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断熱・省エネ

更新日:2024年12月05日

住まいの基礎知識!断熱性能がもたらす健康と快適性

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住まいの断熱性能を上げれば、冷暖房の効率が上がるだけでなく、健康にもプラスです。
断熱性の高さは大きな省エネ効果を発揮するだけではありません。
住まいの中の大きな温度差が解消できることからヒートショックの心配が減ると同時に、結露を抑えてカビの繁殖を抑え、住まいの長寿命化に貢献します。

断熱性は住まいが備えるべき基本性能

現在のわが家に「どんな種類の断熱材がどのくらいの厚さで使われているか」ということを知っている人はほとんどいません。それほど断熱は「工事店にお任せ」の状況です。しかし、壁や床、天井の断熱性能の高さは、構造上の強さや空気環境などと並んで、住まいの大切な基本性能の一つです。それは冷暖房効率に大きく影響するだけでなく、住む人の健康にも大きく影響します。

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ヒートショック予防に!断熱リフォームで健康的な暮らしを

「ヒートショック」という言葉を耳にされる方も多いと思います。暖かい部屋から寒い場所に移動すると、人は、体が冷えるのを防ごうと末端の血管を収縮させます。そうしなければ、大量の血液が末端で冷えて心臓に戻ることになって体が深部から冷え、最終的には生命維持にも支障を来すからです。ところが、血管が収縮すれば当然血圧が高くなります。血管が弱くなっている高齢者などは、それに耐えきれず脳卒中などを引き起こす可能性を高めます。これがヒートショックと呼ばれる現象です。

例えば、冬、暖房をしていないトイレや洗面所などは、外気温と同じくらいまで下がり、7、8℃になっていることが少なくありません。暖房しているリビングがもし24℃あるとすれば、その温度差は15℃以上もあることになります。それが「ヒートショック」の原因となります。

住まいの全室を空調により同じ温度にすることは費用も掛かり、なかなか難しいことですが、断熱性を高めることで、この部屋毎の気温の差を小さくすることができます。断熱性の向上は、ヒートショックを予防するという健康上の大きなメリットがあるのです。


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壁からの輻射熱がもたらす心地よさとは?

壁や床、天井の断熱性の向上は、住まいの内外の熱の移動を最小限にするだけでなく、壁からの輻射(放射)※を安定させ、住まいをより過ごしやすい環境に整えます。

“体感温度”という言葉を耳にしたことのある人は多いと思いますが、人が感じる暑さや寒さは、空気温度だけで決まるものではありません。それ以外の大きな要素に、周囲の壁や天井、床などからの輻射熱(放射熱)があります。大まかにいえば、人の体への影響は、空気温度が半分、周囲の壁の温度が半分といわれ、その2つの数字の平均が体感温度であるといわれています。たとえば、冬の室内の空気温度が22℃で、壁の温度が10℃であれば体感温度は16℃、同じ室内温度でも壁が20℃であれば、体感温度は21℃ということになります。したがって、壁をしっかり断熱して、室内側の壁の温度を冬は高めに、夏は低めに維持すれば、それだけ体感温度は快適なものに近づくことになります。

※輻射(放射)
熱の伝わり方には、伝導、対流、輻射の3つがある。伝導は固体から固体に熱が直に伝わるもの、対流は空気や水が温かいものは上に、冷たいものは下にと運動してぐるぐる回り熱を伝えるもの。輻射は、物体が発する熱が電磁波(遠赤外線の熱線)となって伝わるもの。真空でも伝わる。室内にいる人は、空気温度とは別に、周辺の壁から熱の作用を受けている。

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断熱リフォームは全室が必須?部分的なリフォームでも効果あり

壁や天井、屋根の断熱リフォームはいったん仕上げ材をすべて撤去して行う必要があるので、手間と費用の掛かる工事だといえます。しかし、その後の生活のしやすさや、暑さや寒さによる体の負担の小ささ、そして光熱費の負担の少なさは、大きな価値があります。

また、断熱リフォームの費用負担が大きすぎる場合は、日常の生活範囲に限って工事を行ったり、特に断熱のウィークポイントになっているところに限ってリフォームを行うという方法も考えられます。たとえば「2階の天井から熱気が降りてくる」という場合に天井断熱を強化する、西日が長時間当たる部屋の壁だけを断熱改修する、ということも考えられます。
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