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更新日:2021年10月14日

浴室塗装とは?塗装前に知っておきたいポイントや注意点を徹底解説

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経年劣化が気になる、カビの繁殖を抑えたいなどの理由から、浴室のリフォームを考えている方は多いのではないでしょうか。

浴室のリフォームには、浴槽の買い替え・交換や浴室全体のリフォーム以外に浴室塗装という方法があります。安い費用かつ短期間で作業が完了すると考えられることが多いため、浴室塗装を検討する方も多いでしょう。

しかし、浴室塗装の際は素材の特徴や防水性を考え、それぞれの住宅に合った適切な方法を調べたうえで慎重かつ丁寧に行う必要があります。

今回は、浴室塗装を行う前に知っておきたいポイントや、浴室塗装のメリット・デメリットについて解説します。

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浴室塗装とは?

浴室塗装とは、経年劣化がみられるバスタブや壁、床などを再塗装することで、見た目を綺麗に整えることを指します。

ユニットバスは抗菌性の高いものも多いですが、目に見えないレベルの水垢が溜まっていく、浴槽や壁などに小さな傷がついてそこからカビが繁殖していくなどで、抗菌性が低下したり、劣化が進んでいくケースは少なくありません。

また、ユニットバスの機能に不満や問題はなく、あくまで気になるのは塗装の劣化のみであり、浴室全体の大規模なリフォームは必要性を感じないという方も多いです。

そういったケースの場合、新しいユニットバスを交換することよりも、経年劣化した浴室をきれいな状態に戻す浴室塗装を選ぶ方もいます。

浴室塗装が適しているケースとは?

浴室塗装には、カビが繁殖しやすくなった、水垢が溜まりやすくなったなどの問題を塗装のみで解決でき、使用中のユニットバスをきれいな状態に戻せるため、ユニットバス交換ほどの費用を必要としないケースが多いです。

ユニットバスの買い替えと比較すると3分の1~5分の1程度の費用に抑えられるケースもあるため、「浴室のリフォームにかけられる予算は少ないが、それでもお風呂をきれいで清潔な状態に戻したい」という場合には、浴室塗装の方がコストパフォーマンスに優れる場合もあるでしょう。

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浴室塗装とユニットバス交換の違い

浴室塗装はユニットバスの交換とは違い、基本的に今ある浴槽や浴室の塗装に上塗りをする作業のみとなります。浴室そのものを新しくできるものではありませんので、注意しましょう。

浴室塗装は、あくまで「まだユニットバスの交換を行う時期ではないが壁や天井をもう少し保たせるための手段」であることを理解しておくことが重要です。

浴室塗装で行う作業については、下地処理と塗装を行います。期間は2〜3日くらいを考えておきましょう。

対してユニットバスを交換する場合は、一度浴室を解体して、新しい浴室の部品を組み立てるため、作業は最短でも3〜5日ほどかかる場合が多いです。

ただし、具体的な施工期間は住宅や浴室環境の状況、見積りを行うリフォーム業者によって変動するため、必ず見積りや施工を担当するリフォーム業者に確認するようにしましょう。

浴室塗装のメリット

浴室塗装を行うことによるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

メリットになるポイントをまとめてみました。

新品と同様の見た目にできる

浴室の塗装を行うことで、新品同様の浴室の見た目を取り戻すことができます。

お風呂を使用することで、壁や床などの塗装は少しずつ薄れてしまいます。浴室塗装を行うことで、新品同様の新しい壁や床を取り戻すことができます。

ユニットバスの交換や浴室全体のリフォームと比較して費用が安く済みやすいこともメリットとして挙げられるでしょう。

浴室全体の汚れを改善できる

お風呂を使用し続けると、小さな汚れが溜まり、新品の時よりも色がくすんできたり、塗装が剥がれてきたりします。

浴室塗装は、浴槽、壁、床など浴室全体を塗装するため、既についてしまった汚れや剥がれを隠すことができます。また、可能な範囲内で抗菌性なども取り戻すことができるでしょう。

ただし、もとの浴室以上に菌、カビ、汚れに強い状態にすることはできないため、注意しましょう。

自分好みのデザインにしやすい

浴室塗装は、必ずしも元のデザインに戻す必要はありません。塗装工事の際に、壁や床などを自分好みの色合いに変えることもできます。

浴室の壁や床は一般的には白のものが多いですが、自分好みの色に塗り替えて、浴室全体の雰囲気を大きくアレンジすることができるでしょう。

お風呂の雰囲気やデザインを安い費用で変えたいという場合にも、浴室塗装は有効な手段といえます。

廃材や騒音が少ない

ユニットバスを交換するリフォームを行うと、これまで使ってきた浴室のパーツは廃棄することになります。

また、ユニットバスを取り壊す際に工具を使い大掛かりな作業を行うので、一時的に騒音が発生する場合もあるでしょう。

浴室塗装では、これまで使用してきたお風呂に塗装を上塗りする作業が中心となり、浴室の取り壊しやユニットバスの交換作業は行わないケースがほとんどです。

そのため、廃材も発生せず、作業音もユニットバス交換よりは小さくなりやすいです。

浴室塗装のデメリット

お風呂の内装を新品同様にできる、コストパフォーマンスに優れるなどのメリットも多い浴室塗装ですが、デメリットはあるのでしょうか。

浴室塗装を行ううえでのデメリットをまとめてみました。

浴室塗装ができない場合がある

浴室に使用している素材によっては、浴室塗装の作業自体ができない場合があるので注意しましょう。

浴室塗装が可能な素材と不可能な素材は、大まかに以下の表のとおりです。

浴室塗装が可能な素材の例
 
  • FRP
  •  
  • 人工大理石
  • ホーロー
  • 浴室塗装が不可能な素材の例
     
  • ステンレス
  •  
  • モルタル
  • なお、ホーローや人工大理石のものに関しては、塗装に対応できる業者が限られる傾向にあります。

    浴室塗装をリフォーム業者に依頼する際は、見積りなどの前に対応可能かどうかを確認しておくとやり取りがスムーズに進むでしょう。

    また、多くの浴室の壁や床はFRP、人工大理石のものが多いですが、パーツごとに素材が別のものを使用しているユニットバスもあります。その場合もリフォーム業者に相談し、アドバイスをもらうと良いでしょう。

    設備や機能の改善はできない

    今までのものとは違う新しい設備や機能を浴室に追加したい場合は、浴室塗装ではなくユニットバスの交換が必要となるので、注意しましょう。

    浴室塗装によって得られる効果は、壁・床・天井・浴槽の見た目を新しくし、傷を埋めることです。

    あくまで見た目と新品同様に整える、細かな傷や汚れ、剥がれなどを隠す、カビの繁殖を防ぐなどの目的で行われる工事なので、浴室の機能や設備はこれまでのものと同様になります。

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    浴室塗装はDIYでできる?

    「塗るだけの作業で十分」と考えて浴室塗装をDIYで済ませようとする人も少なくありません。しかし、浴室塗装は高度な専門知識と経験をふまえた難易度の高い作業が必要になります。DIYで浴室塗装を済ませるのは止めた方が良いでしょう。

    たとえば、浴室塗装を行う前には、下地を整えてからプライマーという下地塗料を塗ってから本塗装を行います。本塗装を行ったあとも、表面を磨いて凹凸をなくす作業を行います。

    こうした作業は、専門的な技術と経験が特に必要となります。浴室塗装未経験の方や経験の浅い業者では、決して十分な対処ができないでしょう。

    そのため、浴室塗装を行う場合はDIYで済ませようとせず、リフォーム業者に浴室のリフォームについて相談し、浴室塗装ができるかどうかを判断してもらうことをおすすめします。

    浴室塗装を行うときのポイント

    浴室塗装をリフォーム業者に依頼する際には、どのようなことに気をつければよいでしょうか。

    ここでは、実際にリフォーム業者に浴室塗装を任せる場合に気をつけておくべきポイントを解説します。

    お風呂が使えなくなる期間に注意する

    浴室塗装作業後、しばらくの間はお風呂が使えなくなります。リフォーム作業前に、どれくらいの期間お風呂が使えなくなるのかをリフォーム業者にしっかり確認しておきましょう。

    浴室塗装工事は通常2〜4日かかるケースが多いですが、担当するリフォーム業者や、浴室の具体的な塗装範囲によっても工期は異なります。

    浴室塗装が必ず4日以内に終わる、ということは言い切れないため、リフォームにかかる日数は担当の業者に確認しておくことが必要です。

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    浴室塗装に強いリフォーム業者に依頼する

    浴室塗装を依頼する場合は、浴室塗装の施工実績が豊富なリフォーム業者に相談するのがおすすめです。

    具体的には、「浴室塗装に対応できるリフォーム業者」よりも「浴室塗装の実績が多く、ノウハウが豊富なリフォーム業者」の方が、より適切で信頼できるアドバイスをもらいやすいでしょう。

    リフォーム業者に見積りや工事を相談する場合は、その業者がどのような分野に強いのかを把握しておくことが重要です。

    浴室塗装を業者に依頼をする際には、浴室塗装の実績を多く持っている慣れた業者に任せるとよいでしょう。

    複数のリフォーム業者に見積りを依頼する

    浴室塗装が得意な業者を見つけたら、1社に見積りを行うだけではなく、多数の業者に相見積りを依頼しましょう。

    ひとつのリフォーム業者に絞って見積りを依頼すると、そのリフォーム業者の提示している金額が本当に適正金額なのかを把握することが難しくなってしまいます。

    リフォームには大まかな相場こそありますが、実際にかかる費用に関してはリフォーム業者によってバラバラなことが多いです。

    特に工事費用や手数料に関しては、業者によって請求金額が大きく異なることも少なくありません。見積りは複数の業者に依頼するようにしましょう。

    ユニットバスの交換も視野に入れる

    状態によっては、浴室塗装ではなく、ユニットバスの交換も視野に入れて浴室のリフォームを考えると良いでしょう。

    浴室塗装で得られる効果は、あくまで壁や床、天井とバスタブなどを再塗装することで見た目と本来の性能を取り戻すことです。

    ただし、蛇口や換気扇、扉など、他の機能にも劣化や老朽化が見られる場合、ただ塗装しなおすだけでは十分な浴室リフォームとは言えないでしょう。

    そのため、浴室塗装の見積りを取ってもらう際に、リフォーム業者にユニットバスの交換も行った方がいいのか、現在の浴室の状況を相談してみましょう。

    浴室の寿命は一般的に15年〜20年程度といわれていますが、この年数より早い段階で劣化が進む浴室も少なくありません。

    もし浴室の劣化が激しい場合は、最初から浴室塗装のみに選択肢を絞るのではなく、ユニットバスの交換も視野に入れておきましょう。

    まとめ

    今回は、浴室塗装についての基礎的な知識、メリット・デメリット、リフォーム業者に任せる際に気を付けるポイントについて解説しました。

    毎日使う浴室は他の箇所に比べて水分や湿気によるダメージを受けやすいため、慎重にリフォームの判断をしなければいけません。

    ご自身で浴室の状態を完璧に把握することは難易度が高いので、まずは専門的な知識と経験が豊富なリフォーム業者に相談してみるとよいでしょう。

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