使いやすいキッチンレイアウト・間取りとは?作業導線の考え方とコツを紹介!
掲載日:2022年12月5日
どのようなレイアウト・間取りにすれば効率が良く、使いやすいキッチンになるのかと考える方は多いのではないでしょうか。
キッチンは、食器棚、冷蔵庫、シンクなど、それぞれの箇所の位置と距離を意識し、適切な配置を考えることで使い心地を向上させることができます。
この記事では、作業動線に基づく使いやすいキッチンレイアウトの考え方やキッチンの種類別レイアウト、そして、使い心地を向上させるためのポイントを解説します。
使いやすいキッチンレイアウトを作るための基本
キッチンのレイアウトを決める際は、「どうすればキッチンでの作業が行いやすくなるか」を考えることが大切です。
以下は、使いやすいキッチンのレイアウトを作るための基本的な4つのポイントです。
1.理想的な作業動線「ワークトライアングル」を意識する
「ワークトライアングル」とは、キッチンにあるシンク、コンロ、冷蔵庫の3点を線で結ぶ三角形の動線のことです。ワークトライアングルにはそれぞれ最適な距離があり、長すぎても短すぎても使いやすいキッチンにはできないという特徴があります。
動線が長すぎると、調理や後片付けの際にキッチン内での無駄な移動が増えてしまいます。同様に、動線が短すぎると狭いスペースで作業しなければならなくなるため、かえって家事の効率が悪くなってしまいます。
動線が長すぎると、調理や後片付けの際にキッチン内での無駄な移動が増えてしまいます。同様に、動線が短すぎると狭いスペースで作業しなければならなくなるため、かえって家事の効率が悪くなってしまいます。
そのため、キッチンレイアウトを決める際は、ワークトライアングルに基づいているかどうかを確認しましょう。
各箇所に理想的とされるワークトライアングルは以下の通りです。
参考にしてみてください。
シンクからコンロまでの距離 | 120cm〜180cm |
シンクから冷蔵庫までの距離 | 120cm〜210cm |
コンロから冷蔵庫までの距離 | 120cm〜270cm |
2.余裕のある通路幅を確保する
使いやすいキッチンを実現するためには、余裕をもって移動ができ、作業に支障が出ない程度の通路幅を確保する必要があります。
キッチンの通路幅は、キッチンを使用する人数が何人なのかに注目して決めるのがポイントです。キッチンをひとりで使うことが多い場合は90〜95cm程度、複数人での作業やすれ違いが多い場合は120〜130cm程度の通路幅を確保することで、作業や移動が快適にできるキッチンを実現しやすいでしょう。
キッチンの通路幅は、キッチンを使用する人数が何人なのかに注目して決めるのがポイントです。キッチンをひとりで使うことが多い場合は90〜95cm程度、複数人での作業やすれ違いが多い場合は120〜130cm程度の通路幅を確保することで、作業や移動が快適にできるキッチンを実現しやすいでしょう。
3.収納の使いやすさを意識する
キッチンのレイアウトを考える際は、収納の使い勝手もみていきましょう。実際に調理や作業をする場面を想像し、食器棚や吊戸棚などの収納が使いやすいかどうかもセットでチェックすることで、より使いやすいキッチンにすることができます。
【使いやすい収納にするポイント】
4.キッチンの種類と特徴を考慮する
キッチンには様々な種類と型があり、それぞれの種類に応じてモノの配置のしやすさやレイアウトの課題が変わりやすいです。
例えば、U型キッチン(コの字型キッチン)であれば作業スペースは確保しやすい反面、通路の動線の確保が課題となるでしょう。
各キッチンの特徴を把握しておけば、それぞれのキッチンに何が必要なのかを把握しやすく、より使いやすいキッチンにできます。
そのため、キッチンのレイアウトを考える場合は、まずキッチンの種類や特徴について確認しておくことをおすすめします。
【種類別】キッチンレイアウトの特徴とポイント
次に、キッチンの種類ごとにレイアウト作りや動線設計のポイントを解説していきます。
I型キッチンのレイアウト
I型キッチンとはコンロ、シンク、ワークスペースが壁に沿って直線状に並ぶキッチンのレイアウトのことをいいます。コンパクトなスペースに設置しやすく、作業効率が良いキッチンなので、賃貸住宅のアパートやマンションで採用されることが多いです。
I型キッチンは横一直線にスペースを取るため、左右の動線が長くなりすぎることによる作業効率の低下に注意が必要です。
具体的な長さとしては、キッチンの端から端まで最大でも370cm以上距離がのびないようにし、可能であれば360cm程度まで縮められるのがベストでしょう。
また、ワゴンやラックなどを上手に活用することで、キッチンでの作業効率を落とさず適切な動線距離を保つこともできます。レイアウトの一工夫として導入してみましょう。
II型キッチンのレイアウト
II型キッチンとは、コンロとシンクがそれぞれ別々のキッチン台に平行の状態で並んでいるキッチンのことです。
料理と洗い物を別々のキッチン台で行えるので、動線距離を短く抑えつつもそれぞれの作業スペースを広く取ることができます。家族や友人など複数人で作業することが多い住宅におすすめです。II型キッチンのレイアウトを考える際は、コンロ、シンク、冷蔵庫の3つをそれぞれどのように設置するかがポイントとなります。
特に、「コンロとシンクをそれぞれ作業台のどのあたりに設置するのか」「冷蔵庫はコンロ側とシンク側どちらの近くに設置するのか」などを意識すると良いでしょう。
また、II型キッチンは構成上、使用時に振り返る動作が多くなります。そのため、コンロの真後ろにシンクを設置してしまうと、ふとした振り返りの際に調理中の鍋やフライパンの取っ手に腕をぶつけてしまう可能性があるため、設置の際は十分注意しましょう。
U型キッチンのレイアウト
U型キッチンは、コンロ、シンク、冷蔵庫を含むキッチンのスペースをU字型に配列するキッチンです。「コの字型キッチン」とも呼ばれます。作業スペースと収納スペースの両方を広く取れるだけでなく、作業効率が良いので、料理が好きな方に好まれやすいキッチンとして親しまれています。
U型キッチンは作業スペースが広い反面コーナー部分がデッドスペースになりやすいので、空きスペースを収納に活用するなど使い方を工夫する必要があるでしょう。
また、U型キッチンの通路は袋小路の形状になっているため、十分な通路幅を確保できないと動線が悪化してしまうことにも注意が必要です。
L型キッチンのレイアウト
L型キッチンは、コンロ、シンク、ワークスペースをL字型に配置するキッチンです。壁付けと対面式、双方のメリットを活かしたレイアウトが実現できるため、家族とコミュニケーションを取りながら料理や洗い物を済ませることができます。またリビングでくつろぐ家族に油がはねる心配もありません。
L型キッチンのレイアウトを考える際に重要なのは、コンロ近くのコーナー部分のスペースをどう使うかを考えることです。
コーナー部分を収納に利用するのか、作業スペースの一部として利用するのかで使用感が変わってくることに注意し、デッドスペースが生まれないよう工夫することが大切です。
また、L字型キッチンはI型キッチンと比べて設置のために広いスペースを必要とすることにも注意が必要です。
アイランド型キッチンのレイアウト
アイランド型キッチンは、キッチンのカウンターを壁に付けず、島のように独立させる形で設置するキッチンです。キッチン部分がリビングから見えやすくなっているので、室内にいる家族や友人などと対面して調理作業が行えるメリットがあります。また開放感があるため、複数人での作業もしやすいです。
レイアウトを考える際は、キッチンを設置する際に広めのスペースが必要になることに注意しましょう。
アイランド型キッチンは、複数人での作業に適したレイアウトのキッチンなので、他のキッチンよりもさらに広めのスペースを確保する必要があります。また、作業スペースや通路に開放感を持たせられるメリットを活かせるよう、収納にも工夫が必要となるでしょう。
なお、アイランド型キッチンの詳細は以下の記事で詳しく解説していますので、そちらも併せてご覧ください。
ペニンシュラ型キッチンのレイアウト
ペニンシュラ型キッチンは、アイランド型キッチンと同様、キッチンカウンターを独立した島に見立てるレイアウトのキッチンです。キッチンの片側が壁に接しているという点でアイランド型キッチンと区別されます。アイランド型キッチンと同様、調理をしながら室内にいる人とコミュニケーションを取りやすいメリットがあるだけでなく、油跳ねによる床汚れにも強い点が特徴的です。
ペニンシュラ型キッチンのレイアウトは、アイランド型キッチンと同様に収納が課題になりやすいです。特に、作業スペースに奥行きのあるものを設置してしまうと、ダイニング部分の作業スペースも狭くしてしまうことになります。カウンターの使い方には工夫が必要でしょう。
また、対面キッチンとしての構造上、煙や匂いが室内に充満しやすい点にも注意が必要です。
作業効率が上がる収納と家電設置のポイント
キッチンのレイアウトを使いやすくするためには、収納や家電の設置場所にも気を配り、作業効率が上がるようなレイアウトを考える必要があります。収納や家電の設置場所を含めてレイアウトを考えることで、より使いやすく快適なキッチンにすることができるでしょう。
ここでは、キッチンの作業効率を上げるための収納と家電設置のポイントについて4点紹介します。
1.使用頻度が高いモノは取り出しやすい場所に収納する
キッチンの収納を考える際は、使用頻度が高いモノから優先的に取り出しやすい場所に収納することをおすすめします。
例えば、フライパンを吊戸棚の一番上に収納してしまうと、使用するたびに吊戸棚の最上部から取り出したり、収納したりする動作が生まれ、何回も行うことで身体への負担が大きくなりますし、キッチンでの作業効率も下がってしまいます。
キッチンでの作業が効率良くできるように、毎日使う調理器具は取り出しやすい場所に収納するように心がけましょう。
2.冷蔵庫は調理や作業の邪魔にならない場所に設置する
冷蔵庫は調理中でないときにも使用する頻度が高いため、レイアウトや動線への影響が大きい家電のひとつです。
快適なキッチンレイアウトにするには、冷蔵庫を調理や作業の邪魔にならない場所に設置することが重要になります。例えば、ドアの開け閉めなどで通路が狭くなることを考え、冷蔵庫周辺のスペースにゆとりを持たせる必要があるでしょう。
また、シンクやコンロなど調理中に使用することが多い場所の近くに設置しないようにすることも大切です。それぞれに近すぎると調理スペースが狭くなるなどの支障が出やすいため、ワークトライアングルを適切に保った「近すぎず、遠すぎない距離」を意識してレイアウトを決めましょう。
3.背面収納やコンセントの増設も検討する
食器などを収納するスペースが足りない場合は、背面収納の導入や増設を視野に入れて、必要に応じて背面スペースへのコンセント増設も検討しましょう。キッチンのレイアウトを考える際、収納は優先度が低くなりやすい特徴があります。
食器類や調理器具の数が多い場合は使いやすい背面収納を導入し、使い勝手の良いキッチンにすると良いでしょう。
また、コンセントから近い場所に炊飯器や電子レンジなど使用頻度の高いキッチン家電を設置できない場合は、必要に応じてコンセントを増設することもおすすめです。
4.キッチンの施工実績が豊富なリフォーム会社からアドバイスをもらう
使用しているキッチンの型や、キッチンのスペースなどは住宅ごとに細かく異なるため、キッチンの最適なレイアウトは住宅ごとに変化しやすいです。
キッチンレイアウトを考える際は、自分だけで考えるよりもキッチンの施工実績や専門知識が豊富なリフォーム会社に相談し、アドバイスを聞きながら決めていくことをおすすめします。キッチンの施工実績が多いリフォーム会社なら、キッチンを快適に使用するためのアドバイスをもらえるので、参考にしながらキッチンレイアウトを考えることができるでしょう。
まとめ
今回は、作業動線に基づく使いやすいキッチンレイアウトの考え方やキッチンの種類別レイアウト、そして、使い心地を向上させるためのポイントをご紹介しました。
ご紹介した内容を参考に、コンロ、シンク、ワークスペースの3か所を結ぶ「ワークトライアングル」を意識するところから始め、使い勝手の良いキッチンレイアウトを考えていきましょう。
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