トイレと洗面所が一緒の間取りのメリット・デメリットは?簡単に仕切る方法も紹介
掲載日:2023年6月23日
新築やリフォームで間取りを考えている方の中には、「トイレと洗面所を一緒にするのはどうだろう。便利かな?」と、悩んでいる方もいるのではないでしょうか?トイレと洗面所が一緒の間取りにはメリットがある一方、デメリットもあります。それぞれを理解した上で、自分や家族に使い勝手が良いのかを考慮して検討しましょう。
今回は、トイレと洗面所を一緒の間取りにした際のメリットとデメリットを解説します。併せて、トイレと洗面所スペースを仕切る方法や事例も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
トイレと洗面所が一緒の間取りのメリット
トイレと洗面所を一緒の間取りにした場合、以下のようなメリットがあります。
・すぐ手洗いできる
・同時に掃除できる
・部屋を広々と使える
・バリアフリー対策になる
・デザイン性を高められる
・大きな窓を設置しやすい
では、それぞれ詳しく解説します。
すぐ手洗いできる
トイレと洗面所を一緒にすると導線が短くなり、トイレの後にすぐ手を洗えるなどの利便性の高さがメリットの1つです。トイレと洗面所が別になっていると見栄えはよいものの、特にこだわりがなければ一緒の間取りも検討してみましょう。
同時に掃除できる
トイレと洗面所が一緒なら一度に掃除機をかけたり、拭き掃除も1回で済ませられたりなどお手入れする際に便利です。トイレと洗面所が別々で離れているケースと異なり、掃除にかける時間や手間を減らせます。
部屋を広々と使える
トイレと洗面所を一緒にした間取りは、水回りをコンパクトに設計できます。部屋全体に占めるトイレと洗面所の割合を減らせば、その他スペースが広くなることを意味します。別々に設けると壁や扉も必要になります。特にトイレと洗面所を別々にしたいこだわりがないなら、有効的なスペースを作り出せるでしょう。
バリアフリー対策になる
トイレと洗面所が一緒の間取りなら、トイレから洗面所への移動が不要でバリアフリー対策になります。別々だとドアの開け閉めなどもあり、ご高齢の方の負担になる場合があるのです。導線の段差を減らせるのもメリット。お年寄りの方はほんの少しの段差につまずいてしまう心配もあるので、トイレと洗面所を一緒にすればスムーズに移動しやすくなります。
また、介護が必要なら広い空間のほうが便利です。トイレと洗面所の個々のスペースが狭い場合、一緒に入って介護できない可能性があります。
デザイン性を高められる
トイレと洗面所を一緒の間取りにすると、デザインの幅が広がります。仕切りに透明ガラスを使用するなど、デザイン性を高められるのです。例えば、ガラスの向こうにタイル張りの壁が見えるといった、おしゃれなデザインも実現可能。バスとトイレ、洗面台を一列に配列してスタイリッシュな空間を演出するなど、デザイン性を高められます。
大きな窓を設置しやすい
トイレと洗面所を別々にすると個々のスペースが狭く、大きな窓を設置できない場合があります。トイレと洗面所を一緒にすれば、レイアウトによっては大きな窓を設置しやすいのがメリットです。換気がしやすく日差しもたっぷり差し込んで、サニタリー空間を明るくする効果もあります。
開放感のある空間を演出したいのであれば、トイレと洗面所を一緒にする設計を検討してみましょう。
トイレと洗面所が一緒の間取りのデメリット
トイレと洗面所を一緒の間取りにすると多くのメリットがある一方、以下のようなデメリットもあります。メリットとデメリットのポイントを押さえた上で、どちらが家庭の事情に適しているのか検討しましょう。
・衛生面が気になる
・ニオイが気になる
・バスマットやトイレマットの置き場に困る
・家族が多いと使いにくい
・来客時に困る
・洗面台が曇る
衛生面が気になる
トイレと洗面所が一緒の間取りだと、どうしても衛生面が気になる場合があります。普段からしっかりと掃除しておけば問題ないものの、トイレが一緒なのでイメージ的に気になってしまうかもしれません。気になる場合は、日頃からこまめに掃除して清潔な状態を保つように心掛けましょう。
ニオイが気になる
衛生面に不安を感じると同時に、トイレが一緒なぶんニオイが気になる場合があります。特に、トイレを使った後に他の人が洗面所を使うシチュエーションを考えると、不安を覚えるのではないでしょうか。気になるなら、消臭スプレーや芳香剤などの「香りアイテム」を活用しましょう。
バスマットやトイレマットの置き場に困る
トイレと洗面所を一緒にした場合、広さやレイアウトによってはバスマットやトイレマットの置き場に困るケースがあります。特に、バスマットとトイレマットの両方を置くと被ってしまう場合も。また、脱衣所を兼ねていると、衣類やタオルなどを置きにくくなる場合があります。
家族が多いと使いにくい
トイレと洗面所が一緒だと、誰かがトイレを使用している時に洗面所を使ったり、お風呂に入ったりできなくなります。特に、家族の人数が多いほど困るケースが増える点に留意しておきましょう。
来客時に困る
家族が多いと使いにくいのと同様に、来客時に困る場合があります。誰かが洗面所を使用していればトイレを使用できませんし、脱衣所を兼ねていればシャワーも使えないでしょう。
洗面台が曇る
トイレと洗面所、お風呂が一緒になっている場合、お風呂に入った直後は湯気で洗面台の鏡が曇ってしまいます。すぐに髪を乾かしたい場面では、不便に感じるかもしれません。気になる場合は、新築やリフォーム時に曇り止め機能を搭載した洗面台の設置を検討しましょう。ただし、スイッチを入れてすぐに曇りが取れるわけではなく、ある程度の時間を要します。
トイレと洗面所スペースを仕切る3つの方法
トイレと洗面所を一緒の間取りにする際、うまく仕切れば上記で説明したようなデメリットを軽減できる場合があります。トイレと洗面所スペースを仕切るには以下3つの方法があるので、状況や好みに合わせて活用しましょう。
パーテーションを設置して仕切る
パーテーションとは、置き型タイプの仕切りです。事務所や店舗で活用されており、トイレと洗面所スペースの仕切りとしても利用できます。大きすぎると邪魔になるので、小さめのスクリーンタイプで真っ直ぐなパーテーションがおすすめです。
シャワーカーテンを設置して仕切る
シャワーカーテンは、トイレとお風呂場が一緒のユニットバスで使用されています。開け閉めでき、状況に合わせて使えるので便利です。ただし、天井にレールを設置する必要があり、後付けすると作業が大変な場合も。シャワーカーテンで仕切るなら、新築やリフォーム時にあらかじめレールを設置しておくのがおすすめです。
ロールスクリーンを設置して仕切る
ロールスクリーンとは、天井から吊す巻き取り式カーテンです。キッチンやリビングを仕切る際に使用される場合が多いものの、トイレと洗面所スペースを仕切るのにも利用できます。シャワーカーテン同じく天井に設置するので、後付けする際は穴開け作業が必要です。
トイレと洗面所が一緒の間取りに適した仕切りの選び方 3つのポイント
利便性を重視してトイレと洗面所を一緒にしたい場合、間取りに適した仕切りを選ぶのが重要です。
選ぶ際は以下3つのポイントを押さえておきましょう。
選ぶ際は以下3つのポイントを押さえておきましょう。
① 寸法をチェック
トイレと洗面所の仕切りを選ぶ際は、まず設置スペースの寸法を確認しておきましょう。メジャーを使って幅や奥行き、高さを測ります。測定した寸法を元にシャワーカーテンやパーテーションの形状なども考慮して、なるべくスペースにぴったりな仕切りを選びましょう。
また、コンパクトな状態にできないパーテーションの場合、搬入できるのかも要チェックです。ドアから入らないと設置できないので、搬入経路も合わせて測定しておくのがおすすめです。
② 防水・防汚加工をチェック
トイレや洗面台などの水回りは湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい環境です。清潔な状態を保つためにも、防水・防汚仕様の仕切りなのかをチェックしておきましょう。特殊なコーティングを施していれば、汚れが付着しても拭き取りやすくお手入れが簡単です。
③ デザインをチェック
トイレと洗面所スペースは生活感が出やすいので、インテリアやスペースの雰囲気に合ったデザインの仕切りを選びましょう。清潔感のある雰囲気が好みなら、淡いカラーの仕切りがぴったり。北欧デザインは、おしゃれな空間を演出したい場合に適しています。ナチュラルな雰囲気にしたいなら、木目調デザインのパーテーションもおすすめです。
トイレと洗面所が同じ空間内にあるリフォーム事例紹介
トイレと洗面を合わせた上質空間|株式会社 アレックスの施工事例
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フローティングデザインのトイレを採用し、広がりのある空間を演出しています。間接照明も活用して、清潔感のある上質な空間に仕上げているのが特徴です。壁面に調湿・脱臭効果を発揮する「エコカラット」を施工していることもポイント。トイレと洗面所を一緒にした間取りで気になる、湿気とニオイのデメリットを見事に克服しています。
まとめ
最後に、トイレと洗面所を一緒にした間取りのメリットとデメリットをおさらいしておきましょう。
トイレと洗面所を一緒にした間取りのメリットは以下です。
・すぐ手洗いできる
・同時に掃除できる
・部屋を広々と使える
・バリアフリー対策になる
・デザイン性を高められる
・大きな窓を設置しやすい
トイレと洗面所を一緒にした間取りのデメリットは以下です。
・衛生面が気になる
・ニオイが気になる
・バスマットやトイレマットの置き場に困る
・家族が多いと使いにくい
・来客時に困る
・洗面台が曇る
トイレと洗面所を一緒にすると空間を広くしたり、デザイン性を高められたりなど多くのメリットがあります。一方で、衛生面の不安や来客時に困るなどのデメリットもあるので、メリットとデメリットをしっかり把握した上で検討しましょう。
仕切り方法や収納場所について悩んだ際はリフォーム会社に相談するのもおすすめです。プロ視点での意見や提案をしてくれるので、ぜひ一度問い合わせてみましょう。
◆記事監修
一般財団法人住まいづくりナビセンター 専務理事
河田 崇
河田 崇
元 独立行政法人 住宅金融支援機構 部長
工務店向けの省エネ基準解説書や木造住宅工事仕様書の作成などに従事
マンション管理士 建築基準適合判定資格者 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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