも耐久性が低くなる場合があります。そのため、水や油、湿気によるダメージを受けやすいことがデメリットとして挙げられるでしょう。

    また、紙クロスは薄く、張り付けの工事が難しいため、施工をお願いする際には経験の豊富な業者に依頼することが推奨されます。

    下地の凹凸が浮き出る、時間経過によって壁紙が膨張・収縮するなどの失敗が起こる可能性が高くなってしまうため、なるべく紙クロスの施工が得意な業者に任せる方がより安全でしょう。

    製品によっては汚れた際の水拭きができない紙クロスもあります。そのためクロスの設置前に、どのように手入れができる製品なのかをしっかり確認しておくことも重要です。

    布クロス(織物クロス)

    布クロスとは、麻・木綿といった自然由来の繊維素材や、レーヨン・ポリエステルといった化学繊維を紙で裏打ちする壁紙で、織物クロスとも呼ばれます。

    全体的に繊維素材の質感を活かした高級感のある仕上がりになりやすいことが特徴で、ホテルや旅館の客室内などに使われることも多いです。

    布クロス(織物クロス)のメリット

    布クロスは、繊維素材を使うことにより独特の高級感と重厚感を引き出せるだけではなく、織り込み模様や凹凸付きのデザインによる上品なイメージをお部屋に与えやすくなります。

    また、基本的に自然由来の原料を使用するため、他の種類のように化学物質を使うことによる健康や環境へのリスクも低いでしょう。

    さらに、布クロスは通気性に優れているため、空間の湿気が多い場合は余分な湿気を吸収し、逆に室内が乾燥している場合は水分を放出して部屋の湿度を上げることが期待できるでしょう。

    布クロス(織物クロス)のデメリット

    布クロスは、全体的に凹凸がある製品が多いです。そのため一度汚れが付いてしまうと落とすことが難しいことに注意が必要になるでしょう。

    無理に擦りすぎてしまうことにより擦った箇所が凹む、剥がれるなどが起こってしまいます。

    また、布クロスは貼り付けの際には模様が伸びたり縮んだりすることのないように精密な作業が求められるため、施工の難易度がやや高めです。他の壁紙に比べて採用する住宅が少ないため、対応できる業者を見つけることが難しいデメリットもあります。

    木質系クロス

    木質系クロスは薄めにカットした木材を使用し、紙などのシートに裏打ちする壁紙です。木材の箇所には、主に天然木やコルクなどが使われます。

    天然木とコルクのいずれかを使用する場合であっても、壁面を木材で囲むようなデザインにすることができます。そのため、自然由来の優しい温かさを感じられる、全体的に落ち着いた雰囲気のお部屋にしやすいでしょう。

    木質系クロスのメリット

    木質系クロスは天然木やコルクを素材とすることにより、温もりのあるカントリー風の内装にしやすいです。

    お部屋のデザインに木の素材感を取り入れたい、腰壁やアクセントクロスを導入したいという方には、木質系クロスがおすすめできます。

    また、天然木やコルクには調湿機能があるため、お部屋の中の湿度を快適に保つことも期待できるでしょう。

    木質系クロスのデメリット

    木質系クロスは天然の木材をそのまま使用することも多いです。そのため、他の壁紙と比較すると価格が高くなりやすい傾向があるでしょう。

    天然素材のため全く同じ模様の製品を探すことも難しく、壁面全体に張ったクロスの一部分のみを差し替えたい場合には苦労することが多いので、注意が必要です。

    また、水分を含むことで壁紙の模様にシミやムラができてしまう耐水性の低さも欠点となります。水回りに木質系クロスを導入する場合、壁紙の耐水性について本格的な施工前に確認しておくことが重要です。

    オレフィン系クロス

    オレフィン系クロスは、ポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂を主原料とするプラスチックの一種を使用した壁紙です。

    ビニールクロスの原料である塩化ビニールが持つ健康や環境への悪影響を考慮し、ビニールクロスの代替品として普及してきた背景があります。

    オレフィン系クロスのメリット

    オレフィン系のクロスはビニールクロスと同様の性質を持っているため、全体的に防汚性能や耐水性能に優れた製品が多く見られます。

    また、塩化ビニールを使用していないので、焼却時に煙や塩化水素などの有毒性のガスがほぼ発生しないメリットがあります。身体面や環境面にも優しく、「安心して使える素材がいい」という方におすすめの素材といえるでしょう。

    オレフィン系クロスのデメリット

    ビニールクロスと同様の利便性を持ちながら身体面や環境面への配慮にも優れているオレフィン系クロスですが、ビニールクロスに比べてやや高価になりやすい点に注意が必要です。

    また、紙クロスなどと同様に施工に対応できる業者や経験が豊富な業者の数が限られる傾向もあります。そのため依頼する施工業者を探す際に、選択肢が絞られやすい可能性があるでしょう。

    珪藻土クロス

    珪藻土クロスは、水中の植物プランクトンの化石が堆積して岩石となった珪藻土を使用した、自然由来の素材を使った壁紙クロスのことです。

    ザラザラとした手触りが特徴的で、木質系クロスのように、紙や布などにプリントするだけでは表現できない繊細な質感を表現しやすいです。

    珪藻土クロスのメリット

    珪藻土本来のメリットをそのまま壁紙に流用できるため、調湿性や消臭効果に優れています。天然素材でありながら過ごしやすい環境を整えやすい素材といえるでしょう。

    また、珪藻土を使った製品の中には防カビ性能や防汚性能に優れるものも開発されており、居心地の良さとお手入れのしやすさの両方を兼ね備えたお部屋にもしやすいです。

    珪藻土クロスのデメリット

    珪藻土クロスが持つザラザラとした触感は、上質な質感を引き出せるメリットもありますが、凹凸が付いている分、汚れがクロスに残りやすいデメリットもあります。

    また、珪藻土には調湿性に優れるメリットがありますが、珪藻土が持つ調湿性能の限界を超えてしまうとカビが繁殖してしまうケースもあります。

    珪藻土クロスを導入する際は、その製品がどの程度の防カビ性能を持っているのかをあらかじめ確認しておき、日頃から換気を適宜行ってカビの繁殖しづらい環境を作っておくことが重要になるでしょう。

    漆喰クロス

    漆喰クロスは、サンゴ礁を原料とする自然由来の石灰を使用した壁紙クロスです。

    漆喰には空間内の湿度や温度を一定に保つ効果があり、機能性に優れる特徴が期待されます。

    漆喰クロスのメリット

    漆喰クロスは耐久性が高いといわれており、適切なお手入れを行うことで経年劣化を軽減することが可能です。また、漆喰は不燃材料であるため、防火対策の面でも効果が期待できるでしょう。

    漆喰を使用した壁にはホコリやゴミが付きにくく、その分お手入れがしやすくなることも期待できます。

    漆喰クロスのデメリット

    漆喰は調湿性能に優れていますが、実は壁紙クロスに使用できる漆喰の量には制限があることが多いです。

    そのため、たとえ漆喰を使用した壁紙であっても、漆喰を使用した塗り壁ほどの調湿や消臭性能が期待できないこともあります。あくまでも「漆喰を使用した壁紙である」ということを意識しておくことが必要になるでしょう。

    壁紙クロスの機能と特徴

    壁紙クロスを張ることによる効果や、壁紙クロスが持つ役割を簡単にまとめると、大まかに次の5つが挙げられます。

  • 消臭効果
  • 抗菌効果
  • 耐久性の強化
  • 防汚効果
  • 防カビ・撥水効果

  • 採用したいと考えている壁紙クロスや、これから導入していく予定の壁紙クロスがどのような機能と特徴を持っているのかを把握することは、新築やリフォームで壁紙を選ぶ際に重要となるでしょう。

    以下では、壁紙クロスが持つ機能と特徴をそれぞれ詳しく解説していきます。

    消臭効果

    消臭効果のあるクロスを選ぶことで、タバコなどの生活臭やキッチン臭、トイレ臭といった「臭い」が緩和されることが期待できます。

    消臭効果を持つ壁紙クロスは、場所を問わず様々なお部屋で活躍できるでしょう。

    一方、クロスの消臭効果が持続するのは一般的な目安として10年程度といわれているので、お手入れやメンテナンスには注意が必要です。

    抗菌効果

    クロスの表面などに抗菌効果を持っている製品を選ぶことで、様々な菌・ウイルスの増殖を防ぎやすくなります。

    壁の表面を衛生的に保ちやすくなるため、水はねが起きやすいキッチンやトイレ、洗面所などに抗菌効果のある壁紙を導入できると、さらに効果的です。

    耐久性の強化

    壁紙クロスの中には、表面の硬度や耐衝撃性を強化できる製品もあります。

    壁に傷が付きにくく壁紙が破れにくい特徴があるため、小さなお子さんやペットと同居している住宅の場合はそのメリットを活かしやすいでしょう。

    また、部屋間の移動などで毎日利用する機会が多い玄関や廊下、階段といった場所は少しずつ衝撃が蓄積していくため、必然的に他の部屋よりも傷みやすくなります。そのような箇所に耐久性を強化できる壁紙を採用するのも良いでしょう。

    防汚効果

    防汚効果のある特殊なシートやフィルムを加工しクロス部分と合わせることで、汚れが付きにくく、付いた汚れを落としやすい性能にした壁紙クロスもあります。

    汚れやすいトイレなどに導入することも効果的ですが、基本的にどのようなお部屋でも活躍できる壁紙クロスといえるでしょう。

    特に小さなお子さんがいる住宅の場合は、リビングなどに防汚効果のある壁紙を導入することで、落書きなどの汚れを比較的簡単にふき取れることも期待できます。

    防カビ・撥水効果

    調湿機能がそれほど優れていないクロスを使用する場合や、湿気が多い環境の場合、壁紙クロスにカビが発生してしまうことも少なくありません。

    その場合は、防カビ加工や撥水効果のある壁紙クロスを導入することで、カビの繁殖を抑える効果が期待できるでしょう。

    お部屋の湿度が高まりやすいキッチンや洗面所、トイレなどに導入できると、さらに効果的です。

    壁紙クロスを選ぶ際に参考となる指標

    壁紙には、その製品を安心して使用できるかどうかの基準となる指標があることをご存知でしょうか?

    健康面や環境面、製品の安全性に関してどれだけ配慮ができているか、有害物質の排出量をどれだけ抑えられるかなどを参考にできるため、壁紙を選ぶ際に役立ちます。

    ここでは、壁紙クロスを選ぶ際に品質や安全性の指標となる代表的なマークをいくつかご紹介します。

    Fフォースター

    FフォースターはJIS工場で生産される製品に対して表示が義務付けられている、ホルムアルデヒドの排出量について示した規格のうち、その最上位であるものを指します。

    かつてシックハウス症候群を引き起こす要因となる建材の問題が取り上げられ、規格を設け指標として使われるようになりました。

    レベルは4段階に分けられており、それぞれ「F★★★★」「F★」などのように表記します。

    星の数が多いほど上位であることを意味しており、最も星の数が多い「F★★★★」であればホルムアルデヒドの排出が最も少なく、健康面へのリスクが低いという指標になります。

    ISM壁紙

    ISM壁紙とは、一般社団法人『日本壁装協会』が制定した規格に基づき、化学物質の発散を最小限に抑えた壁紙であることを認定する「ISMマーク」を付与された壁紙のことを指します。

    ISM壁紙の規格としては、製造段階や流通段階など大きく分けて5つの段階ごとに規格を設けています。

    たとえば、「安全性の高い原材料を使用しているか」「化学物質の放散が低く抑えられ、住みやすい室内空気質を提供しているか」などをクリアした製品がISM壁紙としての認定を受けることができます。

    (出典:一般社団法人日本壁装協会・ISM壁紙ウェブサイト http://www.wacoa.jp/ism/ism_about.html

    まとめ

    今回は、壁紙クロスに使用される素材の種類と、それぞれの特徴やメリット・デメリットをまとめました。

    壁紙クロスの素材やデザイン次第で、お部屋の内装の雰囲気が変わります。また、住宅内の様々な箇所に適切な壁紙を導入することで、それぞれの壁紙クロスが持つメリットを活かしやすくなるでしょう。

    住宅に導入する壁紙クロスを選ぶ際は、ご自身やご家族にとって最も良いものを選ぶことも大切ですが、本格的な施工に入る前にリフォーム業者などのプロのアドバイスを参考にすることで、さらに効果的な壁紙選びがしやすくなるでしょう。

    *全国の登録事業者が表示されますので、お住まいのエリアに絞って検索ください。

    (2021年11月8日掲載)

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