
防犯
更新日:2025年02月18日
【あなたの家も狙われている?】 “防犯リフォーム”で家族の安心を守る!
掲載日:2025年2月18日

近年、犯罪の手口が進化しており、特にSNSを利用した新しいタイプの犯罪組織「トクリュウ」(匿名・流動型犯罪グループ)の存在が注目されています。 トクリュウとは、SNSや求人サイトを通じて人々を集め、犯罪を繰り返すグループです。 メンバーは、事件ごとに集まり、解散を繰り返すという特徴があり、特に匿名性の高い通信アプリを使うため、指示役などの中心人物の特定が難しくなっています。 特に、戸建て住宅をターゲットにした下見行為が報告されており、その手口や被害状況から考えても防犯対策は必要不可欠な時代となっています。

人通りが少ない場所や一軒家に住んでいると、空き巣や不審者の侵入リスクが高くなります。そこで、リフォームを通じて、防犯対策を強化することで、安全性を大きく向上させることができます。今回は、リフォームによって実現できる防犯対策のポイントについて、具体的に紹介いたします。

1. 玄関と窓の防犯強化
1-1. 「ツーロック+防犯カメラ」で機能をアップデート
空き巣の侵入経路として多いのは、窓ガラスを割って内部に侵入する手口や、ピッキングによって玄関ドアを開ける方法です。特に玄関ドアのセキュリティは重要であり、リフォームの際には、ツーロックドアの採用を基本としましょう。 複数のロックがかかっていることで、犯行を諦めさせる効果が期待できます。 さらに、ピッキング対策として、耐ピッキング性能の高い錠に交換することもおすすめします。
近年では、配線工事不要なバッテリー式で、インターホンと防犯カメラが一体となった商品も登場しています。 インターホンが押されるとスマートフォンに通知され、訪問者の顔を確認できるため、外出先からでも対応が可能で、留守を悟られにくくなります。

画像:防犯カメラの設置


1-2. 防犯合わせガラスで窓を強化
「窓」は侵入される場所の一つとして重要です。 空き巣は、ドライバーやハンマーで窓のガラスを破り、その隙間から手を入れてロックを開けて侵入してきます。 これを防ぐためには、防犯合わせガラスを使用することが効果的です。 防犯ガラスは、破壊しにくい構造であるため、侵入を防ぎやすくなります。 さらに、シャッターや面格子を取り付けることで、セキュリティが強化されます。 特に道路に面していない場所や、人目が少ない場所(トイレやサニタリーなど)には、面格子を設置することで防犯効果が高まります。 これらの対策は、既存の窓に後付けできるタイプも多く、リフォームの際に簡単に取り入れることができます。
画像:防犯ガラス窓の取り付け工事

画像:シャッターの取り付け
2. 防犯意識をアピールする
空き巣は犯行を実行する前に下見をして、周囲をよく観察しています。 そこで、防犯意識の高さを感じさせることも重要な対策です。 例えば、道路から見通しが良いように低いフェンスを設置することで、周囲からの視線が気になるようにして、犯行を思いとどまらせるようにします。 また、建物の周りに砂利を敷くことで、人が歩く音が周囲に響き、犯人が近づきにくくなる効果もあります。 さらに、人感センサー付きの照明を設置すると、夜間に不審者が近づいた時に自動で点灯し、犯行を抑制する効果が期待できます。
これらの「見えて、聞こえる防犯」を取り入れることで、空き巣に対して「この家はリスクが高い」と感じさせることができます。
3. マンションの防犯対策
マンションの場合、「オートロックがあるし、管理人さんもいるから大丈夫!」そう思っている方も多いのではないでしょうか。 しかし、マンションだからといって油断するのは禁物です! 実際、オートロック付きや管理人が常駐しているマンションでも、防犯意識が薄れがちであることが多いのが現状です。特に低層階や高層階では、意外な侵入経路が存在します。 低層階では直接、窓からの侵入が危険ですし、高層階でも、外部から堂々と玄関を開けられることがあります。
3-1. 低層階の窓は特に注意!
低層階の場合、ベランダから侵入されることが多いため、ベランダの窓やドアに防犯対策を施しましょう。 窓ガラスには防犯フィルムを貼り、割れにくくすることが有効です。 また、補助錠を設置することで、窓からの侵入をさらに防ぐことができます。
3-2. 高層階でも対策が必要
高層階に住んでいる場合も、玄関のサムターン回しに注意が必要です。特殊な工具でサムターンを回す手口に対しては、サムターンカバーを取り付けることで防ぐことができます。
マンションの場合、共用部分に関する規約があるため、リフォームを行う際は、マンションの管理規約や管理組合への確認を行うことが必要です。
4. 庭や外回りの対策
庭や外周りの環境にも、防犯対策を講じることができます。特に空き巣は、足場を利用して侵入することがあります。リフォーム時には、以下の点を意識してみましょう。
4-1. 砂利を敷く
アナログなやり方ですが、庭や外回りに音が出る砂利を敷くことで、不審者が近づくと音が響き、侵入を思いとどまらせることができ、防犯効果が高まります。
4-2.見通しを良くする
外構の植栽は、見通しを悪くしないように適切な剪定が必要です。枝葉が密集し、見通しが悪くなると侵入されやすくなります。
また、窓の近くに足場になるものを置かないように気をつけて、侵入しにくい環境を作ることが重要です。

4-3. 外灯の設置
人感センサー付きの外灯を設置することで、夜間に不審者が近づくと自動的に明るくなり、侵入を防ぐことができます。
5. フェンスとバルコニーのセキュリティ
5-1. フェンスの高さと構造
フェンスは、見通しの良い商品を選び、上階への足場にならないよう高さに注意しましょう。

5-2. バルコニーの対策
バルコニーには、格子状の柵を設置して、見通しの良い構造にしましょう。 また、バルコニーへの侵入を防ぐため、縦樋や手すりを使って上がれないようにすることも重要です。
まとめ
防犯リフォームは、住宅全体の防犯対策を強化する有効な手段です。窓やドアの防犯性能向上に加え、防犯意識を高める工夫を凝らすことで、空き巣、強盗の侵入を抑制できます。さらに、庭や外回りへの対策を組み合わせることで、トクリュウ等の犯罪グループを含む不審者の侵入リスクを軽減し、住まい全体の安全性を高めることが可能です。
リフォームをご検討の際は、これらのポイントを参考に、安全で安心できる住まいづくりを実現しましょう。
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◆執筆者 玉上陽一
ハウスメーカーで営業、商品開発、マーケティング、ブランディングに携わった経験を活かし、消費者視点と事業者視点の2つの視点で快適な住まいのあり方について解説します。
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