省エネ・バリアフリーリフォームで利用できる補助金はどんなもの?
家庭での一層の省エネ推進による二酸化炭素の排出抑制、さらにバリアフリー化による在宅介護体制の充実は、いずれも国の重要な施策となっています。省エネについては2015年12月の国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)の合意を受け、温室効果ガスの削減をさらに進めることが国際的合意として取り決められました。
また、今後の介護体制の充実を図るためには、施設不足から在宅での介護体制の充実が大きなテーマになっています。
こうした事情から国では、リフォームの中でも、とくに省エネ・バリアフリー改修を進める工事に対して、補助金の支給や減税措置による支援を進めています。
自治体が進めるリフォーム補助金とは?
国の方針を受け、全国の各自治体でも、省エネ・バリアフリー改修へのさまざまな補助を実施しています。
その内容は、自治体独自の政策や財政的な事情などによってさまざまですが、一例として、横浜市における省エネルギー化工事に対する補助(住まいのエコリノベーション推進事業)の対象工事を見ると、次のようになっています。
・工事の対象
(1)窓・壁等の断熱化工事
(2)省エネ設備の設置
1.省エネ改修等
1−1.エネルギー改修工事
(概ね10%以上の省エネ率が見込まれる改修工事。サッシ、床、外壁、屋根、天井の断熱改修、設備改修工事)
1−2.HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム※1)の設置
2.ライフスタイル改修等
2−1.ライフスタイル対応改修工事
(間取り変更やバリアフリー改修、緑化・植樹などの環境配慮の取り組み)
・補助内容
省エネ改修等に要する工事費用の一部を補助(要する費用の3分の1)
(ただし上限金額:省エネ改修工事80万円/ライフスタイル対応改修工事40万円)
・対象住宅
市内に存する一戸建ての住宅、共同住宅及び長屋で耐震性能を有する建築物
(昭和56年6月1日以降に建築確認を得て着工したもの、または、現行の耐震基準に適
合させる改修工事が施工されているもの)
・その他の要件
工事金額(税込)が100万円以上の場合は市内事業者
上記の横浜市の場合では、補助要件が「昭和56年6月1日以降に建築確認を得て着工したもの」とされ、いわゆる新耐震基準以前の建物に適用されなくなっています。
また、補助件数は財政規模の大きい横浜市でも「30件程度」とされていることから、他の自治体の進める補助制度は非常に規模の小さいものということが伺えます。
いずれにしても、省エネ・バリアフリーのリフォーム工事を検討するときは、ぜひ自治体の補助制度をチェックしてください。なお、下記のサイトで各自治体の補助制度を調べることができます。
(参考:(一社)住宅リフォーム推進協議会 地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト http://www.j-reform.com/reform-support)
※家庭で管理するエネルギーのシステム
介護保険を使ったバリアフリーにも補助金
介護保険でも、人の手を介した介護サービスへの補助金支給に加えて、手すり設置など介護保険法に基づく住宅リフォーム(住宅改修)対しても補助金が支給されます。
「高齢者住宅改修費用助成制度」と呼ばれるもので、最大18万円が、介護保険から支払われます。
制度の概要は、次のようなものです。
・補助金の額 最大18万円(工事費用20万円の9割まで支給)
・補助要件等
要介護認定で「要支援・要介護」と認定されていること
改修する住宅の住所が被保険者証の住所と同一で、本人が実際に居住していること
・対象となる住宅改修の種類
手すりの取付け/段差の解消(玄関から道路までの屋外での工事も支給対象)/滑り
の防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更/引き戸等への扉の取替
え/洋式便器等への取替え/その他上記の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修
・支給額
最大支給額:支給限度基準額20万円の9割18万円
(要支援、要介護区分にかかわらず定額)
なお、支給を受けるには、工事前に申請手続きを行うことが必要です。また、ケアマネージャーが改修工事を必要とする理由書などを書かねばならず、まずはケアマネージャーと相談しましょう。補助金の支給は、工事が終了してからになり、申請書類などの他に、工事が実際に行われたことを示す写真なども揃えておく必要があります。
高効率給湯器など省エネリフォームで補助金
住宅の省エネ化の実現は、断熱・気密性能を高めて、外気の影響を受けにくくすることが基本です。
そのため屋根(天井)や壁に断熱材を厚く入れたり、窓を二重ガラスの高性能サッシに交換することが基本的な対策になります。
加えて、エネルギー効率のよい給湯機や再生エネルギーを活かしたさまざまな設備(太陽光発電システム、太陽熱利用給湯システム、家庭用燃料電池システム、定置用リチウムイオン蓄電システム、エネルギー管理システム、電気自動車充給電設備、地中熱ヒートポンプシステムなど)の導入によっても、家庭内で消費する一次エネルギー消費量を減らすことができます。各自治体では、断熱改修に加えて、こうした高効率設備の導入についても、補助金を支給しているところが多くあります。
例えば千葉市では、太陽光発電システム(出力kwあたり30,000円)、太陽熱利用給湯システム(自然循環式5万円、強制循環式10万円)、家庭用燃料電池システム(エネファーム)(10万円)、定置用リチウムイオン蓄電システム(10万円)、エネルギー管理システム(HEMS)(1万円)、電気自動車充給電設備(5万円)、地中熱ヒートポンプシステム(経費の10分の1、上限20万円)といった補助を行っています。
これらは、国の補助とは別に支給されるものなので、各自治体の補助を利用するにあたっては地元の自治体の制度内容をよく確かめてください。
*全国の登録事業者が表示されますので、お住まいのエリアに絞って検索ください。
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