リフォームを学ぶ | 耐震リフォーム
耐震リフォーム
更新日:2022年01月20日
インスペクションって何やるの?診断内容・費用やメリットを解説!
地震が多い昨今、「自分の住まいは大丈夫かな」と不安に感じることもあるのではないでしょうか。小さな劣化に気づかずに放っておくと、土台や柱、壁などの構造部にまで傷みが広がってしまうこともあります。
住宅の耐震性を維持する第一歩は、自宅の現状を知ること。そうすれば補修しておきたい箇所もわかります。ホームインスペクションを活用して劣化具合などを把握し、安心して暮らせる住まい作りに役立てましょう。
住まいの「健康診断」をしておきましょう
新築時はピカピカでも、年数が経つと建物に多少の劣化があらわれてきます。大きな損傷はないまでも風雨や小規模地震などによって傷みが生じていることも。
特に雨もりや水もれは放っておくと腐食が進み、構造部に問題が生じてしまうケースもあります。小さな劣化をそのままにすると耐震性にも不具合が生じることもあります。
表面だけではわからない住まいのコンディションを調べるのが、ホームインスペクション(住宅診断)です。いわば住宅の健康診断のようなもの。知識を持ったホームインスペクター(住宅診断士)が第三者的な立場から、住まいの劣化状況、問題となる症状を調べ、補修すべき箇所をアドバイスします。
ホームインスペクションで調査を行うのは、基礎、外壁、屋根、軒裏、雨樋、バルコニーやベランダなどの外回り、室内、床下、小屋裏、天井裏など。それぞれの箇所にひび割れや欠損、漏水、変色、腐食がないか、また断熱材状況などを細かく調査します。目視だけでなく、オートレーザーを使って壁のゆがみや床や天井の傾きなども確認。
建物の構造や広さにもよりますが、費用は6万円くらいから。床下や屋根裏調査には別途料金が必要になる場合もあります。
建物を長く維持するには早めのメンテナンスが大切。できれば3年おきくらいをめどに点検し、適宜メンテナンスをしておけば、耐震性能も保持できるでしょう。
ホームインスペクションの重要性が高まる
建物の診断には、宅地建物取引業法(宅建業法)に定められた「建物状況調査」があります。これは、建築物の不動産売買を行う際、その建物の性能評価をすること。
基礎、柱、外壁など構造耐力に必要な部分、雨樋、配管設備、さらに耐震性にかかわる書類の確認などを基本的な内容について調査を行い、結果をまとめます。
2016年6月に宅建業法が改正され、2018年4月1日より建物状況調査に関する説明が義務付けられます。
宅建業者は、中古住宅を仲介する際、依頼者(売主や買主)に対して建物状況調査を行う意向があるかどうかを確認し、依頼者が必要とすればあっせんしなければなりません。さらに建物状況調査の結果を買主に対して説明し、売買契約締結時には基礎や外壁など建物の状況を売主と買主がともに確認し、宅建業者がその内容を書面で交付します。
この宅建業法における「建物状況調査」は、登録機関での講習を終了した建築士にのみ認められています。安心して中古住宅を売買するために、積極的に宅建業法における「既存住宅状況調査」を活用しましょう。
新築の場合は、柱や基礎、屋根や外壁など構造耐力上重要な部分、漏水防止の部分については10年間の保証が義務づけられているのですが、中古住宅は築年数だけではどの程度劣化が進んでいるのか、なかなか判断できません。そのため、買主にとっては「この家はどんな状態なのか、どのくらいもつのか、リフォームする必要はあるのか」などの不安があります。
建物状況調査は、中古住宅を購入する際のこうした不安を払拭する材料のひとつといえるでしょう。
リフォーム時期に合わせて住宅診断
ホームインスペクションを行うメリットは、住宅の現状とメンテナンスしておくべき場所がわかるということでしょう。
中古住宅購入を考える場合、契約前に診断しておくのが効率的。あらかじめリフォームする箇所がわかるので、資金計画が立てやすくなるというメリットがあります。この場合、売主の同意を得たうえで行うことも大切です。
住まいのリフォーム時期もホームインスペクションを行うベストタイミング。
リフォームを依頼する前にホームインスペクションで住まいの劣化状況を調べ、補修が必要であれば優先順位を決めてメンテナンスしておくと安心です。内装リフォームをメインにするなら、ホームインスペクションで断熱材がどれくらい入っているかを調べ、足りないようであれば補充して省エネ性能を高めておくと、快適な住まいにつながるでしょう。
ホームインスペクションと同時に、耐震診断を加えておいた方が良い住まいもあります。
耐震基準は、1981年6月に大幅に改定され、さらに2000年6月以降、強化されました。1981年5月以前の建物は現在の耐震基準を満たしていませんから、耐震診断と補強が必要です。さらに1981年6月から2000年6月以前に申請された建物は、耐震性能が満たされているかどうかを確かめておいた方が良いと思われます。
また耐震基準が強化された2000年6月以降の建築でも、すでに15年が経過している住まいもあります。一度、ホームインスペクションで劣化状況をチェックしておくといいかもしれません。
「長期優良住宅化リフォーム推進事業」により、リフォーム前にインスペクションを行って耐震性能を向上させた場合、補助金の交付を受けられる場合もあるのでチェックしてみましょう。
*全国の登録事業者が表示されますので、お住まいのエリアに絞って検索ください。
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