リフォームを学ぶ | キッチン

キッチン

更新日:2021年10月05日

キッチン床の素材は何がおすすめ?快適なキッチンにするためのポイント

写真:

キッチンの床は、選ぶ素材に応じて単純に見た目や印象が変わるだけではなく、キッチン全体の機能性にも大きく影響します。

「油はねに強い」「耐久性が高い」といった床の素材の特徴を知り、適切な素材を選ぶことで、キッチンをより快適で便利に使い続けることができるでしょう。

今回は、キッチンの床の種類と特徴をまとめ、キッチンの床の素材を選ぶポイントについて解説します。

写真:

キッチン床の種類と特徴

キッチンの床には様々な種類があり、それぞれ長所や短所などが異なります。

ここでは、フローリングやフロアタイルといったキッチン床の種類をひとつずつ挙げ、それぞれの特徴について解説していきます。

フローリング

フローリングは木を素材とした床材で、ポピュラーなキッチン床の素材として多くの住宅で採用されています。

フローリングは、他の木材と組み合わせない単層の天然素材を使用した「無垢フローリング」と、ベースとなる合板に薄い化粧材を張り合わせた「複合フローリング」の2種類に分けられます。このうち住宅の床材として採用されることが多いのは、複合フローリングです。

以下では、フローリングのメリットとデメリットを解説していきます。

フローリングのメリット

フローリングは木を素材としているため、木が本来もっている独特の「自然のあたたかさ」を体感できるメリットがあります。

木目や色の味わいをより深く楽しむことができる無垢フローリングであれば、経年劣化の傷や汚れすらも味わいのあるデザインとして活用することができるでしょう。

また、フローリングを使用しているリビングやダイニングの床材とも合わせやすいため、室内全体をひとつの床材で統一することがしやすいです。これにより、自然かつ開放的な空間が作れるメリットがあります。

さらに、フローリング素材はデザインだけではなく、耐久性や機能性の高さにおいてもメリットがみられます。

特に、複合フローリングに使われる化粧材には水汚れや油汚れに強い特殊加工が施されていることも多く、キッチンに適した床材をリーズナブルな価格で採用しやすいです。

フローリングのデメリット

フローリングの床のデメリットは、素材自体の吸水性が高いことにより、汚れが浸透してしまいやすいことです。

小さな汚れであっても、こまめに手入れをしなければ水や油の汚れがシミとなって、ワックスがはがれやすくなるだけではなく、素材の劣化が早まってしまいます。それにより床全体の印象が悪くなることもあるでしょう。

フローリングの床材はワックスでコーティングすることが一般的ですが、ワックスは時間や日数の経過で剥離してしまいやすいため、ワックスがけなどのメンテナンスを定期的に行う必要があります。

クッションフロア

クッションフロアは、塩化ビニール樹脂製のシートを用いる床材です。

シートの裏側に柔らかい感触の薄いクッションが張り付けられていることが特徴で、このクッションにより足への負担を軽減することができます。

以下では、クッションフロアのメリットとデメリットを解説していきます。

クッションフロアのメリット

クッションフロアのメリットは、素材となる塩化ビニールに水をはじく特徴があり、床表面の水汚れや油汚れが内部まで浸透しにくいことです。

これらの仕様から、クッションフロアはキッチンだけではなくトイレや洗面所の床材にも使われることも多いです。素材がもつ抗菌性能・防カビ性能の高さから、衛生的にキッチンを使用することができるでしょう。

また、クッションフロアは弾力性が高く、衝撃を吸収しやすい素材になっているので、長時間キッチンで作業をしていても足腰への負担が少なくなりやすいです。

さらに、衝撃を吸収しやすい仕様により、食器類を床に落としても割れにくいので、ふとした衝撃や事故などによるリスクも軽減できます。

クッションフロアのデメリット

キッチンとリビングが一体になっている部屋の場合、クッションフロアを敷いたキッチンと、別の床材を使用したリビングの間に境目ができてしまいます。

また、クッションフロアは塩化ビニールを使用した素材なので、木を用いるフローリングやコルクタイルなどの自然素材と比べて、床全体の質感が安っぽくなってしまうことがあります。

その場合、人によっては境目が気になる、部屋全体の質感やデザインの統一感が損なわれるという心配があるでしょう。

加えて、クッションフロアは衝撃を吸収してくれる特徴がありますが、素材自体の耐久性はそれほど高くありません。そのため重い家具などを置いた場所に跡が残りやすい場合があります。

耐用年数も他の素材と比べて短くなりやすいので、床材自体の定期的な張り替えが必要になるでしょう。

タイル

タイルは陶磁器を使用した床材で、全体的にオシャレかつデザイン性が高いものが多いことが特徴です。

キッチン全体に高級感があるモダンな印象を持たせることができるため、インテリアやデザインにこだわる方に人気の床材です。

以下では、タイルの床材のメリットとデメリットを解説していきます。

タイルのメリット

タイルの床材のメリットは、素材自体のデザイン性と、水や汚れをはじくだけではなく熱や衝撃などに対する耐久性の両方が優れている点です。

タイルの床材はテラコッタ(素焼き)、大理石など様々な色やデザインの中から選ぶことができるため、キッチン全体に高級感のある印象を与えることができます。

キッチンのインテリアを重視する方にはおすすめの床材といえるでしょう。

また、タイルの床材は陶磁器を素材としているので、吸水性がなく、床に汚れを残さずすぐに拭きとることができます。

拭き取りにくい汚れに対しては洗剤や漂白剤などを使ってきれいな状態に戻すこともできるため、メンテナンスもしやすいです。

タイルのデメリット

素材に陶磁器を使っているため、床自体の硬度と耐久性は高いです。しかし、床にモノを落とした際に落としたモノが破損してしまいやすいデメリットがあります。

食器類やガラス製のコップなど、割れやすいものを使う場合は注意が必要になるでしょう。

また、タイルの床は温度や湿度の影響を受けやすい特徴があります。

そのため、夏場は目地部分へのカビが繁殖しやすくなること、冬場は床部分から室内全体が冷えてしまいやすいことにそれぞれ注意が必要です。

コルクタイル

コルクタイルは、コルク樫というブナ科の樹皮を原料とした素材です。

程よい柔らかさや弾力があるのが特徴で、長時間の立ち作業でも疲れにくくなるなど、足腰への負担を軽減できることがポイントです。

以下では、コルクタイルの床材のメリットとデメリットを解説していきます。

コルクタイルのメリット

コルク素材は樹皮を原料としているため保湿性能や断熱性能が高く、他の素材よりも冬場の冷えに強いメリットがあります。

また、摩擦係数が高いため水で濡らしても滑りにくく、適切な表面加工を施せば防水性能も高めることができます。

さらに、弾力性が高くて衝撃を吸収しやすいので長時間の作業の負担を軽減しやすく、食器類やガラス製品など割れやすいモノを落としても割れにくい特徴があります。

コルクタイルのデメリット

コルクタイルは自然由来の素材をそのまま使用することが多いため、他の床材と比べて製品どうしのデザインやイメージが同じになってしまいやすいです。

また、木の素材ゆえに劣化までのスピードも早めで、日焼けや経年劣化による変色もしやすいため、他の床材と比べて耐用年数が短くなりがちです。

コルクの素材自体が高価なため、他の床材と比べると費用が高額になりやすい面もあります。

写真:

キッチンの床の素材を選ぶときのポイント

ここまで、キッチンの床の素材と特徴について解説しました。

それでは、実際にキッチンを選ぶ際にはどのようなポイントに気をつけて選べば良いのでしょうか。

ここでは、キッチンの床の素材を選ぶときのポイントを5つ挙げ、それぞれについて解説していきます。

足腰の負担にならない素材を選ぶ

調理、洗い物、食器や調理器具の整理など、キッチンでの作業は足腰に負担がかかるものが多いです。場合によっては、長時間立ったままで作業することも少なくありません。

そのため、キッチンの床の素材を選ぶ際は、なるべく足腰への負担がかからないよう、弾力性のある素材を選ぶのがおすすめです。

また、冬場の冷えやすさによって足腰への負担がかかってしまうことも考慮し、断熱性や保湿性にも注目して、1年を通してキッチンで快適に過ごせる素材を選ぶことがポイントです。

滑りにくい素材を選ぶ

キッチンは調理作業や洗い物などで水・油を使う機会が多いため、水はねや油はねで床が滑りやすい状態になりやすいです。

火や熱湯、刃物などを作業で用いるキッチンでの転倒は、思わぬ大けがにつながるリスクが高いです。そのため、滑りにくい床素材を選んで転倒しにくいキッチンにすることをおすすめします。

たとえば、クッションタイルやコルクタイルなどは滑りにくい床材の代表例といえるでしょう。

また、滑りにくい床材かどうかだけではなく、床にはねた水や油をすぐにふき取りやすいかどうかもチェックするようにしましょう。

シミや油汚れによる変色に注意する

キッチンは調理中に食材や調味料、油などが床に落ちたりはねたりしてしまいやすいです。そのため、汚れをすぐふき取ることができてシミになりにくい床材かどうかを事前に確認しておくことが重要です。

キッチン床に採用する素材によっては、汚れが原因となってシミとなりキッチン全体の印象が損なわれてしまう場合があります。

また、汚れの種類によっては一度ついてしまった汚れが落とせないケースもあり、もとの綺麗な状態に戻せなくなってしまうリスクがあります。洗浄剤などを使うことによる剥がれや色落ちなどを引き起こす可能性もあるでしょう。

そのため、なるべく水はねや油汚れに強い床材を選び、清潔かつ開放的なキッチンの状態を保てるようにすることがポイントになります。

その素材はどれだけ手入れがしやすいのか、汚れを落とすためにどんなことが必要なのかを確認しておきましょう。

部屋どうしのデザインの組み合わせに注意する

オープンキッチンなどリビングとダイニングが一体となっている場合は、リビング部分の床やデザインの組み合わせや統一感に違和感がないかを確認しておきましょう。

たとえば、リビングにフローリングを採用しつつキッチンにクッションフロアを採用するスタイルの場合、キッチンのクッションフロア部分が浮いてしまい、室内の統一感がなくなってしまうことがあります。

現在は素材ごとにデザインのバリエーションが増えているため、色合いなどを寄せる形でデザインに統一感を出すことは可能です。

ただし、床の素材をそれぞれ別々のものにすることによって、印象や雰囲気に想定していなかった違和感が起こってしまうケースがあるため、コーディネートのバランスには注意しましょう。

写真:

複数のリフォーム会社に相談する

キッチンの床材は機能性、デザイン性、耐久性にそれぞれ特徴があるだけではなく、メーカー各社の製品ごとに仕様などが細かく異なります。すべての床材の特徴を把握することは難しいでしょう。

そのため、キッチンの床の素材を選ぶ際はご自身で判断されるよりも、リフォーム会社に相談して、住宅や要望に適した床の素材はどれなのかを考案してもらうことをおすすめします。

リフォーム会社からの適切なアドバイスを受けることで、ご自身では見落としていたポイントや疑問や不安を解消するための有力な情報を手に入れることができるでしょう。

また、リフォーム会社に相談する際には、キッチンのリフォームに強い複数の会社にアドバイスをもらい、客観的かつ中立的な意見をもらうようにしてください。

複数の会社に依頼することで、各社の見積料金の違いを知ることができ、適切なリフォーム費用を知ることができます。

まとめ

今回は、キッチンの床材に関する種類と特徴、キッチンの床材を選ぶ際のポイントについて解説しました。

キッチンは、家の中でも最も作業をする時間が長い場所なので、より快適に長く使用するために知識を身につけることが必要とされます。

キッチンの床の素材のそれぞれの特徴を把握し、最適なものを選んで快適なキッチン空間を実現しましょう。

写真:

*全国の登録事業者が表示されますので、お住まいのエリアに絞って検索ください。

(2021年10月5日掲載)

よかったらシェアしてね