キッチンにコンセントは何個必要?増設のポイントや使い勝手の良い位置を解説
掲載日:2023年12月27日
便利なキッチン・調理家電が増え、「キッチンで料理をする際にコンセントをすべて使用している」、「延長コードや電源タップを用意しないと間に合わない」という方も少なくないのではないでしょうか。
実際に、「コンセントが足りなくてキッチン家電を思うように使えない」という声はよく聞かれます。
今回は、キッチンのコンセントにフォーカスして、便利に電化製品を使用するため、必要な数や位置について解説します。コンセントの増設をはじめ、より快適で使いやすいキッチン空間をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
キッチンにコンセントは何個必要?
キッチンにコンセントが何個必要なのかは、それぞれのご家庭によって異なります。コンセントを増設するには、キッチンの広さや家族構成、ライフスタイル、キッチン家電の数などを考慮し決めるのが重要です。一般的には4個から6個程度が不便を感じない目安と言われています。では、さらに詳しく解説していきましょう。
キッチンで使用している電化製品の数と同時使用タイミングが目安
キッチンにコンセントが何個必要なのかを知るために、まずは、キッチンで使用する電化製品の数を確認しましょう。同じタイミングで使用するキッチン家電や、未使用時も電源プラグを差したままにしておく電化製品の数をそれぞれ把握しておくのが重要です。例えば、以下に挙げたキッチン家電は同時に使用する可能性があります。
- 電子レンジ
- オーブントースター
- 炊飯器
- ホットプレート
- ミキサー・ジューサー
- 電気ポット
- 食洗機
- コーヒーメーカー
- IH調理器
そのほか、冷蔵庫のように常時作動させている電化製品もありますし、電子レンジや炊飯器のようにスイッチは切っていても、電源コードは常時コンセントを差したままにしておくのが一般的なキッチン家電もあります。同じタイミングでいくつのキッチン家電を使用するのかを想定しておかないと、コンセントが足りない事態を招いてしまいます。。最大で何個のコンセントが必要なのかチェックしておきましょう。
多めに設置しておくと安心
コンセントの数に迷ったら、多めに設置しておくと安心です。もし、増設後にさらに増やすことになると当然ながらイチから作業工数が発生しますので、費用がかかってしまいます。
また、家族構成やライフスタイルの変化によって、必要なコンセントの数が増える場合もあるでしょう。例えば、ウォーターサーバーやワインセラーを設置するなど、当初のリフォーム計画時には考えていなかった電化製品が増える可能性もあります。将来的に追加で増やすという発想ではなく、初めから多めに設置しておくのがおすすめです。
延長コードや電源タップの使用とタコ足配線は危険
コンセントの数が足りなくて不便だからといって、延長コード、電源タップの使用やタコ足配線で間に合わせるのはとても危険です。一般的な家庭用コンセントで同時に使用できる電気容量は、コンセント1カ所あたり1,500Wまでとなっています。延長コードの使用やタコ足配線によって同時に使用する家電が増えすぎるとブレーカーが落ちやすくなるほか、発火して火災の原因になる恐れもあります。
また、延長コードの使用やタコ足配線のコンセント廻りにはホコリが溜まりがちです。ホコリが原因で発火する「トラッキング現象」によって火災につながることもありますので、注意が必要です。特に、キッチンで使用する電子レンジや炊飯器、オーブントースターなど消費電力が大きい家電は、延長コードの使用やタコ足配線はやめましょう。
キッチン家電のおもな最大消費電力の目安は、以下の表を参考にしてみてください。
キッチン家電の種類 | 最大消費電力の目安 |
---|---|
電子レンジ | 最大約1,400W |
オーブントースター | 最大約1,500W |
炊飯器 | 最大約1,400W |
ホットプレート | 最大約1,400W |
ミキサー・ジューサー | 最大約400W |
電気ポット | 最大約1,300W |
食洗機 | 最大約800W |
コーヒーメーカー | 最大約650W |
キッチンのコンセントを増設する方法
キッチンのコンセントを増設するには、大きく分けて以下3つの方法があります。
1. 差込口を増やす
2. 分岐させる
3. 新しく電線を引く
では、それぞれ詳しく解説していきます。
では、それぞれ詳しく解説していきます。
1. 差込口を増やす
2口コンセントを4口に増やす方法があります。開口部を大きくするだけで交換でき、工事費用を抑えられるのがメリットです。ただし、4口合わせて1,500Wを超えると機器の故障や発火の恐れがあります。消費電力が小さいキッチン家電を複数使用する目的ならば、この方法でも問題ないでしょう。
2. 分岐させる
既存のコンセントから分岐させて、新しいコンセントを増設する方法があります。コンセントから新しい電線を伸ばして増設する仕組みで、延長コード不要で電源プラグを接続可能です。ただし、配線距離が短いほど工事費を抑えられるメリットがあるものの、延長コードと同様に消費電力の容量オーバーに注意しなければなりません。
3. 新しく電線を引く
分電盤から新しく電線を引くと、独立した回路を増設できます。差込口を増やす方法や分岐させる方法と異なり、消費電力の大きいキッチン家電を安心して使えるのがメリットです。ただし、分岐ブレーカーを増設するスペースを確保できないと、分電盤の交換が必要になります。新しく電線を引く際は、分電盤に専用のブレーカーを設置できる状況なのか、リフォーム会社に確認してもらいましょう。
キッチンで使い勝手の良いコンセントの位置
キッチンにコンセントを増やす際は、口数に加えて設置する位置もしっかり検討しましょう。以下では、キッチンで使い勝手の良いコンセントの位置を紹介します。
家電の置き場所に設置
電子レンジや炊飯器などの動かさないキッチン家電のためのコンセントは、置き場所の近くに設置しましょう。置き場所とコンセントの位置が離れてしまうと長い電源コードが邪魔になりますし、引っ掛けてトラブルになる場合があります。複数のキッチン家電をそれぞれどの場所に置くのか、あらかじめ決めてからコンセントの位置を検討しましょう。
家電の使用場所に設置
ミキサーやフードプロセッサーなど使用後に収納するキッチン家電のためのコンセントは、使う場所に設置しましょう。複数のキッチン家電を同時に使うなら、使用する数に合わせてコンセントの数を検討してください。後からキッチン家電が増えるケースも考慮して、多めに用意しておくと安心です。
キッチン家電の背面に設置
常時電源プラグを差したままの冷蔵庫や電子レンジなどのコンセントは、背面である壁に設置しましょう。その場合には高さにも留意してください。キッチン家電本体で各種コードが隠れて見た目がすっきりしますし、引っ掛けるリスクが低くなります。
カウンターテーブル周りに設置
対面キッチンでカウンターテーブルがあるなら、その近くにコンセントがあると便利です。テーブルで電気ケトルやジューサーを使用したり、さらに携帯電話を充電したり、お子さんがパソコンやタブレットを使いながら勉強したりする場合にも便利です。
キッチンにコンセントを増設する際に押さえておきたい6つのポイント
コンセントの数や位置の決め方がわかったところで、増設する際に注意すべき6つのポイントを押さえていきましょう。
1. 低い位置のコンセントは抜き差しが多いと負担になるかも
常時差したままでなく使用のたびに電源コードを抜き差しするキッチン家電のためのコンセント増設は、その位置にしっかり気を配りましょう。理由は、床付近や低い位置に設けたコンセントは、抜き差しをするたびに腰や背中、足に負担がかかってしまいがちだからです。また、お子さんやペットが電源コードに足を引っ掛ける心配もありますので、抜き差しが多いキッチン家電を使う場合は腰から上の位置が良いでしょう。またマグネットコンセントの使用もおすすめです。マグネットコンセントは、プラグがマグネットで吸着する仕組みで、足を引っ掛けてもプラグが簡単に外れるので、コンセントのコードにつまずくリスクを軽減できます。
2.食卓周りにもコンセントを設置する
キッチン周りだけでなく、食卓付近にも忘れずにコンセントを設置しましょう。食卓にホットプレートを出して食事を楽しむような場面で役立ちます。食卓からキッチンまで距離があって電源コードが長くなると、引っ掛けてしまう可能性があり危険です。
3.家具やキッチン家電の大きさを確認しておく
コンセントの位置を決める際は、家具やキッチン家電の大きさも確認しておきましょう。特に、リフォームに併せて冷蔵庫や食器棚を買い替える場合、サイズが大きすぎるとコンセントを差しづらくなるケースがあります。
4.水回りはアース付きコンセントで感電対策を徹底する
キッチンにコンセントを増設する際は、アース付きコンセントを選択するのがおすすめです。アース付きコンセントは漏電防止に役立つコンセントで、万一水が跳ねてコンセントにかかってしまった場合の感電を防げます。併せて、基本的に水回りやコンロ付近にはコンセントの増設が難しい点にも留意しておきましょう。
5.無資格のDIYはNG!
コンセントの設置には、「電気工事士」の資格が必要です。資格なしで増設工事をおこなうと罰則の対象になります。よって、コンセントの増設はDIYではおこなえません。
6.信頼できるリフォーム会社に依頼する
コンセントの増設工事は、電気工事士の資格を持つプロのリフォーム会社に相談しましょう。工事費用の安い業者に頼んだところ、キッチンに隣接する部屋の電気系統に不具合が発生したというケースもあります。これまでの実績や経験はもちろん、アフターケアも含めてしっかりと対応してくれるリフォーム会社に依頼するのがおすすめです。
まとめ
キッチン周りにコンセントが少ないと、同時に複数のキッチン家電を使用したい際にとても不便です。コンセントのベストな数や位置は、住宅のさまざまな状況や家族それぞれのライフスタイルによっても異なります。本記事を参考に、経験豊富で信頼できるリフォーム会社に相談しながら進めていきましょう。
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◆記事監修
一般財団法人 住まいづくりナビセンター 理事・事務局長
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青木 千枝子
一級建築士。東京都出身。大学院での研究テーマは“楽しく歩けるまちづくり”。組織設計事務所にて、マンションリフォームから飛行機の格納庫まで、多様な規模や用途の設計に携わり、その後独立。平成13年4月より「住まいのナビゲーター」として住まい手のサポートをスタート、現在に至る。最近子育てが一段落し、心置きなく趣味を楽しめるようになった。
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