キッチン設備を定期点検しよう

汚れをためていくとなかなか落ちにくくなり、掃除もひと苦労。汚れやすいところは毎日きれいにしておくことが重要です。
加熱調理機は使用したあとは熱くなっているので、冷めてからお手入れを。ガス栓を締め、電源を切り、安全のために手袋をはめてから始めましょう。お手入れの最後には、水滴や洗剤を残さないように水拭きし、最後に乾いた布で拭いて仕上げることがポイントです。

ここからは具体的な掃除の方法をご紹介します。

ガスコンロは、台所用中性洗剤をつけた布で汚れを拭き取ります。炎口の目詰まりは爪楊枝や歯ブラシを使用。ゴトクの汚れがひどい場合は、お湯に漬け置きし、台所用中性洗剤を使って布でこすり落としましょう。

トッププレートに汚れがこびりついている場合は、薄めた台所用中性洗剤をキッチンペーパーに含ませてトッププレートに貼り、汚れが浮いてきたら拭き取ります。

シンク、ワークトップは水を拭き取り、週に2回くらい台所用中性洗剤で汚れを落とすと美しさを保てます。

ステンレスのシンクが曇ってきたら、クリームクレンザーを使って汚れを落とします。人工大理石や樹脂などは、傷がつくのでクリームクレンザーの使用は避けてください。排水口の網カゴをはずして、中の汚れを取ることも忘れずに。

水栓金具はから拭きし、水垢がたまっていたら、台所用中性洗剤で落とします。レンジフードは台所用中性洗剤で拭き取り、ファンやフィルターが汚れてきたら、半年に1回は台所用中性洗剤を入れたぬるま湯に漬けて、スポンジや歯ブラシなどで洗うと良いでしょう。その後はよく水洗いをして乾かしてから装着します。

キャビネットは、水の飛び散りをすぐに拭き取り、から拭きします。

設備機器や住宅部品は知らず知らずの間に劣化していき、不具合が出たままで使用していると、重大な事故につながる恐れがあります。定期的に点検を行い、不具合や異常が見つかったときには、製品メーカーや専門業者に相談しましょう。

また、「長期使用製品安全点検制度」という法律に基づく点検制度があり、重大事故が起こる危険がある製品に対しては、点検期間が来たらこの法定点検を行わなければなりません。キッチンの設備機器では、ビルトイン式電気食器洗い乾燥機がこの対象製品になっています。所有者登録をしておけば、設計標準使用期間が近づくと事前に通知がきますので、必ず点検を受けましょう。

さらに、換気扇は「長期使用製品安全表示制度」の対象製品になっています。本体に、【製造年】20XX年【設計上の標準使用期間】○○年と表示されていますので、点検の時期が来たら製品メーカーに依頼して点検してもらいましょう。なお、いずれも有料での点検となりますが、製品を安全に長く使用するための大切な内容ですので、定められた点検時期にぜひ点検を受けておきましょう。

自分でもできるキッチン設備の点検方法をご紹介します。下記のような不具合や異常を発見したときには、施工店、販売店、メーカーに相談しましょう。

吊戸棚
・扉、引き出し、棚板が変形していたり、反りや「がたつき」がある（落下物でケガをする恐れがある）。

シンク・カウンター
・シンクやカウンターにヒビ割れや欠けがある（亀裂に触れてケガをしたり、水もれを起こす危険がある）。

水栓金具
・がたついたり、動きが重い。配管の接合部から水もれがある。排水口に損傷がある（水もれし、家屋に被害が出る）。

レンジフード
・ファンの回転が不規則だったり、異常な音や振動がする（発火の危険性があるので、すぐに使用禁止する）。

ガスコンロ
・温度センサー（調理油過熱防止装置）の上下の動きが悪かったり、鍋に接触しない（油火災の原因となるので、すぐに使用禁止にする）。
・着火時のガス臭さや燃焼時に異臭・異常な燃焼がある（発火の危険性があるので、すぐに使用中止にする）。

ＩＨクッキングヒーター
・使用時にブレーカーが落ちたり、異臭・異音・異常な煙が出る（発火の危険性があるので、すぐに使用中止にする）。

食器洗い乾燥機
・庫内の食器類から焦げた臭いがする。煙が出る、漏電ブレーカーが落ちる（発火の危険性があるので、すぐに使用中止にする）。

キャビネット
・シンク下の排水トラップ、排水ホースに損傷がある（水もれし、家屋に被害が出る）。

参考／自分で点検！ハンドブック 一般社団法人 リビングアメニティ協会 2014年10月