家にシェルターを作る。耐震リフォームでわが家を避難所に!
いつ襲ってくるかもしれない地震。
それまでの日常生活が突然断ち切られ、仮に直接的な被害を受けなかったにしても、体育館などの避難所での不便な生活を余儀なくされてしまいます。
余震への警戒を怠ることができないことから、しばらく家を空け、避難所生活を続けざるを得ないというケース多いです。
しかし、プラバシーが確保できず、硬い床の上で終日過ごさなければならない避難所生活は精神的・肉体的にも大きな負担です。
体育館ではなく、わが家を避難所にできたらと思う人は多いでしょう。
そこで最近では一室だけは絶対に潰れないシェルターをつくるという新たな発想も生まれています。
避難所の大きなストレス
「震災関連死」という言葉が聞かれるようになりました。
震災そのもので命を落とすのではなく、その後の避難所生活のストレスや避難の長期化の中で、心身ともに疲れ、病気を発症して亡くなってしまうものです。
しかし、いったん居住地が大地震に襲われたら、誰もが避難所の生活を覚悟しなければなりません。
たとえば東京都では、マグニチュード7.3の地震が東京湾北部で起こった場合、都内の建物約280万棟のうち約11.6万棟が全壊、約32.9万棟が半壊すると予想してします(「首都直下地震等による東京の被害想定」2012年4月18日 東京都)。
一体どれだけの人がどれだけの期間、避難所生活をすることになるでしょうか。
熊本地震で各地の避難所には最大で855箇所に18万3,882人が避難しています(4月17日午前9時30分時点の人数。内閣府資料)。その後熊本地震では、51人が震災関連死で亡くなり、東日本大震災では1都9県で合計3,472人がなくなっています(2016年3月31日現在、復興庁調べ)。
被災後の生活がいかに大切か、改めて考えざるを得ません。
わが家に避難所をつくる
できる限り住み慣れた自宅を拠点に避難生活ができないか、その思いを叶えるのが、自宅の一室を強固なシェルターにする考え方です。
例えば、東京都が「安価で信頼できる木造住宅の耐震改修工法・装置の事例」のひとつに選定し、また横浜市も設置費用助成の対象工事として認めている耐震シェルターは、既存の家の1階に、独自の鉄筋コンクリ-ト基礎をつくり、軽量鉄骨を組んでつくる強固な部屋です。4帖半、6帖、8帖の3種類があり、耐圧加重(真上からの加重)34トンという強度をもっています。仮に2階が崩れても、この部屋は潰れずに家族の命を守ります。
とにかくそこに逃げ込めば大丈夫、という部屋があることは、大きな安心につながります。
住まい全体の耐震補強工事となると大がかりで費用も高くなりますが、耐震シェルターなら、一部屋だけの耐震リフォームですむので費用を抑えることができます。
住みながらの工事なので、その点でも大きな手間はかかりません。
そしてこの潰れない部屋は、仮に余震の不安があっても、安心して生活拠点とすることができます。
シェルターに非常用品も揃えておく
わが家の中に一室確保したシェルターは「わが家の避難所」にできます。
行政の指示には従うことが必要ですが、行政にも伝え了解を得た上で、ここを避難所として使うことは可能でしょう。
防災対策として普段からこの部屋の中に、災害時に必要となる懐中電灯やラジオ、カセットコンロ、簡易トイレ、使い捨てカイロ、着替え類、そして、家族の当面の3日分の食料と水などを備えておくようにします。
さらに停電が続くことは十分に考えられるので家庭用非常用電源を確保しておくとさらに安心です。
非常用電源には、大きく分けて「発電機」と「蓄電池」があります。
発電機は、車のエンジンを利用して発電するタイプなどがあります。
また、電気自動車などは大型のバッテリーを内蔵しており、新しい形の蓄電池と考えることもできます。
さらに小型の蓄電池がついた太陽光発電機もあります。
晴れた昼間に蓄電する必要がありますが、エネルギー源として太陽光さえあればよいので、使いやすい電源といえるのではないでしょうか。
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