<全7種>外壁(外壁材)の種類と特徴をわかりやすくまとめました
掲載日:2024年3月29日
外壁のリフォームを検討している方の中には、「外壁材によってどんな違いがあるのだろう。」、「我が家の外壁に適したものはどれだろう。」など、「外壁材」について悩まれている方も少なくないのではないでしょうか。
外壁材にはさまざまな種類があって特徴もそれぞれ異なりますので、ポイントを押さえておくのが重要です。
そこで本記事では、外壁材にフォーカスして種類や特徴をわかりやすくまとめました。選ぶ際にチェックすべきポイントも紹介しますので、外壁のリフォームを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
外壁材の種類
外壁材には、おもに以下の7種類があります。では、それぞれの特徴や耐用年数を見ていきましょう。
1.窯業系サイディング
窯業(ようぎょう)系サイディングとは、セメントや繊維質といった非金属原料を高熱処理して製造した板状の外壁材です。日本の住宅の外壁材として多く採用されています。デザインのバリエーションが多いうえ価格が安いなど、コストパフォーマンスの良さが魅力です。モルタルなどを塗る作業がある外壁材と比べて工期も短く済みます。
耐用年数はおよそ20~30年ほどで、防火性に優れているのもメリット。ただし、窯業系サイディング自体には防水性がなく、表面に防水塗装を施す必要があります。表面の塗膜が劣化すると雨水がサイディングボード内に浸入し、乾燥や膨張によって変形や反り、ひび割れが発生する場合があり注意が必要です。
2.金属系サイディング
断熱材の表面に金属メッキを施しているのが金属系サイディングです。外壁材の中でもっとも軽くて耐震性に優れており、地震で揺れた際に建物への負担を軽減します。外気の影響を受けにくく、高い断熱性を発揮するのも特徴です。耐用年数はおよそ20~30年です。
外壁材に湿気や水が入り込んで凍結・融解を繰り返して劣化する「凍害」に強い特性もあります。特に、凍害が心配な寒冷地におすすめの外壁材です。ただし、衝撃に弱いため、物が当たると傷が付いたり、へこんだりする可能性があることを覚えておきましょう。また、海岸沿いの住宅に採用すると、塩分の影響によって錆びてしまう恐れがあります。
3.木質系サイディング
木材を使用した外壁材が木質系サイディングです。木材ならではのナチュラルな質感が特徴で、温もりを感じられる雰囲気になります。雨風にさらされると劣化しやすく、耐用年数は5~10年と短いことも頭に入れておきましょう。価格も高めで、塗装などのメンテナンスも含めてコストがかかります。コストや手間がかかっても、木の風合いを重視したい方におすすめです。
4.樹脂系サイディング
塩化ビニル樹脂を採用している外壁が樹脂系サイディングで、重さが窯業系サイディングの約10分の1というのが大きな特徴です。高い耐久性や耐候性も発揮し、寒さや酸性雨に強くひび割れしにくいのもメリットです。また、顔料を樹脂に練り込んであるため、再塗装が基本的に必要ありません。
ただし、樹脂は燃えやすく耐火性は劣るので要注意です。また、現在はデザインやカラーバリエーションもほかのサイディングと比べて少ないため選択肢が限られます。北米やカナダでは広く普及しているものの日本では施工業者が少ないと言われていますので、リフォーム会社に対応可能か確認しましょう。耐用年数は、およそ20~30年が目安になります。
5.モルタル
セメントや砂、水を混ぜた素材がモルタルです。網状の金物「ラス」の上から塗装して仕上げます。サイディングが普及する以前に主流だった素材ながら、独特の風合いは今でも人気です。また、モルタル壁はサイディングボードを張った際のつなぎ目もなく、シーリングの劣化を心配する必要もありません。波模様や型をくり抜くといった施工により、外壁を自由にデザインしやすいのも魅力です。
ただし、ひび割れしやすく、大きなひび割れが発生するとメンテナンスが必要になります。ひび割れが大きくなると雨水が浸入し、最悪の場合、構造部の腐食や雨漏りの原因になるため注意しなければなりません。また、汚れが目立ちやすいのもデメリット。モルタル自体の耐用年数は30年以上ありますが、塗り壁は10~20年で塗り替えが必要です。塗り替えは左官職人による手作業であり、費用もかかります。
6.タイル
薄い陶器製のタイルを壁に張り付けて仕上げる工法で、ガラスのような光沢が印象的な外壁になります。粘土を焼き固めた素材で硬く、耐久性に優れているのが特徴です。傷や摩耗に強く、紫外線による変色や褪色などによる経年劣化も見られません。水を吸収しにくい素材で雨の影響を受けにくく、汚れにくいのも魅力です。高級感もあり、各メーカーからさまざまなデザインのタイルが販売されています。耐用年数の目安がおよそ30~50年と、長持ちするのもメリットです。
ただし、外壁に張る工法で施工費用が高額になる傾向があります。また、施工不良やコーキングの劣化などによってタイルの裏側に水が浸入し、浮きや剥がれといったトラブルが発生する場合も。耐久性に優れているタイルとはいえ、定期的な点検やメンテナンスが不可欠な点に留意しておきましょう。
7.ALC
ALCとは「軽量気泡コンクリート」の英語(Autoclaved Lightweight aerated Concrete)の頭文字から取った言葉で、高温・高圧で蒸気養生されたコンクリートパネルです。耐火性や耐震性、断熱性などにおいて優れた性能を発揮し、外壁のほか屋根や床の材料としても使用されています。高い耐久性を備えており、耐用年数は60年以上です。
ただし、多孔構造で素材自体に耐水性はありません。防水機能がある塗料を使って仕上げないと、水を吸収して内部から外壁が崩れてしまう恐れがあります。一度水を吸水してしまうと、ひび割れや欠けによって劣化しやすくなりますので注意が必要です。
外壁材比較表
上記で解説した外壁材を一覧表にまとめました。特徴や費用の目安、耐用年数をチェックする際の参考にしてみてください。ただし、あくまで目安です。材料や面積、地域性などさまざまな条件によって変わる点に注意してください。実際の費用についてはリフォーム会社に具体的に相談し、見積りをもらいましょう。
外壁材の種類 | 特徴 | 1㎡単価 | 耐用年数 |
---|---|---|---|
窯業系サイディング | 低価格でデザインが豊富 | 3,400円~ | 20~30年 |
金属系サイディング | 軽くて耐震性に優れている | 4,300円~ | 20~30年 |
木質系サイディング | 温かみのある木の風合いが魅力 | 5,600円~ | 5~10年 |
樹脂系サイディング | 軽量でメンテナンスしやすい | 5,600円~ | 20~30年 |
モルタル | 高級感のある外観 | 4,000円~ | モルタル30年以上、塗り壁10~20年 |
タイル | 耐用年数が長く高級感がある | 9,000円~ | 30~50年 |
ALC | 耐用年数が長く断熱性に優れている | 6,400円~ | 60年以上 |
外壁材の選び方7つのポイント
外壁材にどのような種類があるのかわかったところで、選ぶ際に重要な以下7つのポイントを押さえておきましょう。
- 価格で選ぶ
- デザインで選ぶ
- 耐久性で選ぶ
- 耐震性で選ぶ
- 目的で選ぶ
- メンテナンス性で選ぶ
- 悪質な業者に注意しながら選ぶ
価格で選ぶ
予算内で外壁材を選ぶなら、価格をしっかり確認しておきましょう。ただし、機能性やメンテナンス性などを考慮して選ぶ必要があります。優れた機能性と低価格を両立している外壁材を選ぶなら、窯業系サイディングがおすすめです。安さを重視する場合は、金属系サイディングもチェックしてみてください。
デザインで選ぶ
見た目のデザインにこだわるなら、木質系サイディングやモルタルがおすすめです。木質系サイディングは独特のナチュラルな質感が魅力で、木の風合いが好みの方に適しています。モルタルは、世界に一つしかないオリジナリティのある外観を実現できるのが魅力です。
耐久性で選ぶ
外壁の耐久性が気になる場合は、耐用年数の長いタイルやALCがおすすめです。耐久性を重視しながら価格も抑えたいなら、樹脂系サイディングもチェックしてみましょう。
耐震性で選ぶ
大きな地震に備えたいなら、耐震性に優れた外壁材を選びましょう。金属系サイディングは軽量で耐震性が高く、大きな地震の揺れで壁が崩れるのを防ぐ効果を発揮します。
目的で選ぶ
外壁材の種類で迷っているなら、何を重視すべきか目的をはっきりさせましょう。価格を重視するのか、見た目の高級感にこだわるのかなどによって選ぶべき外壁材は異なります。外壁材は適切にメンテナンスすれば数10年交換しないわけですから、目的を明確にしたうえで後悔のない選択をしましょう。
メンテナンス性で選ぶ
外壁材によって、メンテナンスのしやすさは異なります。例えば、木の風合いが好みだからと木質系サイディングを選択したものの、メンテナンスが頻繁でランニングコストもかかって後悔するかもしれません。モルタルを選んだところメンテナンス不足でひび割れが発生し、内部の構造にまで水が浸入してしまうケースもあり得るでしょう。
初期費用が安くてもメンテナンス費用がかかってしまう場合がありますし、初期費用が高額でもメンテナンスがほとんど不要な外壁材もあります。どうしても初期費用に注目しがちですが、数年から数10年後のメンテナンスの手間や費用も考慮して外壁材を選ぶのが大切です。
悪質な業者に注意しながら選ぶ
外壁のリフォームを依頼したら、評判の悪い業者だったというケースがあります。見積りが安くて魅力的な提案であっても、しっかりと内容を吟味しながら検討しましょう。見積りの内容をチェックすると同時に、口コミや事例なども確認しながら信頼できる業者を選んでください。
まとめ
外壁材にはさまざまな種類があります。価格はもちろん、耐用年数やメンテナンス性も異なりますので、今回の内容を参考に外壁材を選んでみてください。
外壁リフォームを検討する際は、外壁施工の経験が豊富で信頼できるリフォーム会社に相談するのもおすすめです。ご要望に合った外壁材を紹介と、費用や工期を明確に提示してくれますので具体的に検討を進められるはずです。
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