リフォームを学ぶ | 耐震リフォーム
耐震リフォーム
更新日:2022年01月21日
シロアリ対策の住まい・リフォームのポイントを徹底解説!
知らない間に家をむしばむシロアリ。シロアリに侵されたまま放置すると、家の骨組みである土台や柱が食い荒らされてボロボロになってしまうこともあります。これでは耐震性能が損なわれるばかりか、腐朽した分部の取り換えなどでリフォームに予定外の出費が重なってしまうかもしれません。
しっかりと点検し、シロアリ対策を施しておくことが耐震性を保持するうえでとても大切です。
シロアリの痕跡があれば早めに対策を
シロアリは、じめじめした暗い場所を好みます。
土中から床下に侵入することが多いため普段は目につきにくく、ホームインスペクションなどで点検して初めて気づくというケースも少なくないようです。リフォームのために解体工事をしてみたら土台や柱、壁などに深刻なダメージが発覚することも。
こうなっては建物の強度や耐震性が著しく低下してしまうので、リフォーム計画を変更し、構造部分の補修や取り替えを優先することになります。
シロアリは木材を好んで食べますが、実はあらゆるものを食い荒らす大食漢。例えば発泡スチロールやプラスチック、ゴムや革製品、洋服などの繊維類、断熱材など、食欲の対象は多岐にわたります。
エサを求めてかなり遠くからでもやって来るのも特徴。被害を最小限に抑えるための方法は、早期発見にほかなりません。
わかりやすいのは夏場に出る羽アリの存在ですが、シロアリは建物に入ってくるときに「蟻道」というトンネル状の通り道を作るため、基礎や土台に蟻道がないか、砂粒状の糞がないか確認してみましょう。土台や柱にまで被害が進むと、床が沈むように感じたり、ふすまや雨戸の建てつけが悪くなったりします。
いくつか当てはまるようなら、早めに専門業者に相談して駆除を依頼した方がいいでしょう。調査をして食害が進んでいる場合は、腐朽部分の取り替え、補修も必要になります。
湿気と雨もり対策が不可欠
木造住宅の多い日本は、もともとシロアリの被害を受けやすい環境にあるといえます。
シロアリによる木部の食害を防ぐには、シロアリの好む湿気の多い場所を作らないこと。つまり、湿度対策と雨もり対策が大切です。
雨もりは、屋根材や開口部周辺の劣化、バルコニーの取りつけ不良、外壁のクラック(ひび割れ)などから起こります。雨水が入ると木部の腐食やカビの原因となるだけでなく、ひいてはシロアリ被害につながることもあるので補修しておきましょう。
基礎の構造で見ると、ベタ基礎(床下全面を鉄筋コンクリートで覆う基礎)の方が、布基礎(断面が逆T字型の鉄筋コンクリートで家を支える基礎)よりもシロアリの侵入を防ぎやすいといえます。ただしコンクリートが劣化したり、湿気がこもったりしてしまうと、ベタ基礎でも被害を受けてしまうかもしれません。湿気対策を施してシロアリが好む場所を作らないことがポイントです。
換気口が少ない構造なら床下換気扇をつけたり、調湿シートを敷いたりするのもいいでしょう。薬剤などで防蟻処理をしておく方法もあります。防蟻と調湿効果のあるフクビ化学工業の「アリダンシート」やコーキング剤などでシロアリの侵入を阻止するとともに、カビや腐朽からもガード。ただし防蟻処理は5年から10年で効果が薄くなるので、定期的なメンテナンスが必要です。
防蟻効果のある資材もあります
シロアリは木のやわらかい部分を好んで食べるため、建築資材に硬い木材を使用することを検討してもいいでしょう。硬い木にはヒバ、タイワンスギなどがあります。
特にウッドデッキなどは、雨が直接当たる場所なので注意が必要。腐食に強い木材を選んで防腐処理などを行い、雨が降ったらぬれたまま放置せず、モップや水切りワイパーなどで水分をふき取るとベター。
また、植木鉢などを1カ所にずっと置かないようにして湿気を逃がし、木材腐朽菌の繁殖を防止しましょう。腐ってやわらかくなった木材は、シロアリにとって格好のすみかとなってしまうからです。
耐震性を高める耐力面材にも防蟻効果を期待できるものがあります。
アイカ工業の「モイスTM耐力面材」は、透湿性能が高く壁内部の結露を軽減する特徴があります。またシロアリが関心を持たない無機材料で構成されているので、食害への不安を軽減できます。
ニチハの耐震改修面材「あんしん かべ強化」は、既存の壁を撤去してサイディングで仕上げる無機質系耐力面材。シロアリの侵入を防ぐ役割もあり、耐久性が高くなります。
こうした防蟻性のある建築材を使用するだけでなく、定期的にシロアリ調査、メンテナンスを行うことが耐震性を維持するポイントです。
画像:耐力面材「モイスTM」施工例(アイカ工業)
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