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更新日:2024年10月29日

<トイレに手すり設置>使い勝手の良い位置と高さ、種類について徹底解説します

掲載日:2024年3月8日

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高齢者や体が不自由な家族と暮らす方や、将来を見据えて住みやすい家づくりをお考えの方は、トイレ、お風呂、玄関、階段、廊下等の手すり設置リフォームがおすすめです。
例えば、トイレに手すりを設置するとトイレスペース内の出入りや立ち座りの動きをサポートし、つまずきや転倒といった危険を防ぐのにも役立ちます。

そこで今回は、トイレの手すりにフォーカスして使い勝手の良い位置と高さ、種類について解説します。トイレに手すりを設置することをお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
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トイレに手すりを設置するメリットとデメリット・注意点

トイレに手すりを設置すると、どのようなメリット・デメリットがあるのかを詳しく見ていきましょう。

メリット

トイレに手すりを設置すると、以下のようなメリットが期待できます。

  • 体に力が入らない時の支えとして役立つ
  • 方向転換する際に体を支えてくれる
  • トイレへの立ち座りなどの動作を補助してくれる
  • 正しい位置に設置することで、出入りがしやすくなる
  • 転倒を防止できる

トイレで便座に座ったり、立ち上がったりする一連の動作は、高齢者の方や体の不自由な方にとって大きな負担がかかりがちです。トイレに手すりを設置すれば、さまざまな動作をサポートして安全かつ快適に使えるようになるでしょう。また、健康な方や若い方でも、トイレに手すりがあると体調が悪い際やけがをした際、そして、妊娠中にも便利ですし、安心感につながります。

デメリット・注意点

トイレに手すりを設置すると、家族全員が安心して使えるようになりますが、以下のようなデメリットもあります。

  • 正しい位置・高さに手すりを設置しないと使いづらい
  • トイレのスペースが狭くなる可能性がある
  • DIYでの設置は危険な場合がある

トイレに手すりを設置する際に位置や高さを誤ってしまうと、ドアや壁、便器とのバランスが悪くなり、かえって使いづらくなったり、危険になってしまったりする心配がありますし、トイレスペースが狭くなって圧迫感が気になってしまうということもあり得ます。

そして、手軽なDIYで手すりを設置するのも安全性に不安がありますので避けましょう。

手すり設置の際は、リフォーム会社にまずは相談するのがおすすめです。気になる点を挙げて、ご家庭の状況に合わせたリフォームプランを提案してもらいましょう。

トイレの手すりの種類

使い勝手が良く安心して使えるトイレにリフォームするには、手すりの種類を把握しておくのが重要です。以下では代表的なトイレの手すりの特徴を解説します。

水平型手すり

壁に沿って水平に設置する手すりです。手すりをつかむことで移動しやすくなり、特にトイレの入り口の壁から便器までの距離がある場合に役立ちます。中腰で歩く際に、肘を手すりに置きながら移動できるのがメリットです。
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I字型手すり

名前のとおり、壁にI字型の縦方向に設置する手すりです。立ち座りの動作や体を支える役割を果たします。便器横のほか、体のバランスを崩しやすいトイレの出入り口付近に設置するのもおすすめです。なかには、トイレットペーパーホルダーや棚が一体になっているタイプが販売されています。
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L字型手すり

L字型に縦と横に手すりが伸びているタイプです。水平型とI字型のメリットを兼ね備えており、便座での立ち座りのサポートや座位姿勢の安定、横への移動時に体を支えるのに役立ちます。

ハンドグリップ手すり

コンパクトサイズの手すりです。手で握る分だけの手すりを設けたタイプで、省スペースで設置しやすいメリットがあります。便器への立ち座りの際や、座っている時の姿勢を保つ役割を発揮するのが特徴です。

はね上げ手すり

便器の後方や横の壁に設置して、立ち座りや座っている時の姿勢を安定させる手すりです。はね上げられる構造になっており、必要ない時は折りたためば邪魔になりません。特に、介助に必要なスペースを確保したい場合に便利です。

上下に可動するタイプや水平にスイングするタイプがあり、力の弱い方でも楽に動かせます。水平にスイングするタイプのなかには、ボード付きで上半身を支えてくれるタイプもありますので、チェックしてみてください。

アームレスト

ひじ掛けいすのように、腕を置いた状態で便座に座れるのがアームレストです。リラックスした姿勢を保ちやすく、立ち座りをサポートする役割も発揮します。大きく分けて床に取り付けるタイプと壁に取り付けるタイプ、はね上げタイプがあり、トイレのスペースを考慮して選ぶと良いでしょう。壁面に持ち上げて折りたためるタイプなら、掃除や介助の際に邪魔になりません。

床固定式手すり

便器を囲むように設置するのが床固定式手すりです。安定感に優れており、両サイドをひじ掛けとして使えます。排泄しやすい前傾姿勢を取りやすいのもメリットです。壁の工事が不要で、壁の補強工事が困難な状況にも適しています。なかには、背もたれ付きタイプも販売されていますので、チェックしてみてください。

トイレの手すりの使いやすい位置・高さ

トイレに手すりを設置する際は、使い勝手を考慮して位置や高さを決めましょう。以下では、設置場所別に適切な手すりの位置や高さを解説します。

トイレの出入り口・扉周辺に設置する場合

トイレの出入り口や扉周辺には、安定した姿勢で扉を開け閉めしやすいI字型手すりが適しています。取り付ける位置は、手すりの上端が使用する人の肩よりも上になるように設置すると良いでしょう。

トイレの個室内に設置する場合

トイレの個室内に手すりを設置する場合は、立ち座りをサポートするI字型手すりや移動も補助するL字型手すりなどから、スペースを考慮しながら選びましょう。手すりの位置は、便器の先端から200~300mm前方の位置に設置すると、手を前へ出した際に体の重心が移動しやすくなります。L字型の横部分は、便座から200~250mm上方の位置が目安です。便器に近すぎると、無理な体勢になりやすいので注意しましょう。
また、手すりを取り付ける位置や高さを決める際は、使用する方の身長はもちろん、トイレットペーパーホルダーの位置も考慮しておきましょう。

便器正面に手すりを設置する場合

便器の正面に手すりを設置する際は、まずは、便器の先端から壁まで400mm以上のスペースがあるかどうかを確認しましょう。距離が400mm以下だと手すりと体が近すぎて、動きにくさを感じるかもしれません。
また、手すりの位置が低すぎると前かがみに立つ際に壁に頭をぶつける恐れがあります。男性が座らずに立ったまま用を足したり、介助者がトイレに入ったりする際に手すりが腰に当たらないように配慮して設置しましょう。

トイレに手すりを設置する際に注意したい3つのポイント

トイレに手すりを設置する際は、位置や高さ以外にも考慮すべき点があります。以下では、注意したい3つのポイントを解説しますので、参考にしてみてください。

1.壁の強度をチェック

トイレに手すりを設置する際は、壁に強度があるのかを確認しておきましょう。設置した場所の壁の裏側に柱が入っていないとネジが効かず、下地を補強しなければなりません。下地補強は、壁の材質や状態によって施工内容が異なります。壁の一部を取り壊して裏に下地補強を施すほか、壁を壊さず補強材を固定する方法もありますので、リフォーム会社に相談してみましょう。

2.手すりの素材をチェック

手すりの素材には、木やステンレス、プラスチックなどの素材があります。握った際の滑りにくさを重視しつつ、トイレの雰囲気に合わせてデザインやカラーをチェックしましょう。併せて太さも重要なポイントです。握りやすい手すりの太さは直径32~35mmほどが目安ですが、使う方の手の大きさや握力なども考慮しておくと良いでしょう。

3.使う方が使いやすいのかをチェック

使う方の身体状況や身長などによって、適した手すりのタイプや位置などが異なります。手すりを掴んで水平に移動するのか、中腰になるのかなど、使う人の使い勝手を考えながら検討しましょう。可能ならば使う方も同席し、どのような手すりをどこに設置するのかをリフォーム会社と相談するのがおすすめです。

トイレに手すりを設置する際にかかる費用

トイレに手すりを設置した事例から、以下の条件で業者が見積りした内容を紹介します。

<室内L型手すり取り付け工事 見積明細書>
名称     規格・仕様            数量・単位     単価    金額   
下地
補強版
下地補強版
厚15×幅110㎜ 
材料費 2m 4,630 9,260
下地補強版取付け ビス止め 手間 2m 1,840 3,680
L型手すり 木製 φ35程度
長600×600㎜
取付部品共
材料費 1本 8,400 8,400
L型手すり取付け ブラケット止め 手間 1本 6,200 6,200
合計 27,540
諸経費 5,508
総計 33,048
※養生費は別途

こちらの見積もりは、手すり1本あたりの参考費用であり、数カ所設置する場合は追加費用が発生します。また、下地処理も設置する壁の状況によって施工内容が異なります。設置場所の壁の強度が不足している場合は、補強する工事も必要です。

トイレに手すりを設置することを検討する際は、リフォーム会社に要望やイメージをしっかり伝え、それに応じた内容で見積りを出してもらいましょう。

<トイレ>手すり設置のリフォーム事例

ここからは、トイレに手すりを設置したリフォーム事例を「リフォーム評価ナビ」からご紹介しますので、見ていきましょう。
※以下の参考事例は全て「リフォーム評価ナビ」登録事業者の施工事例です。
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参考事例1:水平型手すり設置リフォーム

安全面にも配慮した綺麗なトイレ|耐震&リフォーム工房のリフォーム事例

両壁面に手すりを設置し、ご高齢の方にも安全で快適なトイレです。手すりを2つ設置しながらもタンクレストイレにすることでお掃除もしやすくスッキリとした印象の空間になりました。

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参考事例2:アームレスト設置リフォーム

築40年平屋をバリアフリー化!|株式会社テンイチのリフォーム事例

築40年の診療所を、車いす生活を想定したバリアフリー仕様のお住いにリノベーションしました。
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参考事例3:I字型手すり設置リフォーム

【築50年】戸建てフルリノベ|リノベ・デザインのリフォーム事例

暖房併設のバリアフリートイレ

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まとめ

トイレへの手すり設置は、家族がずっと安全に快適にトイレを使える環境をつくることにつながります。だからこそ、使い勝手の良い位置や高さに設置することが重要です。

使いやすい位置と高さに手すりを設置するために、まずは、実績豊富なリフォーム会社に相談するのがおすすめです。頼れるプロに相談し、設置後に「使いづらい」、「体がぶつかって危険だ」といったことがないように綿密な設置プランを立てましょう。
◆記事監修
一般財団法人住まいづくりナビセンター 専務理事 
河田 崇

元 独立行政法人 住宅金融支援機構 部長
工務店向けの省エネ基準解説書や木造住宅工事仕様書の作成などに従事
マンション管理士 建築基準適合判定資格者 2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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