キッチン通路幅のおすすめはどのくらい?理想の幅と使い心地を解説
キッチンのレイアウトやリフォームを考える際には適切な通路幅を設定することが重要になります。
その理由は、通路幅はキッチンでの作業のしやすさや作業効率に影響しやすく、キッチンリフォームの成功や失敗に直結しやすいからです。
通路幅が狭いと作業がしづらいキッチンになりますし、逆に幅を広くとりすぎてもかえって無駄な移動が増えて使いづらいキッチンになってしまうでしょう。
そこで今回は、通路幅に関するよくある失敗例を紹介し、適切な通路幅、通路幅を決めるためのポイントについて解説します。
キッチンの通路幅に関するよくある失敗例4選
キッチンでの最適な通路幅を紹介する前に、通路幅に関するよくある失敗例を紹介します。
住宅の新築時やリフォーム時にどのような失敗例が多く見られるのかを確認しておき、同じ失敗をしないよう、どのような点に注意すべきなのかをチェックしておきましょう。
冷蔵庫や食器棚の設置で通路が狭くなった
キッチンの通路幅に関する失敗例として多くみられるのが、「冷蔵庫や食器棚を置くことで通路が狭くなる」というケースです。
特に対面キッチンの場合、多くは壁側に冷蔵庫や食器棚を置くことになりますが、奥行きが広いものを設置すると、通路を十分に確保できなくなることがあります。
冷蔵庫の場合、奥行きは広くて80cm程度です。しかしそれよりも奥行きのある大容量の冷蔵庫を設置すれば、冷蔵庫が通路まで飛び出す形になってしまうため、それだけ通路幅も狭めてしまうことになるでしょう。
食器棚の場合も同様に、「通路まで飛び出すほど奥行きの大きい食器棚を設置することで通路を圧迫し、動線が悪くなってしまう」ということがあるため、注意が必要でしょう。
無駄に広くしすぎてしまった
通路幅が狭くなることを避けるために通路幅を過剰に広く取ってしまうケースがあります。しかし、通路幅を広くしすぎても使いやすいキッチンになるわけではなく、むしろ逆に無駄な移動が増えて使いづらいキッチンになってしまいます。
キッチンは、シンクやコンロなどで作業をしながら食器や食材の用意をするなど、短時間のうちに細かな移動をすることが多い場所です。
そのため、移動時に使う通路の幅が広すぎたり目的の収納スペースまでの距離が遠くなったりすると、それだけ無駄な移動や動きが増えて、作業効率が悪くなってしまいます。
キッチンの通路幅を考える際は、ただ広くすれば良いというものではない、ということも覚えておきましょう。
1人分のスペースしかなく、すれ違いができない
ひとりでのキッチン作業であれば問題なく使える程度のスペースであっても、通路幅が不十分なために複数人での作業がやりづらいという失敗例があります。
また、ひとりが通れる程度の通路幅しかない場合、家族や友人がキッチンに用事がある場合にすれ違うことができずに不便さを感じることもあります。
具体的には、以下のような場面で通路幅が狭すぎてすれ違いがしづらいと感じることがあるでしょう。
身体をぶつけずにすれ違うためには、最低でも70cm以上は通路幅のスペースの確保が必要とされています。70cm以下の通路幅になってしまうと、すれ違い時に身体をぶつける等で不便さを感じることが増えるでしょう。
しゃがみづらく、低い場所にあるものが取りづらい
通路幅が狭すぎると必要な動線を確保することができなくなるため、システムキッチン、食器棚、冷蔵庫などの最下層部分からしゃがんでモノを取り出しづらくなりやすいです。
低い場所にあるものが取り出しづらくなるとキッチンでの作業効率が下がり、使いづらいキッチンになってしまいます。
またそれだけではなく、せっかく奥行きの広い収納や冷蔵庫を導入しても、その性能を十分に発揮できなくなってしまうため、注意しましょう。
キッチンの通路に最適な幅は何cm?
キッチンの通路に最適な幅は住宅によって変わりやすいですが、キッチンを使う人数によっても変わりやすいです。
1人でキッチンを使う場合と、複数人でキッチンを使う場合では、それぞれ最適な通路幅が異なってくるので気をつけましょう。
ここでは、人数ごとにそれぞれ理想とされる通路幅の目安を解説します。
なお、紹介する幅はあくまでも一般的な目安となるので、実際の幅は多少前後することがあります。通路幅を決める際はショールームなどで実際の使用感を確かめたり、リフォーム会社に相談することも検討してみてください。
1人で使う場合
1人でキッチンを使う場合、キッチンの通路幅は最低でも80cm、できれば90cm程度は確保しておきましょう。
一般的にキッチンに立って作業を行う人の後ろを通るために必要な最低限の広さは70cm程度といわれています。
そのため1人でキッチンを使う場合は、80cm程度の通路幅を確保できれば不自由を感じることなく使用することができるでしょう。
ただし、冷蔵庫や収納棚などの引き出しを開ける際、通路を圧迫してしまうために、脇にどけなければ収納や取り出しがしづらいケースがあることに注意しましょう。
2人以上の複数人で使う場合
調理を2人以上の複数人で行う場合や、キッチンの通路で家族とすれ違うことが多い場合、90cm程度の通路幅では広さが十分ではないため、狭く感じられることが多いです。
キッチンの通路に複数人が立つことが多い場合、通路幅は100~120cm程度を目安として確保しておくと良いでしょう。
また、すれ違う家族の体格の大きさによっては、お互いの身体がぶつからないように通路幅をさらに広く取る必要もあるでしょう。
キッチンの通路幅を決めるときのポイント
キッチンの通路幅を決める際は、通路を通る人数に応じて快適な動線を確保するだけではなく、収納の奥行きや部屋の広さなども考慮して決める必要があります。
ここでは、通路幅を決める際に考えるべきポイントについて解説します。
冷蔵庫や食器棚の奥行きを考慮する
快適にキッチンを使える通路幅を確保するためには、冷蔵庫や食器棚などを引き出した際にどの程度通路を圧迫するのかを考慮する必要があります。
冷蔵庫や食器棚の製品仕様を確認し、記載してある奥行きをチェックすることで、設置した際にどれだけの通路幅を確保できるのかをあらかじめ知ることができます。
ショールームなどで実際にレイアウトを確認すれば、さらに実際の使用感に近い動線のイメージもできるでしょう。
また、冷蔵庫や食器棚の奥行きを確認するときは、引き出しを少しだけ引くのではなく、目いっぱい引き出して一番奥のものを快適に取れるかどうかを確認するようにしましょう。
通路幅だけではなく、リビングやダイニングの広さも考慮する
キッチンの通路幅を優先しすぎたあまり、隣接するリビングやダイニングのスペースが狭くなり、くつろぎにくい部屋になってしまったというケースに注意が必要です。
特に対面キッチンの場合、リビングやダイニングとキッチンが一体で同じ部屋になっていることが多いです。
そのため、キッチンのスペースや通路幅のみに注目すると、隣接する部屋の使い勝手が悪くなってしまうことがあります。
キッチンの通路幅のみに目を向けるのではなく、リビングやダイニングのスペースも考慮して部屋全体の広さも考えたレイアウト作りが必要になるでしょう。
適切な吊戸棚を上手に活用する
キッチンの適切な通路幅を確保しつつ、収納スペースを増やせる方法のひとつが吊戸棚です。
システムキッチンや背面収納に適切なサイズの吊戸棚を導入することで、通路を圧迫せず収納スペースを増やすことができます。
「キッチンの通路幅を十分に確保できない」「収納スペースを確保したいが通路を圧迫してしまう」という悩みがある場合は、必要次第で吊戸棚を導入することも検討すると良いでしょう。
なお、吊戸棚を設置する際には、棚の高さが適切なものを選ぶことが大切です。
棚の位置が高すぎるとものを取り出す際に体勢が苦しくなってしまいますし、低すぎると視界が遮られ圧迫感が出てしまいます。
そのため、吊戸棚の位置がご自身の目線より少し上になるように設置すると良いでしょう。
キッチンの施工実績が豊富なリフォーム会社に相談する
ここまでキッチンの適切な通路幅について解説しましたが、キッチンの通路幅はその住宅や住む人によって、使いやすいと感じる幅は変わりやすいです。
そのため、キッチンの施工実績が豊富なリフォーム会社をピックアップし、実際に住宅を見てもらいながら相談することをおすすめします。
実際にキッチンをリフォームした実績が豊富な会社からは、より住宅に合った通路幅や、通路幅を改善する方法のノウハウ共有やアドバイスをもらうことができます。
ただし、リフォーム会社に相談するときは、1社だけではなく、なるべく複数の会社に相談するようにしましょう。
キッチンの通路幅は住宅によって適切な幅が異なることから、リフォーム会社の間でも意見が割れやすいです。
そのため、複数の会社からのアドバイスを照らし合わせることによって、より住宅に最適な通路幅を割り出しやすくなります。
まとめ
今回は、キッチンの通路幅に関する失敗例を挙げていき、使用する人数ごとの最適な通路幅の目安と、キッチンの通路幅を決める際のポイントについて解説しました。
キッチンの通路幅を設定する際には、使用人数や収納の幅といった複数のポイントに気をつけながら考える必要があるため、レイアウトを考える難易度が高いです。
そのため、実際のリフォームで失敗や後悔が無いように、事前にリフォーム会社からのアドバイスをもらって、それらを参考により良いキッチンレイアウトを作ってみることをおすすめします。
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(2021年10月6日掲載)
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