「安心R住宅」制度!安心して買える中古住宅選びの目安に
中古住宅を買いたいけれど、
品質や性能がわからなくて、物件を決めるのが怖い…と悩んでいませんか?
そんなときに役立つ情報を紹介いたします。
そんなときは…
「不安」「汚い」「わからない」といった既存住宅(中古住宅)に対する従来のマイナスイメージをなくし、「住みたい」「買いたい」既存住宅を選択できるよう、国土交通省によって創設されたのが、この「安心R住宅」制度です。
一定の基準を満たした既存住宅の広告に、国が定めた「安心R住宅」専用のマークを不動産業者が付けることができ、住宅購入を検討する人にとってわかりやすく表示されています。
では、このマークがある住宅を選ぶと
どのようなメリットがあるのでしょうか?
安心R住宅を知って住宅購入の際の物件選びに役立てよう!
①安心R住宅とは?②安心R住宅の具体的な特徴
③安心R住宅のメリット
④安心R住宅の購入・売却について
⑤安心R住宅の仕組み
①安心住宅とは?
従来、中古住宅には「不安」「汚い」「情報が少なくわからない」というネガティブなイメージがありました。「実は雨漏りがする物件で、購入後に大きな修繕費が必要になるかも」と感じる人などが多かったのです。
そういった買い手の不安を払拭し、安心して中古住宅を購入できる環境を整えるために創られたのが「安心R住宅」制度です。
具体的には、以下の要件を満たした住宅だけが「安心R住宅」として認められます。
①基礎的な品質があり「安心」
②リフォームを実施済みで「きれい」
③点検記録などについて情報提供がおこなわれるから「わかりやすい」
「安心R住宅」の「R」は、Reuse(リユース=再利用)、Reform(リフォーム=改築)、Renovation(リノベーション=改修)を意味しています。安心R住宅は、安心して住める品質が備わっていて、さらにリフォームが済んだ(またはリフォームの提案書がついた)家を、住宅購入検討者のために、わかりやすくマークで表示する制度なのです。
②安心R住宅の具体的な特徴
安心R住宅の特徴を、さらに詳しく紹介します。
①基礎的な品質があり「安心」
②リフォーム実施済みで「きれい」
③点検記録などについて情報提供が行われるから「わかりやすい」
①基礎的な品質があり「安心」
新耐震基準※1で建築されている、もしくは耐震診断で安全性が確かめられています。
構造上の不具合や雨漏りがないことがインスペクション※2によって確認されている、あるいは改修が完了しています。
マンションの場合は管理規約や長期修繕計画を確認することができます。(管理組合の承諾が得られた場合に限る。)
②リフォーム実施済みで「きれい」
事業者団体(安心R住宅を認定できる団体として国土交通省に登録された団体)が定めた基準にあったリフォームが済んでいる、あるいは所要費用を含んだリフォームの提案書がついています。
外装や内装、水回りなどの状態を写真で確認できます。
③点検記録などについて情報提供が行われるから「わかりやすい」
・今まで実施した点検・修繕の内容や、どんな保険・保証がつくのかがわかります。具体的には以下のような内容に関する情報の有無が「安心R住宅調査報告書」で表示されます。
− 建築時の情報や維持管理計画、保険・保証書類、省エネ性能の情報など
− 修繕積立金の積立状況や大規模修繕の実施状況など、共用部分の管理についての情報(マンションの場合)
※1新耐震基準とは
1981年6月1日以降に建築確認された住宅が該当。震度6強から震度7程度でも倒壊しないとされています。
※2インスペクションとは
インスペクションとは、建築士などの専門家による住宅診断のことです。既存住宅(中古住宅)の不具合や劣化具合の程度を調査します。
③安心R住宅のメリット
安心R住宅には、次のようなメリットもあります。
①「既存住宅売買瑕疵(かし)保険」に加入できる
②「こどもエコすまい支援事業」の補助額が引き上げられる
③住宅ローン「フラット35」の金利が引き下げられる
①「既存住宅売買瑕疵(かし)保険」に加入できる
安心R住宅に認められた住宅は、既存住宅売買の瑕疵(かし)保険への加入要件を満たしています。瑕疵(かし)保険の「瑕疵(かし)」とは不具合を指し、加入すると購入した中古住宅に構造上の不具合や雨漏りなどが万一、見つかった場合でも補償を受けられます。
保険対象となる部分と保険期間は以下のとおりです。
保険対象となる部分
柱、基礎、土台などの構造耐力上主要な部分
屋根、外壁などの雨水の浸入を防止する部分
給水管、給湯管などの給排水管路※
給排水設備・電気設備※
※については、保険会社によっては保険対象としていない場合もあります。
保険期間
5年間または2年間
なお、瑕疵(かし)保険は仲介業者などが保険契約者となります。瑕疵(かし)が発覚した場合には、業者が補修を行い保険金を受け取ります。万一、その業者が倒産していた場合でも、住宅の所有者に保険金が支払われるので安心です。
②「こどもエコすまい支援事業」の補助額が引き上げられる
こどもエコすまい支援事業は、子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援することにより、子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資の下支えを行い、2050年カーボンニュートラルの実現を図ることを目的とした事業です。
中古住宅を購入してリフォームする際の一般世帯に対する補助上限額は30万円ですが、購入する住宅が安心R住宅であれば、上限が45万円に引き上げられるのがメリットです。リフォームの提案書がついた安心R住宅を購入するときに利用できれば、コストを抑えてリフォームを行えます。
③住宅ローン「フラット35」の金利が引き下げられる
住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して提供している長期固定金利の住宅ローン「フラット35」には、質の高い住宅については、ローン金利を引き下げることで、住宅政策にマッチした住宅供給・流通を増やそうという仕組みがあります。
このような金利引き下げメニューとして「フラット35(維持保全型)」があり、安心R住宅を購入してフラット35を利用するときには、ローン金利が0.25%(当初5年間)引き下げられるというメリットがあります。
※住宅性能等によってさらに金利引下げ幅が変動いたします。
詳しくは、住宅金融支援機構のフラット35のサイトをご確認ください。
④安心R住宅の購入・売却について
安心R住宅の、購入と売却の流れをそれぞれ紹介します。
【購入】 安心R住宅購入の流れ
購入後の不安を大きく軽減できる「安心R住宅」を購入するときには、以下の流れで進めます。
Step.1
不動産業者に相談
まずは、不動産業者に「安心R住宅を購入したい」と相談しましょう。もしくはポータルサイトや広告で物件を探してみましょう。
Step.2
気になる物件が見つかったら「安心R住宅」のロゴマークがついているか確認
「安心R住宅」のロゴマークがついていても、登録団体の名称が併記されていない場合は、安心R住宅ではないため注意しましょう。さらに登録団体のサイトで、業者が登録されているかを確認しておくと安心です。
Step.3
水回りの写真やリフォームの内容、調査報告などを確認
安心R住宅では、水回りをはじめ外装や主な内装について、写真が豊富に用意されています。どのようなリフォームがされたのか、または必要になるのかを詳しくチェックしましょう。
Step.4
諸条件を確認し、実際に現地で建物の状態を内見
内見では、事前に確認した内容と相違がないかチェックします。気になる箇所がある場合には、その場で担当者に質問することが大切です。
Step.5
検討のうえ、購入するか判断
【売却】 安心R住宅売却の流れ
「安心R住宅」として家を売ることには、安心感を与えられるため購入希望者を見つけやすくなる、瑕疵(かし)保険に加入できるので、売却後のトラブルの心配を減らせるなど、売主側にも大きなメリットがあります。
自宅を「安心R住宅」として売却するときには、以下の流れで進めます。
Step.1
不動産業者に相談
まずは、安心R住宅の事業者団体に所属する不動産業者に「安心R住宅として売却したい」と相談しましょう。
Step.2
専任媒介契約(もしくは専属専任媒介契約)を締結
安心R住宅として住宅を売却するときに不動産会社と結ぶ媒介契約の種類は、1社とのみ契約を結ぶ専任系の媒介契約に限られています。複数社に売却を依頼する一般媒介契約は選べない点に注意しましょう。
Step.3
インスペクションを受け、リフォームの提案書作成を手配
インスペクションと瑕疵(かし)保険の加入、またリフォームの提案書作成には一定の費用がかかる場合があるため、不動産業者に確認しましょう。
なおインスペクションで構造上の不具合や雨漏りが見つかった場合、安心R住宅として売却するためには補修工事が必要となる点にも注意が必要です。
Step.4
安心R住宅のロゴマークを表示して広告
Step.5
購入希望者が見つかったら、売買契約を締結
⑤安心R住宅の仕組み
「安心R住宅」の仕組みを説明します。
「安心R住宅」では、この制度に取り組みたいと希望する事業者団体を国が審査し、登録団体として認められた団体のみにマークの使用が許可されます。
登録団体となった事業者団体は、住宅リフォーム工事の実施基準や、団体に所属する事業者がマークを使用するときに守るべきルールなどを取り決めます。団体に所属する事業者は、決められた基準やルールに従い、要件に適合した住宅にのみ、この「安心R住宅」マークをつけて販売できるのです。
なお、事業者団体は、団体に所属する事業者に対する指導や監督をおこなう義務があります。万一、住宅購入者と事業者との間でトラブルがあったときには、事業者団体の相談窓口で相談できるのも安心です。
国土交通省より、安心R住宅について分かりやすく解説されたパンフレットも発行されています。ぜひあわせてご覧ください。
※本内容は2023年1月時点の情報です。
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