お施主様が家づくりを考え始めたのは子供の出産を機に、夏暑い、冬寒い、賃貸住宅に住みながら過ごすより、家賃と同じ程度の資金で持ち家を計画出来たらよいとの思いで始まりました。アイランドキッチン、パントリー、水回りが効率よく、プラン、天井の高さ、太陽光発電等、総予算の範囲内での提案を希望されていました。生活動線はシンプルに、子供が帰ってきても直ぐにお風呂場に直行できる間取り、卓越風・昼光利用・断熱・夏の日射対策など、自立循環型住宅設計手法を採用しました。ご夫妻が結婚される前、出かけた浜辺で拾ってきた流木は、お祝い事の際によく眺めていたという思い出の品、住まいの装飾として鴨居の上と階段上の飾りとして採用しました。幸せな家族の思い出が追加されました。建築材料のこだわりとして認証かごしま材を多く使用しました。柱梁は杉8寸角を利用しながら耐力壁としても工夫。トイレ以外はすべて引戸にすることで、自然風を取り入れ、日中は照明をつけなくても明るい快適な家にしました。

築38年以上経った平屋を、家族6人で暮らすためにリノベーション。溢れる荷物を収納するため廊下だった所もたっぷりの収納スペースにして収納力を向上。

狭くて暗い印象だった台所の壁を取り除いて大きな16帖のLDKにした。天井は吹き抜けにして台所に光を導くためトップライトを設けた。快適に過ごせるように天井と床に断熱材を設置。

一部の部屋を除いて外窓はアルミ樹脂複合サッシ複層ガラスに交換し、温熱環境の向上を図った他、便所、洗面、浴室も全て刷新した。

鹿児島市の耐震診断・補強補助制度を活用し耐震診断を実施。新耐震基準以前の建物に適切に耐震補強を施し、IW値（上部構造評点）は診断時0.21だったのが施工後は1.17（耐震性有りは1.0以上）になり安全性・耐久性の向上に寄与した

鹿児島市の中間検査,及びリフォーム瑕疵保険の検査も実施しているので施主としても安心だ。

当初のお施主様の希望は、耐震補強と屋根・壁、そして水廻りと床の改装工事でした。他社様に依頼された際には建て替えを提案されましたが、思い出の詰まった家をなんとか残してリフォームしたいという気持ちにお応えしたく、ご希望に沿えるご提案をさせて頂きました。リフォームだけど新築並に快適になるよう、そしてお施主様が納得できるよう綿密に打合せを重ねて設計を致しました。古い家、特に昭和56年以前の旧耐震基準に建てられた家は耐震的に弱い家が多く、こちらのお宅も綿密な調査と耐震診断（有資格者）の結果、耐震補強を要するお宅でした。近年国や市が既存住宅の耐震化を推し進めており補助制度もあったので活用のご提案と共に、国交省の長期優良住宅化リフォーム推進事業にも採択され、質の高いリフォームを行いながら補助金も活用できました。
 それから居住性の面でも一年を通して快適に過ごせるよう、風の通りや採光に配慮した鹿児島型エコ・リノベーションとし、現代基準の新築と同じ断熱材を壁・天井・床下に入れ、窓は全て複層ガラスに交換しました。加えて床材には杉やヒノキの無垢材のフローリングを張り、空気は快適に、直接肌に触れる床はサラサラと気持ち良くなりました。
内装では、壁紙は新しくしましたが天井にはあちこちに元からあった梁 がその姿のままあったり、大きな梁をランマ代わりに壁にはめ込んだり、昔の家の記憶が家族を優しく見守ります。