しっかりとした収納がある家と、長く安心して住める家が良い家です。
- これからリフォームをお考えの方が、事業者にリフォームを依頼する際にぜひ実行してほしいポイントなどアドバイスをお願いします。
- 横内さん:例えば間取りで2LDKや3LDKにしたいなど部屋のレイアウトをイメージされる方は多いですが、意外と考えていらっしゃらないのが収納です。収納は多ければ多いほど良いと希望されますが、リフォームを検討する際には、お客様の「持ち物はどのぐらいあって、どのように収納していくか?」「そのための収納スペースはどのくらい必要なのか?」といった具体的な計算をしておいた方が良いと思います。リフォームの検討当初から収納のことを考えておくと、他の間取りも計画しやすいですし、リフォーム後に住みやすい環境になると思います。
- ご提案時に重視しているポイントがあれば教えてください
- 岡村さん:図面をもとにご提案することを大事にしています。お客様に対し、素敵なリフォームイメージを絵に描いてご提案することは容易にできますが、実際にはマンションなどは躯体の大きさが決まっていますので、理想と現実の乖離もあります。そのため、しっかりとした計算の元、現場でトラブルにならないように綿密に計画したプランを作ってからご提案するようにしています。
- これまで携わってこられて、一番印象に残っているリフォーム事例やエピソードをお聞かせください。
- 横内さん:築43年という古いマンションで、入居されてから一度もリフォームをされていなかったお客様の案件が一番印象に残っています。住んでいる場所の環境が気に入っていて、住み替えも考えていなかったようですが、お子様が小学生になられるタイミングで子供部屋をつくって、お片付けの教育もしたいということでスケルトンリフォームを決意されたようです。設備機器も古く収納にも問題がありましたが、初期プランから設備仕様についても全部お任せくださり、弊社デザイナーや工事監督に全幅の信頼をいただきました。完成後は本当に素晴らしく見違える様に綺麗に仕上がり、お客様から「こんなに綺麗になるんだったら、もっと早くお願いしておけば良かった!」とおっしゃっていただいたことが、とても嬉しく良い思い出になっています。
- 岡村さん:具体的な事例ではありませんが、お客様にとってより良いと思われる考えで、お客様のご要望とは異なるご提案をし施工する場合があります。完成後に「言われた通りにリフォームして本当に良かった!」というお言葉をいただけたときは、ご提案冥利に尽きます。お客様から言われたまま設計することは難しくありませんが、やはり、お客様のことを考えた結果ですので、やっていて良かったなと思える瞬間でした。
- 住まいづくりのプロから見た、「良い住まい」の条件を教えてください。
- 横内さん:住まわれている場所や環境が気に入っている方は多いと思います。そのため、何年も経って家族構成が変わったり、動線や設備が使いにくいと思ったりしたら、居住場所を変えずリフォームをすることが一番だと思います。設備交換だけのリフォームは別として、「間取りを変えたい」「使い勝手を考えたい」「ひと工夫したお部屋を作りたい」など家全体のリフォームの場合は、リノベーション対応可能なプロ集団にご相談いただいて、よく打ち合わせた後にリフォームをすると、限られたスペースの中でも、とても使いやすく良い住まいになると思います。
- 岡村さん:温熱環境や空気環境など見えない部分の基本がしっかりしている家が良い家だと思います。また、小さなお子様がいらっしゃる若いご夫婦はよく子育て中心の家づくりをご希望され、ベビーカー置き場が欲しいなどご要望されますが、意外と子育て期間は短く子供の成長は早いので、コスト面も含め長い目で見た時に一番良いであろうと思われる家づくりが必要です。ライフステージが変化する数年先のことにも配慮された、お客様には長く安心して住んでいただけるような住まいが良い家だと思います。
代表事例集
壁面収納でスッキリしたリビング
壁面全部を造り付けの収納にしました。テレビだけでなく、リビングで散らかりがちな様々なものをスッキリ隠して収納。急な来客でもいつでもリビングは綺麗です。収納の上には間接照明を入れて、夜は柔らかな光でくつろぎます。
造作ロフトベッドと2段ベッド
2段ベッドとロフトベッド。ロフトベッドの下には勉強机。全て造作で部屋を造りました。お子様が秘密基地のようにして喜んで使われています。キッチンからお子様の様子が全て見渡せるリビングというご要望でした。
- この取材は新型コロナウィルス感染拡大防止のため、オンラインで実施しました。