外壁・屋根のリフォームスケジュールは?
家の中で生活している限りは目に入らない屋根と外壁。しかし、毎日の家族の暮らしと、建物の構造体をすっぽりと覆って守り続けているのも屋根と外壁です。酷暑の日もあれば極寒の日もあります。強風も吹き付けるし、激しい雨も吹き付ける。それでも、しっかりと守ってくれる。愛情と関心をもって接したい部位です。
見えないだけに、ついチェックを怠りがちになりますが、雨漏りなどが発生すれば、建物の寿命は大きく縮まってしまいます。日常の点検と定期的なメンテナンス、そして計画的な修繕で、住まいの性能を維持しましょう。
外壁・屋根の補修・交換のスケジュール
外壁も屋根も、必ず補修や交換が発生します。日本では新築後、あまり手入れをしない、建てっぱなしにする、という傾向が強く、戦後の経済は、頻繁な建て替えをむしろ促進して新築需要をつくり、それによって経済成長を実現してきたという見方をする人もいます。
イギリスなどでは、日常的に住まいを手入れすることによってその資産価値を高めていく、という発想がありますが、やっと日本もその方向に向かってきています。
しかし、ストックとして既存の住宅をもっと活用していこうとすれば、住宅の補修、とくに寿命に直結する外壁リフォーム、屋根リフォームはとても重要です。
材料により、また建築地の環境の違いにより、一律に決めることはできませんが、材料別の一般的な補修スケジュールは、下の表の通りです。
外壁のポイントはコーキング
最近、外壁材としての使用が増えているものにサイディングがあります。
窯業系・金属系の大きく2種類に分かれます。
デザインのバリエーションも増え、施工がしやすく、また価格も比較的安価であることから、従来のモルタル吹き付け壁に変わって、外壁仕上げの主流となっています。
ガルバリウム鋼板など、金属系のものでは、とくに高い耐候性を備え、20年程度メンテナンスフリーというものもありますが、メンテナンスのポイントはこの外壁材そのものではなく、つなぎ目に施されているコーキング(シーリング)です。
樹脂素材で弾力性があるものですが、耐候性がやや低く、10年程度で劣化・硬化してしまいます。この部分は、壁内への雨水の浸入を抑える重要なポイントであり、コーキングだけの補修(打ち増し、あるいは打ち直し)が必要です。外壁はまだ大丈夫だからとこの部分を放置すると、構造体そのものの寿命を短くしてしまう可能性があります。コーキングの状態は、年に一度くらいは指で触って弾力性がなくなっていないか確認しましょう。
補修費用を抑えるには早めのメンテナンスを
外壁・屋根だけでなく、設備機器など、住まいの維持管理全般に共通することに「早めの対処が結局トク」ということがあります。まだ大丈夫、と引き延ばし、完全にだめになってから対処するのでは、補修の手間が大きくなり、場合によっては、単純な交換ではすまないといったケースも出てきます。
外壁・屋根も、住まい全体の50年、60年という寿命の中では、必ず何回かの補修・交換が必要になります。そのことをあらかじめ考え、早め早めに対処していくことが、結局は補修費用を抑え、また、建物そのものの寿命を延ばすことにつながります。
問題が起きてからではなく、問題が起きる前に修繕を計画的に行っていきましょう。
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