寝室のエアコンの設置位置はどこがベスト?快適な睡眠環境のためのポイントを解説
掲載日:2023年5月16日
快適な睡眠環境づくりには、寝室にエアコンの設置が欠かせません。リフォームを検討している方の中には、寝室のどの位置にエアコンを設置したらよいのか、迷ってしまっている方もいるのではないでしょうか?誤った位置にエアコンを設置してしまうと快適な睡眠を妨げてしまうほか、さまざまな問題が発生するリスクがあり注意が必要です。
そこで今回は寝室のエアコンの設置位置にフォーカスし、どこに設置するのがベストなのか、どうしてもエアコンの位置を変えられない場合の対策方法を解説します。新築やリフォームに際して間取りを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
寝室のエアコンの設置位置はどこがベスト?
新築やリフォームで間取りを考える際、寝室のどこにエアコンを設置するのがベストなのでしょうか?以下の5つのポイントを押さえておきましょう。
・ エアコンの風が直接ベッドに当たらない位置に設置する
・ ベッドの真上にならない位置に設置する
・ エアコン専用コンセントの近くに設置する
・ 火災報知器の近くには設置しない
・ 室外機の設置場所も考慮する
では、それぞれ詳しく解説していきます。
エアコンの風が直接ベッドに当たらない位置に設置する
寝室にエアコンを設置する位置は、吹き出す風がベッドに当たらない場所に設置しましょう。就寝時にエアコンの風が直接体に当たってしまうと、なかなか寝付けなかったり、肌や喉が乾燥したりします。特に、喉を痛めると風邪など体調を崩す原因になるため注意が必要です。
風が体に当たってしまうからという理由で夏場にエアコンの使用を控えると就寝中に熱中症になるリスクが高まるのでそれもおすすめしません。風が直接当たらないよう寝室レイアウトを検討したり、対策を取ったりすることが必要です。
ベッドの真上にならない位置に設置する
寝室のエアコンの設置位置を決める際は、ベッドの真上にならないようにしましょう。エアコンの風の流れとベッドが平行であっても、頭上にエアコンがあると冷気が直接当たるのを避けられません。頭のすぐ上にエアコンがあると稼働音が気になって熟睡できない場合もあり、質の高い睡眠時間を十分に確保できなくなります。
ベッドの真上に設置しないほうが良い理由は、次項でも詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
エアコン専用コンセントの近くに設置する
消費電力の大きい200V仕様のエアコンを寝室に設置する場合、エアコン専用コンセントが必要です。200V仕様のエアコンは、通常の100Vコンセントに接続できません。寝室の理想的な場所にエアコン専用コンセントがないなら、増設・移設工事が必要です。
火災報知器の近くには設置しない
寝室にエアコンを設置する際は、火災報知器の位置を確認しておきましょう。エアコンと火災報知器の位置が近いと、万一火災が発生した際に、火災による煙が散ってしまって報知器が正常に検知しない恐れがあります。
室外機の設置場所も考慮する
寝室のエアコンの位置を考える際は、室外機の設置場所も検討しましょう。室外機の設置場所により配管が長くなってしまうことで、エアコンの効きや使用電力に影響を及ぼす可能性があります。
室外機の設置場所を決めるときは、エアコン設置業者やリフォーム会社に相談すると良いでしょう。
寝室にエアコンを設置する際にベッドの真上を避ける理由
寝室にエアコンを設置する際にどのような場所がベストなのかを解説しましたが、もっとも避けたいのがベッドの真上です。なぜベッドの真上にエアコンを設置しないほうがよいのか、以下の6つの理由を解説します。
・ 風が体に直接当たりやすい
・ エアコンが落下する危険がある
・ ベッド周辺の空気が乾燥する
・ ベッド周りにホコリが溜まる
・ ベッドが濡れる恐れがある
・ 虫が頭上に落ちてくるかも
風が直接体に当たりやすい
ベッドの真上にエアコンを設置してしまうと、風が直接体に当たりやすくなるので注意が必要です。冷房の冷風が体に当たり続けると風邪をひいたり、体調を崩したりに繋がりますし、暖房の温風が原因で喉や肌が乾燥してしまうこともあります。湿度が低下するとウイルスが増殖する原因になり、喉や鼻の粘膜に炎症が起きる場合も。快適な睡眠と健康管理のためにも、寝室にエアコンを設置する際はベッドの真上を避けるべきなのです。
エアコンが落下する危険がある
寝室に設置したエアコンは、落下する危険性がゼロではありません。エアコンは専用のボルトやプレートで壁にしっかりと固定してあって落下の心配は少ないものの、老朽化や経年劣化によって落下する危険があるのです。また、大地震によって壁が崩れると、エアコンも同時に落下する事態も考えられるでしょう。
エアコンの室内機は一般的に10kg以上の重さがあり、万一落下して頭にぶつかれば大ケガを避けられません。夫婦の寝室はもちろんお子さんが眠る子ども部屋においても、ベッドの真上にならない位置を検討してみてください。
ベッド周辺の空気が乾燥する
エアコンから出る風は乾燥しています。ベッドの真上に設置すると、エアコンの運転中は常にベッド周辺に湿度の低い空気が吹き出していることに繋がります。。冬の暖房時はもちろん、夏場であっても冷気で部屋の空気が乾燥する場合も。どうしても寝室の乾燥が気になる場合には、加湿器とエアコンの併用も検討してみましょう。
ベッド周りにホコリが溜まる
エアコンは部屋の空気を取り入れて温風や冷風を出す循環運転をおこなっています。風と一緒にホコリも移動しており、エアコンに吸い込まれなかったホコリが付近に溜まってしまうのです。ベッドの真上にエアコンがあると、知らず知らずのうちにホコリを吸い込んで健康を害してしまうことがあり得ます。
ベッドが濡れる恐れがある
冷房使用時にエアコン内部に発生した水分は、エアコンの室内機から発生する水を、室外へと出す排水管「ドレンホース」を伝わって屋外に排出されています。万一ドレンホースが詰まってしまうと水分をうまく排出できず、就寝中に水滴がベッドに落ちてくる恐れがあるのです。とくに、エアコンが古い場合には経年劣化により排水の不具合が起きる可能性も高まりますので、極力ベッドの真上にエアコンを設置するのを避けておきましょう。
虫が頭上に落ちてくるかも
ドレンホースの先端は、屋外の地面に近い場所あるのが一般的です。よって、虫がドレンホースの中をつたって屋内に侵入することがあります。突然虫が頭上に落ちてくるかも・・・と想像すると、ベッドの真上にエアコンを設置するのは避けたほうがよさそうです。
寝室のエアコンの位置を変えられない場合の対策方法
寝室にエアコンを設置する際はベッドの上を避けるべきですが、現状の間取りなどから位置を変えられないケースもあるでしょう。どうしても寝室のエアコンの位置を変えるのが難しい場合の対策として、以下の3つの方法を解説します。
・ エアコンの使い方を工夫する
・ 扇風機やサーキュレーターを活用する
・ リフォーム会社に相談する
エアコンの使い方を工夫する
寝室のエアコンの位置を変えられない場合は、エアコンの使い方を工夫しましょう。まずは、体に直接当たらないように風向きを調節します。リモコンで簡単に調整することができるので、風の向きや強さを実際に試しながら長時間体に当たらないように上手にエアコンを活用しましょう。
扇風機やサーキュレーターを活用する
エアコンの冷気は床やベッドに、暖気は天井付近に溜まりやすい特性があります。エアコンのルーバーの向きやスイング機能にも限界があるので、扇風機やサーキュレーターを活用して部屋の空気をしっかり循環させましょう。
特に夏場の寝室は、日中の熱を壁やクローゼット内部、家具など部屋全体に溜め込んでいる状態です。扇風機やサーキュレーターとエアコンを併用すれば、すばやく室温を下げる効果があるほか、エアコンの設定温度や風量を抑えられて節電にも繋がります。
リフォーム会社に相談する
寝室のレイアウトによってどうしてもエアコンの設置位置を変更できないなら、リフォーム会社に相談するのも方法の一つです。住まいづくりのプロであれば、各家庭で異なるさまざまな悩みや要望にぴったりな提案をしてくれます。素人目に難しいと思われる内容でも、プロの手に掛かれば難なく解決できる場合もあるので、お近くのリフォーム会社に相談してみましょう。
まとめ
寝室のエアコンの設置位置はどのような場所がベストなのか、おさらいしましょう。
・ エアコンの風が直接ベッドに当たらない位置に設置する
・ ベッドの真上にならない位置に設置する
・ エアコン専用コンセントの近くに設置する
・ 火災報知器の近くには設置しない
・ 室外機の設置場所も考慮する
寝室の快適な睡眠環境の実現にエアコンは欠かせません。ただし、どのような位置に設置してもよいわけではなく、今回解説したポイントを押さえてベストな位置を検討しましょう。
しかし、室外機の設置場所やコンセントのベストな位置を決めることはやはり事例豊富なプロフェッショナルに任せた方が安心です。寝室のエアコン設置に迷った際は、まずは住まいづくりのプロであるリフォーム会社に相談してみることをおすすめします。
◆記事監修
一般財団法人住まいづくりナビセンター 専務理事 河田 崇
元 独立行政法人 住宅金融支援機構 部長
工務店向けの省エネ基準解説書や木造住宅工事仕様書の作成などに従事
マンション管理士 建築基準適合判定資格者 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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